バーや居酒屋の棚で隣り合って並んでいることも多い、サントリーのオールドと角瓶。どちらも日本のウイスキーを代表するロングセラーですが、その違いを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、そもそも**特徴から探るサントリーオールドって何?**という基本的な情報から、人気の理由とサントリー角とは何ですか?という核心に迫ります。
また、多くの人が気になるサントリーオールドの評価はうまいのか、あるいはまずいのかという点や、インターネットで囁かれる「サントリー角 やばい」と言われる理由についても、多角的な視点から深掘りします。
さらに、ウイスキー愛好家なら一度は耳にしたことがあるかもしれない、今はなきサントリーオールドの特級とは何ですか?という歴史的な話題にも触れていきます。
日々の晩酌に役立つ情報として、美味しいサントリーオールドハイボールの作り方や、定番の比較テーマであるトリスと角のどっちのハイボールが美味しいかについても考察します。
そして、サントリーオールドは製造中止になったの?という気になる噂や、混ぜ物がある?オールドはウイスキーじゃないという噂の真相まで、あなたが抱えるであろう様々な疑問を一つひとつ丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、二つの国民的ウイスキーの違いが明確になり、次の一杯がもっと楽しくなるはずです。
記事のポイント
- オールドと角瓶の歴史とコンセプトの違いがわかる
- 味や香りのプロファイルと最適な飲み方が見つかる
- 価格帯や市場での立ち位置が理解できる
- 製造中止や品質に関する噂の真相が明らかになる
サントリー オールドと角の基本的な違い

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この章では、オールドと角瓶が誕生した歴史やコンセプト、香味といった基本的な違いを解説します。
さらに「うまい/まずい」といった世間の評価や、「特級」の歴史も深掘りするので、両者の個性を根本から理解したい方は必見です。
ポイント
- 特徴から探るサントリーオールドって何?
- 人気の理由とサントリー角とは何ですか?
- サントリーオールドの評価はうまい?まずい?
- 「サントリー角 やばい」と言われる理由
- 今はなきサントリーオールドの特級とは何ですか?
特徴から探るサントリーオールドって何?

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サントリーオールドは、サントリー(旧・壽屋)の創業者である鳥井信治郎が、その生涯をかけたウイスキー造りの集大成として生み出した、まさにブランドの魂とも言えるウイスキーです。
1940年に香味設計そのものは完成の域に達していましたが、当時の緊迫した社会情勢、すなわち戦争の影響で発売が見送られることになりました。
しかし、この10年という長い待機の時間が、結果としてオールドに更なる熟成という深みを与えることになります。
戦禍を免れた山崎蒸溜所で静かに熟成の時を重ねた貴重な原酒が、1950年の発売時にその豊かな味わいを花開かせたのです。
コンセプトと歴史的立ち位置
戦後の復興から高度経済成長期へと向かう日本において、サントリーオールドは単なるアルコール飲料ではなく、「高級ウイスキー」としての確固たる地位を築きました。
丸みを帯びた特徴的なボトル形状から「だるま」という愛称で親しまれ、多くの人々にとって成功や豊かさの象徴、「いつかは飲みたい憧れのお酒」として特別な存在感を持っていたのです。
当時のサラリーマンにとって、給料日にオールドを一本買って帰ることは、一つのステータスでした。
この位置づけは、日常的に楽しむウイスキーとして設計された角瓶とは明確に一線を画すものでした。
オールドは、特別な日のお祝いや大切な人への贈答用として選ばれる、ワンランク上のプレミアムウイスキーだったのです。
さらにサントリーは、「二本箸作戦」と呼ばれる画期的な営業戦略を展開し、それまで「和食には日本酒」という常識があった寿司屋や料亭にオールドの水割りを提案しました。
これが成功を収め、オールドは日本の食文化にも深く浸透していきました。
香味を決定づけるブレンド
オールドの複雑で豊かな香味の核となっているのは、山崎蒸溜所のモルト原酒の中でも、特にシェリー樽やスパニッシュオーク樽で長期にわたり熟成させた原酒です。
シェリー酒を熟成させた後の樽を使うことで、ウイスキーにはレーズンやドライフルーツを思わせる、深く華やかな甘みが与えられます。
これがオールド特有の芳醇さを形成する最大の要因と言えます。
口当たりは非常にまろやかで、アルコールの刺激を感じさせない滑らかさがあり、口に含むと厚みのある豊かなコクが広がります。
その味わいは時代と共に少しずつ進化しており、現在の製品は「かつてのオールドのキーモルトであったスパニッシュオーク樽を強化することでさらにまろやかに」なったとされています。
伝統的な味わいを守りつつも、現代の味覚に合わせて洗練され続けている点も、長く愛される理由の一つです。
(出典:サントリー公式サイト サントリーウイスキーオールド)
サントリー オールド 700ml 43度
人気の理由とサントリー角とは何ですか?

