「サントリーオールドはウイスキーじゃないらしい」そんな噂を耳にして、本当のところはどうなのか気になっているのではないでしょうか。
長年愛され続ける定番の一本ですが、そもそもサントリーオールドって何?と聞かれると、意外と知らないことも多いかもしれません。
この記事では、サントリーオールドの中身は何ですか?という基本的な情報から、まことしやかに囁かれる、サントリーオールドに混ぜ物はあるのか、製造中止や終売の噂は本当?といった疑問まで、あらゆる角度から徹底的に検証していきます。
また、噂の発端?オールドショックとは何ですか?という歴史的背景や、サントリーの最上級ウイスキーは?といった比較情報、さらにはサントリーオールドうまい派の評価やサントリーオールドまずい派の評価、インターネット上のサントリーオールドなんjでの評判まで、様々な情報を網羅しました。
この記事を読めば、サントリーオールドに関するあなたの疑問は、きっと解消されるはずです。
記事のポイント
- 「サントリーオールドがウイスキーじゃない」と言われる理由がわかる
- 現在のサントリーオールドの品質や定義上の立ち位置がわかる
- 他のウイスキーとの比較や世間でのリアルな評価がわかる
- 購入を迷っている場合の判断材料が得られる
「サントリーオールドはウイスキーじゃない」は昔の話

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この章では「サントリーオールドはウイスキーじゃない」という噂の歴史的背景に迫ります。
オールドの基本的な情報から、中身の秘密、そして過去の法律上の定義までを解説し、噂の根源を明らかにします。
ポイント
- そもそもサントリーオールドって何?
- サントリーオールドの中身は何ですか?
- 噂の発端?オールドショックとは何ですか?
- サントリーオールドに混ぜ物はあるの?
- サントリーの最上級ウイスキーは?
そもそもサントリーオールドって何?

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サントリーオールドは、サントリーが製造・販売するブレンデッドウイスキーの銘柄です。
その歴史は古く、1950年(昭和25年)に、当時のサントリーの前身である「壽屋(ことぶきや)」から発売されました。
これは、サントリーの創業者である鳥井信治郎が「日本人の繊細な味覚に合う、日本の本格ウイスキーを造る」という長年の夢を追い求め、その集大成として世に送り出した製品です。
発売当初から「オールド」という愛称で親しまれ、その黒く丸みを帯びた特徴的なボトル形状から、縁起物の「だるま」や、親しみを込めて「タヌキ」といった愛称でも呼ばれるようになりました。
このデザインは、日本の伝統的な漆器を思わせる落ち着いた佇まいを目指したもので、ラベルに書かれた「壽」の文字とともに、祝いの席にもふさわしい品格を備えていました。
戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、日本の洋酒文化を象G-SHOCKする存在となり、多くの家庭ではサイドボードに飾ることが一種のステータスと見なされるなど、少し贅沢な「ごちそう」として特別な日に楽しまれてきた歴史があります。
サントリー オールド 700ml 43度
ウイスキーの種類としては「ブレンデッドウイスキー」に分類されます。
これは、単一の蒸溜所で作られたモルト原酒のみを使用する「シングルモルト」とは異なり、香り高いモルトウイスキー原酒と、味わいの基盤となる軽やかなグレーンウイスキー原酒を複数種類ブレンドして造られるウイスキーのことです。
サントリーオールドも、日本初のウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所などで造られた、シェリー樽原酒をはじめとする様々な個性を持つ原酒を、ブレンダーが長年の経験と卓越した技術で巧みに組み合わせることで、複雑で調和のとれた味わいを生み出しています。
発売から70年以上が経過した現在でも、時代ごとの人々の嗜好に合わせて味わいのリニューアルを重ねながら、日本の定番ウイスキーとして販売され続けています。
このように、サントリーオールドは単なる一つの商品に留まらず、日本のウイスキー史そのものを体現する、文化的にも非常に重要な一本と言うことができます。
サントリーオールドの中身は何ですか?