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サントリー角瓶、正式名称「サントリーウイスキー角瓶」は、1937年(昭和12年)の誕生以来、80年以上にわたって日本の食卓やバーカウンターで愛され続けてきた、まさに日本のウイスキー史を語る上で欠かせない不朽のスタンダードです。
これほど長く、そして広く支持され続ける背景には、創業者・鳥井信治郎の揺るぎない哲学と、時代に合わせて進化してきた巧みな戦略が存在します。
開発コンセプトとデザイン
角瓶の誕生は、一つの大きな失敗から始まりました。
サントリー初の本格ウイスキーとして発売した「白札」が、そのスモーキーな香味ゆえに当時の日本人からは「こげくさい」と評され、市場で受け入れられなかったのです。
この苦い経験をバネに、鳥井信治郎は次なる一手として、スコッチの単なる模倣ではない、徹頭徹尾「日本人の繊細な味覚に合うウイスキー」を造るというコンセプトを打ち立てました。
その結晶が、この角瓶です。
デザインにもその哲学は貫かれており、薩摩切子をヒントにした美しい亀甲模様が刻まれた角ばったボトルは、輸入品とは一線を画す「日本のウイスキー」としての品質と矜持を視覚的に表現しています。
多くの人々が親しみを込めて呼んだ「角瓶」という愛称が、やがて正式な製品名として採用された事実は、このウイスキーがいかに深く日本の文化に浸透したかを物語っています。
香味の特徴とブレンド
角瓶の味わいの中心を担うのは、サントリーが誇る山崎蒸溜所と白州蒸溜所のバーボン樽で熟成されたモルト原酒です。
華やかで重厚な個性を持つ山崎の原酒と、軽やかでキレのある白州の原酒を絶妙なバランスでブレンドすることで、角瓶ならではの厚みとドライな後口が生まれます。
特に、バーボン樽熟成由来のバニラやハチミツを思わせる甘やかな香りと、厚みのあるまろやかなコクは、多くの人を魅了してきました。
それでいて後味はすっきりとドライにキレる。この香味設計こそが、時代を超えて多くの人々に愛される普遍的な美味しさの根源であり、後に大成功を収めるハイボールとの完璧な相性にもつながっていくのです。
角ハイボールによる復活
一時はウイスキー消費の低迷期も経験しましたが、2000年代後半に入り、角瓶は「角ハイボール」という飲み方の提案によって劇的な人気復活を遂げました。
これは単なる偶然のブームではありませんでした。
井川遥さんらを起用した洗練されたテレビCMは、「ウイスキーは年配の男性が飲むお酒」というイメージを覆し、若者や女性層にもハイボールの魅力を伝えました。
さらに、サントリーは「ウイスキーソーダ」という一般名称ではなく「角ハイボール」という固有名詞でプロモーションを展開し、飲食店に専用サーバーを普及させるなど、緻密なマーケティング戦略を実行したのです。
食事との相性の良さと爽快な飲み口が、特に居酒屋業態を中心に広く受け入れられ、ウイスキー市場全体の活性化にも大きく貢献しました。
言ってしまえば、角瓶はハイボールという文化を日本に再定着させた立役者であり、これが現在の不動の人気を支える最大の理由と考えられます。
サントリーウイスキー 角瓶 700ml
サントリーオールドの評価はうまい?まずい?

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サントリーオールドの評価は、インターネット上のレビューなどを見ると「うまい」「まずい」と意見がはっきりと分かれることがあり、多くの人が購入前に気になるポイントの一つです。
このような評価の振れ幅は、決して品質が不安定というわけではなく、むしろオールドが持つ、他にはない独特の個性に起因すると考えられます。
かつての高級品のイメージと、現在の手頃な価格帯との間に生まれる期待値の違いも、評価が分かれる一因かもしれません。
「サントリーオールドまずい」は誤解?味の真相と歴史を解説やサントリーオールドは本当にうまい?味と評判を徹底解説の記事では、サントリーオールドの評価について、それぞれ深堀していますので、併せてご覧ください。
「うまい」と感じる理由
オールドを「うまい」と心から評価する人々の多くは、そのブレンドの核であるシェリー樽熟成原酒がもたらす、甘く華やかな香りと、価格からは想像できないほどまろやかで豊かな味わいを高く評価しています。
ストレートやロックでじっくりと味わうと、レーズンやドライフルーツのような凝縮された果実の甘みに加え、カカオや黒糖を思わせる深いコク、そして余韻に微かなスパイスのニュアンスを感じることができます。
これらの複雑な香味の層が、2,000円台で購入できるウイスキーとは思えないほどの満足感を与えてくれる、という意見が数多く見られます。
特に、スコッチウイスキーの中でもシェリー樽熟成タイプの銘柄を好む方にとっては、非常に親しみやすく、コストパフォーマンスに優れた一本として魅力的に映るでしょう。
また、お湯割りにすると甘みが一層引き立ち、心安らぐ一杯として楽しめます。
「まずい」と感じる可能性
一方で、オールドを「まずい」あるいは「自分の口には合わない」と感じる場合、その評価の背景には、オールドの最大の特徴である「甘さ」が要因となっていることがほとんどです。
特に、スコッチの中でもアイラモルトのようなピーティーでドライな味わいや、バーボン樽由来のカラメルのような軽快な甘さを好む方にとっては、オールドのシェリー樽由来の濃厚で果実的な甘みが、やや重たく感じられたり、後味に長く残るように思えたりすることがあります。
また、ハイボールにした際に、角瓶が持つような爽快でキレのある飲み口を期待すると、甘みやまろやかさが前面に出るオールドのスタイルは、個性が強すぎると感じるかもしれません。
ただ、これは品質の問題ではなく、香味設計の方向性の違いです。例えば、すき焼きのような甘辛い料理や、食後のビターチョコレートと合わせてみると、その甘みが素晴らしい相性(ペアリング)を見せることもあります。
このように考えると、オールドの評価は絶対的なものではなく、その香味プロファイルが個人の嗜好に合うかどうかが鍵となります。
もしあなたが、豊かでまろやかな甘みを持つウイスキーをじっくりと味わいたいのであれば、オールドはきっと価格以上の価値を持つ素晴らしい一本になるはずです。
サントリー オールド 700ml 43度
「サントリー角 やばい」と言われる理由

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インターネット上で見かける「サントリー角 やばい」という表現には、実はポジティブとネガティブ、二つの異なる文脈が存在します。80年以上の歴史を持つ国民的ウイスキーの評価に、現代的な若者言葉が使われること自体、角瓶がいかに今の飲酒シーンに深く浸透しているかの表れと言えるでしょう。
この言葉が使われる背景を、両方の側面から詳しく見ていきます。
サントリー角瓶の歴史|誕生から愛され続ける理由の記事では、角瓶の魅力について深堀していますので、併せてご覧ください。
ポジティブな意味での「やばい」
多くの場合、この表現は「美味しすぎてやばい」「どんな料理にも合いすぎてやばい」といった、手放しの称賛の意味で使われます。この評価の震源地は、言うまでもなく「角ハイボール」です。
特にハイボールにした際の爽快感とキレのある味わいは、唐揚げや餃子、焼き鳥といった居酒屋の定番メニューとの相性が抜群です。
シュワっとした炭酸が口の中の脂をさっぱりと洗い流し、次の一口、次の一杯へと誘うのです。
この完璧な食中酒としての性能が、多くの人々を魅了し、「角ハイボールはやばい」というポジティブな評価につながっています。
さらに、手頃な価格でこの品質を楽しめる、圧倒的なコストパフォーマンスの高さもその評価を後押ししています。
700mlのボトル1本から数多くのハイボールを作れるため、家飲みでも気兼ねなく楽しめるのが大きな魅力です。