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サントリーオールドの味わいの核となっているのは、サントリーのウイスキー造りの故郷である山崎蒸溜所のモルト原酒です。
特に、スペインの酒精強化ワイン「シェリー」の熟成に使われた木樽でウイスキー原酒を熟成させた「シェリー樽原酒」が、ブレンドのキーモルトとして贅沢に使用されています。
これが、サントリーオールド特有の甘く華やかな香味の源泉となっています。
公式サイトによると、現在の製品は「山崎シェリー樽原酒由来の、甘く華やかな香り」と「まろやかで奥行きのある味わい」が特徴とされています。
出典:サントリーホールディングス株式会社 SUNTORY OLD
ウイスキーの香味は、使用されるモルト(大麦麦芽)やグレーン(穀物)、発酵に使う酵母、蒸溜器の形状、そして熟成に用いる樽の種類など、非常に多くの要素が複雑に絡み合って決まります。
サントリーオールドの場合、これらの要素から生まれるまさに多種多様な原酒の中から、チーフブレンダーを中心とするブレンダーチームが、目指す味わいに最適なものだけを厳選し、絶妙な比率でブレンドしています。
ブレンドを構成する原酒たち
サントリーオールドの原材料名表示は「モルト、グレーン」とシンプルですが、その背後にはサントリーが誇る多彩な原酒の存在があります。
モルトウイスキー原酒
前述の山崎シェリー樽原酒を主軸に、白州蒸溜所で造られる軽快なタイプのモルト原酒などもブレンドされていると考えられます。
これにより、ただ甘いだけでなく、味わいに複雑さと奥行きが与えられます。
グレーンウイスキー原酒
ブレンドの土台となり、全体の味わいをまとめ上げるのが、主に知多蒸溜所で造られるグレーンウイスキーです。
とうもろこしを主原料とするこのウイスキーは、穏やかでクリーンな香味を持ち、モルト原酒の豊かな個性を優しく包み込み、滑らかな口当たりと飲みやすさを生み出します。
これらの原酒を、サントリーが長年培ってきたブレンド技術によって組み合わせることで、サントリーオールドならではの調和のとれた味わいが完成するのです。
味わいを支えるアルコール度数43%
アルコール度数は43%で、これは1950年の発売当初から変わらないこだわりの仕様です。
現在のウイスキー市場ではアルコール度数40%の製品も多い中、この3%の違いが味わいにしっかりとした骨格を与えています。
度数が高いことで香味成分が豊かに感じられ、水割りやハイボールにしても味わいが薄まりにくく、飲みごたえのある一杯を楽しむことができます。
この度数設定が、長年にわたりファンを魅了し続ける味わいのバランスを保つ上で、重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
噂の発端?オールドショックとは何ですか?

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オールドショックとは、1980年代前半に起きた、サントリーオールドの売上が急激に落ち込んだ現象を指す言葉です。
これは、ウイスキーの中身や品質に関する問題ではなく、日本のウイスキー市場や消費者意識の劇的な変化を象徴する、マーケティング史上の重要な出来事でした。
黄金時代とその終焉
1970年代まで、サントリーオールドは国産高級ウイスキーの代名詞として、まさに絶対的な王者として市場に君臨していました。
全国のスナックやバーの棚には必ずと言っていいほど黒い「だるま」のボトルが並び、ボトルキープの定番として愛されていました。
家庭においても、父親が特別な日に飲む憧れの酒、あるいは大切な人への贈答品として、日本の洋酒文化の中心に位置づけられていたのです。
しかし、1980年頃からその牙城を揺るがす市場の変化が訪れます。
まず、消費者の嗜好が多様化し、それまでの重厚な味わいから、より軽やかですっきりとした味わいを好む層が増えてきました。
これは、同時期にブームとなった「チューハイ」などにも見られる時代の大きな潮流でした。
また、ニッカウヰスキーをはじめとする他社から、若者をターゲットにした新しいコンセプトのウイスキーや、より手頃な価格帯の製品が次々と発売され、競争環境が一気に激化したのです。
等級制度の廃止という決定打
さらに大きな影響を与えたのが、1989年に完全に廃止されるウイスキーの「等級制度」です。
それまでウイスキーは「特級」「一級」「二級」にランク分けされており、サントリーオールドが属する「特級」は高い酒税が課される一方で、それが品質とステータスの証として消費者に認知されていました。
しかし、この制度が段階的に見直され廃止に向かう中で、価格差が縮まり、消費者はブランドイメージだけでなく、純粋な味わいやコストパフォーマンスで製品を比較するようになったのです。
このような市場の変化に対し、絶対的な王者であったサントリーオールドは既存の成功体験から抜け出せず、対応が遅れた形となり、かつての圧倒的な勢いを失っていきました。
この一連の出来事は、市場のトップブランドであっても安泰ではないという教訓となり、「オールドショック」として語り継がれています。
この出来事自体は、後述するウイスキーの定義や中身の噂とは直接関係ありません。
しかし、ブランドイメージが大きく揺らいだことで、「オールドは時代遅れになった」という印象が広まり、後のネガティブな憶測を生む土壌の一つになった可能性は否定できないでしょう。
サントリー オールド 700ml 43度
サントリーオールドに混ぜ物はあるの?