ウイスキー特有のクセが少なく、ほのかな甘みと華やかな香りで飲みやすいため、ウイスキー初心者でもゴクゴク飲めてしまう。
この「とっつきやすさ」と「美味しさ」が相まって、「ついつい飲み過ぎてしまう、やばい酒」として多くの人に認識されているのです。
ネガティブな意味での「やばい」
一方で、ウイスキーをストレートやロックでじっくりと味わいたい一部のウイスキー愛好家からは、異なる文脈でこの言葉が使われることがあります。
具体的には、「アルコールの刺激が強くてやばい」「味わいが単調で深みがなくやばい」といったネガティブな意見です。
これは、角瓶が比較的若い原酒をブレンドの中心に据えていることに起因します。
そのため、長期熟成を経たシングルモルトウイスキーなどと比較すると、味わいの複雑さや香りの多層的な変化、熟成によるまろやかさに欠け、アルコール由来のピリッとした刺激を感じやすい側面があるのは事実です。
言ってしまえば、香りの変化をじっくりと楽しむような飲み方には、あまり向いていないのかもしれません。
ただし、これは製品の優劣ではなく、あくまで設計コンセプトの違いによるものです。
角瓶は、単体でじっくり楽しむ「主役」としてではなく、炭酸で割ることでその真価を発揮し、食事の味を最大限に引き立てる「最高の脇役」として設計されています。
そのコンセプト通りハイボールとして楽しまれることで、角瓶は最も輝くウイスキーであると言えます。
サントリーウイスキー 角瓶 700ml
今はなきサントリーオールドの特級とは何ですか?

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ウイスキーの古いボトル、特にサントリーオールドについて調べると、ラベルに小さく「特級」という漢字が記されているものを見つけることがあります。
これは単なる昔のデザインというわけではなく、当時のウイスキーの品質と価値を知る上で非常に重要な手がかりとなる表示です。
この「特級」とは、1953年から1989年(平成元年)3月まで日本に存在した、酒税法上の等級制度を指します。
この制度では、ウイスキーは含有されるモルト原酒の比率(混和率)やアルコール度数に応じて「特級」「一級」「二級」の3つに厳格に分類されていました。
当時の基準によれば、「特級」と認められるためには、モルト原酒を27%以上(1971年以降の基準)使用しているなど、最も厳しい品質基準をクリアする必要がありました。
その代わり、「特級」ウイスキーには非常に高い酒税が課せられていました。
このため販売価格も高価にならざるを得ず、庶民が日常的に楽しめるお酒ではありませんでした。
つまり、「特級」の表示は、最も品質が高いウイスキーであることの公的な証であり、同時に多くの人々にとって特別な日に飲む贅沢品、憧れの象徴でもあったのです。
特級と表示されたサントリーオールドは、まさにその時代の最高品質基準を満たした製品だったわけです。
1989年の酒税法改正によってこの等級制度は廃止されましたが、現在でもウイスキー愛好家やコレクターの間では、この「特級」時代のボトルは「オールドボトル」として非常に珍重されています。
その最大の理由は、当時の原酒構成やブレンドが現在のものと異なるため、現行品とはまた違った奥深い味わいを楽しむことができるからです。
なぜなら、当時のボトルには、今ではもう使われていないような長期熟成の貴重な原酒が含まれていたり、当時のブレンダーが目指した味わいの方向性が現代とは異なっていたりする可能性があるからです。
オールドボトル愛好家の間では、特級時代のオールドは「現行品よりピートのスモーキーさが感じられる」「より複雑な熟成香(ヒネ香と呼ばれる)がある」などと評価されることもあります。
もし古酒を扱う酒店などでこの「特級」表示のあるオールドを見かけることがあれば、それは日本のウイスキー史の一片に触れる貴重な機会かもしれません。
ただし、保存状態によって香味は大きく変化するため、購入する際は信頼できる店舗を選ぶことが大切です。
それは、サントリーの、そして日本のウイスキーが歩んできた歴史そのものを味わう体験と言えるでしょう。
サントリー オールド 80年代 特級表記 43% 760ml
飲み方と噂で見るサントリー オールド 角 違い

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この章では、オールドの美味しいハイボールの作り方といった具体的な楽しみ方を解説します。
さらに「製造中止になった?」「ウイスキーじゃない?」といった、多くの人が抱く噂や疑問の真相を明らかにしていきます。
ポイント
- 美味しいサントリーオールドハイボールの作り方
- トリスと角のどっちのハイボールが美味しい?
- サントリーオールドは製造中止になったの?
- 混ぜ物?オールドはウイスキーじゃない噂の真相
- 総括:サントリー オールドと角の違いを知り選ぶ
美味しいサントリーオールドハイボールの作り方

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サントリーオールドは、ストレートやロックでそのまろやかさをじっくり味わうのが王道とされていますが、ハイボールにしても素晴らしい個性を発揮します。
「ハイボールといえば角瓶」というイメージが強い中で、あえてオールドを選ぶことで、いつものハイボールとは一味違った、少し贅沢で豊かな一杯を発見することができます。
角瓶で作る爽快な「角ハイボール」とは異なる、オールドならではの香味の特徴と、その魅力を最大限に引き出す作り方をご紹介します。
オールドハイボールの香味の特徴
オールドをハイボールにすると、その最大の特徴であるシェリー樽由来の華やかで甘い香りが、炭酸の気泡と共にはじけるように立ち上り、非常に香り高い一杯になります。
味わいは、角ハイボールよりも明確に甘みとウイスキー由来のコクが感じられ、後味のキレは穏やかです。
りんごや熟したプラムのような果実のニュアンスと、ほのかな樽のビターさが絡み合い、複雑で奥行きのある香味を楽しめます。
そのため、食事の味を引き立てる爽快な名脇役である角ハイボールとは対照的に、オールドハイボールはそれ自体が主役にもなれる存在感を持ちます。
じっくりとウイスキーの味わいを楽しみたい時や、食後に読書や映画を観ながらリラックスする時間のお供に最適な一杯と言えるでしょう。
おすすめの作り方
美味しいハイボールを作る秘訣は、いかに炭酸を逃さず、ウイスキーの香りを引き立てるかにかかっています。
少しの工夫で格段に味が変わりますので、ぜひ試してみてください。
ポイント
- グラスを徹底的に冷やす
まず、ハイボールグラスに大きめの氷をたっぷりと入れ、マドラーでぐるぐるとかき混ぜてグラス自体をしっかりと冷やします。
グラスが白く曇るくらいが目安です。
ここで氷が溶けて出た水は、ハイボールが水っぽくなる原因になるため、必ず捨ててください。
このひと手間が、氷の溶け出しを遅らせ、美味しさを長持ちさせます。 - ウイスキーを先に注ぐ
しっかりと冷えたグラスに、サントリーオールドを適量(30ml~45ml程度)注ぎます。
ウイスキーを先に入れることで、後から注ぐ炭酸水との比重の違いから自然な対流が生まれ、過度にかき混ぜる必要がなくなります。 - 炭酸水を静かに注ぐ
グラスを少し傾け、氷に直接当てないように、グラスの縁に沿わせて冷えた強炭酸水を静かに注ぎます。
炭酸は温度が低いほど液体に溶け込みやすく、衝撃を与えると気泡が抜けてしまうため、「よく冷えた炭酸水を、優しく注ぐ」ことが非常に大切です。
ウイスキーと炭酸の比率は、1:3~1:4が一般的ですが、オールドの豊かな味わいをしっかり感じたい場合は、少し濃いめの1:3から試してみるのがおすすめです。 - 混ぜは一度だけ
炭酸が抜けないよう、マドラーをグラスの底まで静かに沈め、氷を避けて縦に一度だけ、ゆっくりと持ち上げるように混ぜます。
ぐるぐるとかき混ぜてしまうと、せっかくの炭酸が台無しになってしまいます。
この手順で作ることで、オールドの持つ豊かな香りを損なうことなく、格別のハイボールが完成します。
お好みで、レモンの果汁ではなく皮(ピール)を軽く搾って香りだけを添えると、オールドの甘みを邪魔せずに爽やかなアクセントを加えることができます。
サントリー オールド 700ml 43度
トリスと角のどっちのハイボールが美味しい?