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「サントリーオールドには混ぜ物があるのではないか」という噂は、「ウイスキーじゃない」と言われる最大の要因となっていた可能性があります。
この根深い誤解の背景を理解するためには、日本の酒税法とウイスキーの定義が歩んできた、世界標準とは異なる独自の歴史を知る必要があります。
世界の常識と日本の旧法
例えば、スコットランドで造られるスコッチウイスキーには、法律で非常に厳格な定義が定められています。
原材料は穀物と水と酵母のみ、糖化から蒸留、そして最低3年間の樽熟成まで全ての工程をスコットランド内で行い、添加物もカラメル色素以外は一切認められていません。
これに対し、実は2021年3月まで、日本の酒税法上ではウイスキーの定義が非常に緩やかでした。
驚くべきことに、法律上はモルトやグレーンといったウイスキー原酒の含有率が10%以上であれば、残りの90%まで醸造アルコールやスピリッツ、さらには香味料や色素などを添加しても「ウイスキー」として販売することが可能だったのです。
この定義の緩やかさは、戦後の物資が乏しい時代に、より安価で安定的にウイスキー風の味わいのお酒を供給するという歴史的な背景がありました。
噂の発生メカニズムとオールドの立場
このため、過去に流通していた一部の安価な国産ウイスキー製品には、コストを抑えるために実際に醸造アルコールなどがブレンドされていたものも存在しました。
この事実が、「日本のウイスキーには混ぜ物が入っているのが当たり前だ」というイメージを一部で作り上げてしまったのです。
その結果、サントリーオールドのような、本格志向で造られてきた伝統的な銘柄までもが、同じカテゴリーとして見なされ、噂の対象に含まれてしまった可能性があります。
しかし、サントリーオールドのボトルラベルに記載されている原材料表示は、昔から現在に至るまで一貫して「モルト、グレーン」のみです。
これは、たとえ酒税法で添加が認められていた時代であっても、サントリーが自社の看板商品であるオールドに、醸造アルコールなどを添加してこなかったことの何よりの証拠です。
現代の基準が証明する品質
さらに、この「混ぜ物」問題を解決すべく、2021年4月から日本洋酒酒造組合によって「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」が施行されました。
この新しい自主基準は、スコッチの定義に近く、原材料や製造・貯蔵場所を日本国内に限定するなど厳格なもので、当然ながら醸造アルコールなどの添加は一切認められていません。
前述の通り、サントリーオールドはこの厳しい新基準に合致した製品であると公式サイトで明記されています。
これは、過去の潔白を証明すると同時に、現在の品質が正真正銘のジャパニーズウイスキーであることを明確に示しています。
したがって、「混ぜ物がある」という噂は、過去の法律上の定義の曖昧さから生まれた、サントリーオールドには当てはまらない誤解であると断言できます。
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サントリーの最上級ウイスキーは?