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「ハイボールはトリスと角のどっちがいいのか」という疑問は、ハイボール好きの間でよく交わされる、いわば永遠のテーマの一つです。
どちらもサントリーが生み出した日本のウイスキー文化の礎であり、長年にわたり多くの人々の喉を潤してきた「兄弟」のような存在だからこそ、比較される機会も多いのでしょう。
どちらが美味しいかは個人の好みに大きく左右されますが、それぞれのウイスキーが持つ歴史や設計思想を理解することで、その選択はさらに味わい深いものになります。
食事を引き立てる王道「角ハイボール」
まず、角瓶で作る「角ハイボール」は、1937年の誕生以来、日本の本格ウイスキーのスタンダードを築き上げてきた、その歴史に裏打ちされた味わいが特徴です。
山崎蒸溜所と白州蒸溜所のバーボン樽原酒をキーモルトとしており、しっかりとしたウイスキーのコクと厚み、そしてバニラのような甘い香りを感じさせます。
それでいて後味はドライでキレが良いため、食事、特に唐揚げや餃子、ソースの効いたお好み焼きといった脂っこい料理や味の濃い料理との相性が抜群です。
炭酸の爽快感が口の中をリフレッシュさせ、次の一口をさらにおいしくしてくれます。
飲みごたえのある一杯を、食事と共に楽しみたい方には、やはり角ハイボールがおすすめです。
サントリーウイスキー 角瓶 700ml
気軽に楽しめる相棒「トリスハイボール」
一方、トリスウイスキーは1946年、戦後の日本で「安くてうまい」をコンセプトに誕生しました。
アンクルトリスのキャラクターと共に、日本の家庭に洋酒文化を広めた「庶民の味方」とも言える存在です。
その流れを汲むトリス<クラシック>で作る「トリスハイボール」は、やさしく甘い香りと、丸みのあるなめらかな味わいが特徴です。
角瓶ほどモルトの個性を主張させず、あくまで軽快さを追求したブレンドは、ウイスキー特有のクセが少なくすっきりとしています。
そのため、ウイスキーを飲み慣れていない方でも親しみやすく、軽やかな飲み口を好む方に適しています。
お風呂上がりの一杯や、仲間と気軽に楽しむバーベキューなど、シーンを選ばずに楽しめるのが大きな魅力です。
サントリー トリス クラシック 37度 700ml
(出典:サントリー公式サイト 『角ハイボール缶』と『トリスハイボール缶』はどのような味わいが特長ですか?)
項目 | 角ハイボール | トリスハイボール |
---|---|---|
歴史的コンセプト | 日本の本格ウイスキーの確立 | 大衆のための洋酒文化の普及 |
味わいのベース | しっかりとしたコクと厚み | すっきりと軽やか |
後味 | ドライでキレが良い | なめらかでクセが少ない |
おすすめのシーン | 味の濃い食事と共に | 気軽に楽しみたい時、リラックスタイムに |
おすすめの層 | 飲みごたえを求める方 | ウイスキー初心者の方、軽快さを好む方 |
このように、両者には明確なキャラクターの違いがあります。
どちらが優れているということではなく、その日の気分や合わせる料理によって選び分けるのが、最も賢明な楽しみ方と言えるでしょう。
例えば、しっかりとした夕食と共に味わい深い一杯を求めるなら角瓶を、仲間と気軽に乾杯を重ねたい日にはトリスを。あなたの「今日の気分」が、最高の答えを教えてくれるはずです。
サントリーオールドは製造中止になったの?