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サントリーが製造するウイスキーには、日常的に楽しめる価格帯のものから、特別な日に味わうための高級品、さらには世界中のコレクターが求める希少な逸品まで、非常に幅広いラインナップが存在します。
その中で、価格、品質、ブランドイメージ、そして入手難易度のいずれの観点からも、一般的に最上級ブランドとして認知されているのは「響」「山崎」「白州」の3つです。
響(ひびき) - 調和を極めたブレンデッドの最高峰
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「響」は、サントリーが持つ多様な原酒をブレンドして造られる、ブレンデッドウイスキーの最高峰に位置づけられるブランドです。
サントリーの所有する山崎蒸溜所、白州蒸溜所の個性豊かなモルト原酒と、知多蒸溜所のグレーン原酒を贅沢に使用し、日本の四季や美意識を表現した華やかで幾重にも重なる複雑な味わいが特徴です。
国際的な酒類コンペティションで数々の最高賞を受賞しており、世界で最も評価されるブレンデッドウイスキーの一つです。
熟成年数によって「響 JAPANESE HARMONY」「響 21年」「響 30年」などのラインナップがありますが、特に長期熟成品は原酒不足から極めて入手困難な状況が続いています。
山崎(やまざき) - 日本のウイスキーの原点にして頂点
サントリー シングルモルトウイスキー 山崎 700ml
「山崎」は、1923年に開設された日本初のモルトウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。
日本のウイスキーの歴史そのものと言えるブランドであり、その最大の特徴は、日本原産のミズナラ樽で熟成させた原酒がもたらす、伽羅や白檀を思わせるオリエンタルな香味にあります。
この唯一無二の味わいは世界中のウイスキー愛好家から絶賛され、ジャパニーズウイスキーの評価を不動のものとしました。
こちらも長期熟成品を中心に、非常に高い人気から品薄状態が続いています。
白州(はくしゅう) - 森の恵みが生んだ爽やかな香味
白州 NV 700ml 箱なし
「白州」は、南アルプスの豊かな自然に囲まれた、世界でも珍しい「森の蒸溜所」である白州蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。
標高約700メートルに位置し、花崗岩に磨かれた清冽な軟水で仕込むことで、森の若葉のような爽やかな香りと、軽快でキレの良いクリーンな味わいが生まれます。
ほのかにスモーキーなフレーバーも感じられ、その爽快な個性で多くのファンを魅了しています。
サントリーオールドの価値と位置づけ
これらの最上級(プレステージ)ブランドと比較すると、サントリーオールドはより手頃な価格帯で提供される「偉大なる定番ウイスキー」という位置づけになります。
最上級ではありませんが、その価値が劣るわけではありません。
むしろ、サントリーのウイスキー造りの歴史と哲学が最も凝縮された一本であり、例えば「響」が奏でる調和の根底にある「ブレンドの技術」や、「山崎」の香味を構成する「シェリー樽原酒」の片鱗を、日常的な価格で体験できる重要な役割を担っています。
サントリーウイスキーの世界を知るための入り口として、またその原点に立ち返るための一本として、揺るぎない存在価値を持っていると言えるでしょう。
「サントリーオールドはウイスキーじゃない」噂の真相を徹底検証

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ここでは「サントリーオールドはウイスキーじゃない」という噂の真相を、現在の評価から検証します。
愛飲家と批判派、両方の意見や終売の噂などを比較し、このウイスキーの本当の立ち位置を明らかにします。
ポイント
- サントリーオールドうまい派の評価
- サントリーオールドまずい派の評価
- 製造中止や終売の噂は本当?
- サントリーオールドなんjでの評判
- サントリーオールドはウイスキーじゃないという噂の結論
サントリーオールドうまい派の評価

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サントリーオールドが「うまい」と評価する人々は、主にその甘くまろやかな味わいと、価格以上の豊かで華やかな香りを高く支持しています。
ウイスキーを飲み始めたばかりの方から、様々な銘柄を飲み比べてきた愛好家、そして長年オールドを愛飲しているベテランまで、非常に幅広い層から受け入れられているのが大きな特徴です。
シェリー樽原酒が織りなす華やかな香味
肯定的な意見の中で最も多く見られるのは、「シェリー樽由来の甘みが心地よい」という評価です。