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「サントリーオールドが製造中止になった」あるいは「終売になった」という噂が、インターネット上などで時折流れることがありますが、長年親しまれてきたロングセラーだからこそ、その動向が気になる方も多いのでしょう。
結論から申し上げますと、これは誤った情報です。
2025年9月14日現在、サントリーオールドはサントリーの公式サイトにも主要なラインナップの一つとして掲載されており、全国の酒販店やスーパーマーケット、オンラインストアで継続して販売されています。
サントリーにとって歴史的にも重要なブランドであり、安定した供給が続けられています。 (出典:サントリー公式サイト サントリーウイスキーオールド 製品情報)
サントリー オールド 700ml 43度
では、なぜこのような噂が定期的に立ってしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの複合的な理由が考えられます。
一つは、近年のジャパニーズウイスキーブームによる影響です。
山崎や白州といった世界的に評価の高いシングルモルトウイスキーが深刻な原酒不足に陥り、一部商品が休売・終売となったことは記憶に新しいでしょう。
この出来事から、「他の銘柄にも同様の事態が起きるのではないか」という憶測が広がりやすくなっているのです。
しかし、オールドは様々な年代や種類の原酒をブレンドして香味を造り上げるブレンデッドウイスキーであり、特定のヴィンテージに依存するシングルモルトに比べて、比較的安定した品質と供給を保ちやすいという特性があります。
また、店舗での見かけにくさも噂の一因かもしれません。
店舗の棚スペースには限りがあるため、販売の主力である角瓶や新製品が優先的に陳列され、オールドの在庫数が少なかったり、バックヤードに置かれたりするケースも考えられます。
そのため、たまたま訪れたいくつかの店舗で見かけなかったことから、「売ってない=製造中止」と誤解されてしまうようです。
もし近所のスーパーで見つからない場合は、品揃えの豊富な大型酒店やデパートの酒類売場などを探してみると、見つけやすいかもしれません。
繰り返しますが、サントリーオールドは現在も購入可能な現行商品です。
日本のウイスキー史を物語る大切なブランドとして、これからも私たちのそばにあり続けてくれるはずです。
噂に惑わされず、安心して、お近くの店舗で探してみてください。
混ぜ物?オールドはウイスキーじゃない噂の真相

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「昔の日本のウイスキーには混ぜ物がされていた」「オールドは厳密にはウイスキーではない」といった、ウイスキー愛好家の間で囁かれる少しショッキングな話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
この根強い噂の真相を正しく理解するためには、日本の酒税法が辿ってきた歴史と、近年に導入された世界基準とも言える新しい自主基準について知ることが不可欠です。
サントリーオールド混ぜ物の噂は本当?歴史と今を徹底解説の記事では、サントリーオールドに混ぜ物があるという噂について、深堀していますので併せてご覧ください。
過去の法律と現在の基準
この噂が生まれた背景には、かつての日本の酒税法における「ウイスキー」の定義が、現在のスコッチウイスキーなどの基準と比較して非常に広かったという事実があります。
当時は、ウイスキーの骨格となるモルト原酒やグレーン原酒だけでなく、醸造アルコールやスピリッツなどをブレンドしたものも、法的には「ウイスキー」として販売することが可能でした。
これは、必ずしも品質を偽るためではなく、戦後の物資が乏しい時代背景や、まだウイスキーの香味に慣れていなかった日本人の味覚に合わせて、飲みやすく価格を抑えた製品を供給するための工夫という側面もありました。
しかし、このことが海外の厳格な基準に慣れた人々から見ると、「日本のウイスキーは混ぜ物」というイメージの一因となっていたことは否定できません。
しかし、状況は大きく変わりました。ジャパニーズウイスキーが世界的な評価を獲得し、その需要が急増する中で、品質とブランドイメージを保護し、消費者の信頼に応えるため、業界団体である日本洋酒酒造組合は新たな自主基準を策定したのです。
2024年4月1日から本格施行されたこの基準では、「ジャパニーズウイスキー」とラベルに表示するためには、以下のような厳格な要件を満たす必要があります。
ポイント
- 原材料:
麦芽を必ず使用し、日本国内で採水された水に限られること。 - 製法:
糖化、発酵、蒸溜は、日本国内の蒸溜所で行うこと。 - 貯蔵:
木製の樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。 - 瓶詰:
日本国内で瓶詰めし、アルコール度数は40%以上であること。
(出典:日本洋酒酒造組合公式サイト 「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を制定)
基準に適合した真正なウイスキー
消費者にとって最も大切な点は、長年愛されてきたサントリーオールドが、この新しい世界的基準をクリアしているということです。
サントリーの公式製品情報ページには、オールドと角瓶の両製品について「※日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズウイスキーの表示基準に合致した製品です。」と明確に記載されています。
これは、メーカー自らがその品質を保証する、非常に重い意味を持つ一文です。
以上のことから、歴史的な経緯から生まれた古い噂は、もはや現在のサントリーオールドには当てはまりません。
現在のオールドは、国際的にも通用する厳格な基準のもとで造られた、混ぜ物のない「真正なジャパニーズウイスキー」であると断言できます。
安心して、その歴史に裏打ちされた豊かな味わいをお楽しみください。
サントリー オールド 700ml 43度
総括:サントリー オールドと角の違いを知り選ぶ
記事のポイント まとめです
- 角瓶は1937年、オールドは1950年に発売されたサントリーを代表するウイスキー
- 角瓶のコンセプトは「日本人の味覚に合う日常のウイスキー」
- オールドのコンセプトは「高度経済成長期の憧れを象徴する高級ウイスキー」
- 角瓶のボトルは薩摩切子をヒントにした「亀甲模様」
- オールドのボトルはその形状から「だるま」の愛称で親しまれる
- 角瓶の香味の核は「バーボン樽熟成の原酒」で甘くドライな味わい
- オールドの香味の核は「シェリー樽熟成の原酒」で華やかでまろやかな味わい
- 角瓶はハイボールにすることで爽快なキレが際立ち、食中酒として最適
- オールドはストレートやロックで飲むと豊かな香りとコクをじっくり楽しめる
- オールドで作るハイボールは角瓶よりも甘く、まろやかな味わいになる
- 角瓶の人気を不動のものにしたのは2000年代後半の「角ハイボール」キャンペーン
- オールドも角瓶も、製造中止の噂は誤りで現在も販売されている
- 両製品とも日本洋酒酒造組合が定めるジャパニーズウイスキーの基準に適合している
- すっきり爽快なハイボールが好きなら「角瓶」がおすすめ
- ウイスキーの甘みや香りを豊かに感じたいなら「オールド」がおすすめ
【参考情報一覧】
- サントリー公式サイト サントリーウイスキーオールド: https://www.suntory.co.jp/whisky/old/
- サントリー公式サイト サントリーウイスキー角瓶: https://www.suntory.co.jp/whisky/kakubin/
- 日本洋酒酒造組合公式サイト: https://www.yoshu.or.jp/
- サントリーオールドと角瓶を飲んで違いを比較してみた - 浮世雲の ...: https://camp-traveler.com/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%A8%E8%A7%92%E7%93%B6%E3%82%92%E9%A3%B2%E3%82%93%E3%81%A7%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E6%AF%94%E8%BC%83/
- 【定番ウイスキー】角瓶・オールド飲み比べ!: https://www.youtube.com/watch?v=nS1Y8skvMH4
- レビュー|サントリー オールド - ラマスピリッツ: https://rama-spirits.com/review/suntory-old/
- 今はもうない特級ウイスキーの話 - たのしいお酒.jp: https://tanoshiiosake.jp/2809
- サントリーオールド - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89
- サントリー角瓶 - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E8%A7%92%E7%93%B6
- 『角ハイボール缶』と『トリスハイボール缶』はどのような味わいが特長ですか? - サントリー: https://www.suntory.co.jp/customer/faq/003208.html
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