キーモルトである山崎シェリー樽原酒がもたらす、レーズンやドライフルーツ、熟したプラムを思わせる濃厚な果実香に、バニラや蜂蜜のような甘い香りが重なり合います。
この複雑で華やかなアロマは、アルコールの刺激的な香りが穏やかなため、グラスに注ぐだけで楽しむことができます。
味わいにおいても、香りの印象を裏切らない、とろりとした舌触りと共に豊かな甘みが口の中に広がります。
口当たりが全体的に柔らかく、刺激が少ないため、「ウイスキーは少し苦手だったけれど、オールドは飲みやすい」と感じる人も多いようです。
ストレートやロックでじっくりと味わうと、その香味の奥深さを最も感じられます。
どんな飲み方でも活きるバランスの良さ
ハイボールにしても味わいの輪郭が崩れにくい点も、高く評価されているポイントです。
炭酸で割ることで甘みが程よく引き締められ、爽快な飲み口の中にシェリー樽由来のフルーティーさが華やかに香ります。
食中酒としても優秀で、和食から洋食まで幅広い料理の味を引き立ててくれます。
また、お湯で割るホットウイスキーにすると、香りがより一層立ち上り、穀物由来の優しい甘さと相まって、心安らぐ深い味わいを楽しむことができます。
このように、飲み方を選ばずにそれぞれのスタイルで美味しさを発揮する対応力の高さが、多くの人に支持される理由の一つです。
「偉大なる定番」としてのコストパフォーマンスと安心感
さらに、コストパフォーマンスの高さを評価する声も少なくありません。
サントリーのブレンド技術が結集した本格的なジャパニーズウイスキーでありながら、比較的手頃な価格で安定的に手に入るため、「毎日の晩酌で楽しむ定番として最適」と考えるファンが多く存在します。
サントリー オールド 700ml 43度
70年以上にわたって日本のウイスキー文化と共にあり続けたその歴史そのものに、何物にも代えがたい安心感や魅力を感じるという声もあります。
多くの人々の思い出の傍らにあり続けた「だるま」は、味わい以上の価値を持つ一本として、今なお多くの愛飲家に選ばれています。
サントリーオールドまずい派の評価

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一方で、サントリーオールドが「まずい」あるいは「口に合わない」と感じる人々もいます。
このような評価は、製品そのものの品質が低いというわけではなく、個人の味の好みや、どのようなウイスキーをスタンダードとして捉えているかに大きく左右されると考えられます。
甘みが強く、スモーキーさがないことへの不満
否定的な意見の中で最も多く散見されるのは、「甘すぎる」「味わいが単調で奥行きがない」といったものです。
これは特に、スコッチウイスキーの中でもアイラ島のウイスキーに代表されるような、ピート(泥炭)を強く焚きしめた、スモーキーでドライな味わいを好むウイスキーファンから聞かれることが多いようです。
薬品や煙のような強烈な個性を持つアイラモルトなどと比較すると、サントリーオールドにはスモーキーな要素がほとんどありません。
そのため、ウイスキーに複雑な香味や刺激的な個性を求める人にとっては、シェリー樽由来の穏やかで甘い香味プロファイルが、逆に物足りなく、平板な味わいに感じられてしまうことがあります。
この独特の甘みが、人によっては人工的、あるいは少しわざとらしく感じられてしまう場合もあるようです。
時代と共に変化した味わいへの戸惑い
また、「昔の味と変わってしまった」という、長年にわたって製品を知る古くからのファンからの意見もあります。
サントリーオールドは、時代の嗜好に合わせて何度かブレンド内容のリニューアルが行われています。
特に2006年頃のリニューアルでは、キーモルトとして山崎シェリー樽原酒の個性がより前面に出るようになり、華やかで甘い現代的な香味へとシフトしました。
そのため、リニューアル前の、より落ち着いた香味や熟成感のある味わいを記憶しているファンにとっては、「昔の方が美味しかった」「味が軽くなった」といった不満につながることがあります。
これは、過去の良き思い出と結びついた味わいとのギャップから生まれる、ある種の寂しさや戸惑いの声とも言えるでしょう。
飲み方や状況によるミスマッチ
飲み方によっては、その特徴が裏目に出ることもあります。
例えば、甘みをさらに引き立てるようなジュースで割ったり、濃厚な味わいの料理と合わせたりすると、甘さがくどく感じられてしまう可能性も否定できません。
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これらの評価は、サントリーオールドが持つ「甘くまろやかで飲みやすい」という最大の個性が、万人に受け入れられるわけではないことを示しています。
ある人にとっては心地よい長所が、別の人にとっては受け入れがたい短所となり得る、ウイスキーの多様性と奥深さを象徴している事例と言えます。
製造中止や終売の噂は本当?

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サントリーオールドについて、定期的に「製造中止になった」「すでに終売している」といった噂がインターネット上などで流れることがありますが、2025年9月現在、これらの噂は明確に誤りです。
サントリーオールドは、発売から70年以上を経た今もなお、サントリーの主要製品の一つとして製造が続けられています。
全国の酒店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、オンラインストアなどで安定して販売されており、入手が困難な状況にはありません。
出典:サントリーホールディングス株式会社 SUNTORY OLD 製品情報
では、なぜこれほど長く愛される定番商品に対して、繰り返し終売の噂が立ってしまうのでしょうか。
これには、いくつかの複合的な理由が考えられます。
限定品の存在による誤解
最も大きな理由の一つが、毎年恒例となっている限定ボトルの存在です。
サントリーオールドは、年末になると翌年の干支をデザインした、特別仕様の「干支ボトル」が数量限定で発売されます。
これは贈答品としても人気が高く、多くの人が目にしますが、当然ながら販売期間が終了すれば店頭から姿を消します。
この限定品の終売を、通常版のサントリーオールド全体の終売と勘違いしてしまうケースが後を絶ちません。
「オールドボトル」市場との混同
また、時代に合わせて味わいのリニューアルが行われてきた歴史があることも、噂の一因です。
ウイスキー愛好家の間では、現行品ではない過去に流通していたボトルを「オールドボトル」と呼び、収集やテイスティングの対象とすることがあります。
当然、1980年代や90年代に流通していたオールドは現在製造されておらず、中古市場でしか手に入りません。
このような特定の年代のボトルがもう造られていないことを、「サントリーオールドが製造中止になった」と拡大解釈してしまう人もいるかもしれません。
他のジャパニーズウイスキーの品薄状況からの憶測
さらに、近年のジャパニーズウイスキーブームも噂に拍車をかけています。
サントリーの「響」「山崎」「白州」といった銘柄が、世界的な人気から深刻な原酒不足に陥り、一部商品は休売、あるいは極端な品薄と価格高騰が続いています。
このような状況から、「サントリーのウイスキーは手に入りにくい」というイメージが広がり、比較的安価なオールドもいつか同じように終売・休売になるのではないか、という憶測が噂につながっている面もあるでしょう。
しかし、繰り返しになりますが、これらはすべて誤解や憶測に過ぎません。
現行のサントリーオールドは、サントリーの安定した原酒供給と製造体制のもと、今後も日本のウイスキー市場を支える定番商品として製造が続けられていきます。
サントリー オールド 700ml 43度
サントリーオールドなん j での評判

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「なん j 」とは、インターネット上の巨大電子掲示板「5ちゃんねる」の中でも、特に利用者が多く活発なコミュニティの一つである「なんでも実況J(ジュピター)」板の通称です。
プロ野球の実況を中心にしつつも、日々あらゆるジャンルの雑談が交わされており、そこでの意見はインターネット上のリアルな世論を反映しているとも言われます。
サントリーオールドは、このなん j でもしばしばウイスキーに関する話題のスレッド(通称スレ)で議論の対象となります。
匿名掲示板ならではの率直な意見が飛び交うため、その評価はまさに賛否両論、愛憎半ばといった様相を呈しています。
コスパ派からの厚い支持
肯定的な意見として最も多く見られるのは、そのコストパフォーマンスの高さを称賛する声です。
「この値段でこの味はすごい」「2,000円以下で買えるウイスキーの中では頭一つ抜けてる」といった書き込みは定番となっています。
特にハイボールにした際のバランスの良さは高く評価されており、「オールドのハイボール(オルハイ)が一番うまい」と断言するユーザーも少なくありません。
「だるまの安心感は異常」といった表現に代表されるように、いつでも手軽に買える定番品としての信頼感と、その期待を裏切らない味わいを、親しみを込めて語る人が多いのが特徴です。
否定的な意見とその背景
一方で、「甘ったるい」「後味がベタベタする」といった、そのシェリー樽由来の甘さを否定的に捉える意見も見受けられます。
また、「オヤジが飲む酒」「昭和のイメージが強い」といった、やや古臭いブランドイメージに対する揶揄も散見されます。
これは、よりドライでスモーキーなスコッチウイスキーや、近年流行している新しいクラフトウイスキーなどを好む層からの声だと考えられます。
彼らにとっては、オールドの伝統的でまろやかな味わいが、かえって個性がなく退屈に感じられてしまうのかもしれません。
単なる「酒」を超えた文化的アイコンとして
興味深いのは、なん j での議論が単なる味の評価だけに留まらない点です。
「昔、親父が戸棚の奥に隠してたのをこっそり飲んだ」「祖父の家に行くといつも仏壇に供えてあった」など、個人のノスタルジックな体験談や家族の思い出と結びつけて語られることが非常に多いのです。
また、「会社の忘年会で部長が水割りをおいしそうに飲んでいた」といった、社会人としての原体験を語るコメントも投稿されます。
これらの書き込みは、サントリーオールドが多くの日本人にとって、単なるアルコール飲料ではなく、世代を超えて受け継がれる文化的アイコンとして記憶に刻まれていることを示しています。
なん j での毀誉褒貶相半ばする評判は、まさにサントリーオールドが長年にわたって大衆に寄り添い続けてきた証であり、世間一般の評価のリアルな縮図と言えるでしょう。
サントリー オールド 700ml 43度
サントリーオールドはウイスキーじゃないという噂の結論
この記事では、「サントリーオールドはウイスキーじゃない」という噂について、その背景や現在の状況を様々な角度から検証してきました。
なお、ウイスキーに関する情報サイトの中には、現在もサントリーオールドを「輸入原酒を使用しているため新基準に適合しない」と記述しているものが見受けられます。
これは、サントリーがおそらく新基準の制定(2021年)を機にブレンド内容をリニューアルし、基準適合品としたものの、その変更が広く告知されなかったために古い情報が更新されないまま残っている可能性が考えられます。
ご購入の際は、サントリー公式サイトの最新情報をご確認いただくことをお勧めします。
最後に、この記事で解説したポイントを箇条書きでまとめます。
記事のポイント まとめです
- 噂の発端は過去の日本の酒税法におけるウイスキーの定義の曖昧さにあった
- 当時は一部製品に醸造アルコールなどが使われ「混ぜ物」のイメージが生まれた
- しかしサントリーオールドの原材料は一貫して「モルト、グレーン」のみである
- 2021年に日本洋酒酒造組合が「ジャパニーズウイスキー」の厳格な基準を制定した
- この基準は原材料、製造工程、貯蔵場所などを厳しく定めている
- サントリー公式サイトではオールドがこの新基準に合致した製品であると明記している
- したがって現在のサントリーオールドは正真正銘のジャパニーズウイスキーと言える
- 「ウイスキーじゃない」という情報は新基準が制定される前の古い情報や誤解に基づくもの
- 味わいの核は山崎蒸溜所のシェリー樽原酒であり甘くまろやかな香味を持つ
- 「うまい」という評価は飲みやすさやコストパフォーマンスの高さに由来する
- 「まずい」という評価は甘さが苦手な人やスモーキーなタイプが好きな人の意見
- 製造中止や終売の噂は誤りで干支ボトルなど限定品の存在が誤解を招いている
- オールドショックは品質の問題ではなく1980年代の市場の変化による売上低迷を指す
- サントリーの最上級品ではないが70年以上続く歴史と品質を持つ定番商品である
- 最終的にサントリーオールドは新基準をクリアした本物のジャパニーズウイスキーである
【参考情報一覧】
- サントリー公式サイト SUNTORY OLD: https://www.suntory.co.jp/whisky/old/ - SUNTORY
- サントリー公式サイト 製品情報: https://products.suntory.co.jp/whisky/ - SUNTORY
- 日本洋酒酒造組合 自主基準: https://www.yoshu.or.jp/pages/121/ - 日本洋酒酒造組合
- Wikipedia サントリーオールド: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89 - Wikipedia
- mybest サントリーウイスキーオールドをレビュー: https://my-best.com/products/10211 - mybest
- SPRING NOTE ウイスキーじゃない?噂の真相と評価: https://www.spring-note.com/suntory-old-whisky-truth/
- 浮世雲のブログ ウイスキーじゃない?本物のウイスキーとは: https://camp-traveler.com/%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89%e3%81%8c%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%81%98%e3%82%83%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%9f%e6%9c%ac%e7%89%a9/
- くりりんのウイスキー置場 サントリー オールド 2021年現行品: https://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1078696896.html
- ぴろのウイスキーブログ サントリーオールドの味や種類/違いを解説: https://www.piroriro.com/entry/old-review
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