食卓やバーの棚で、その丸みを帯びた特徴的な黒いボトルを見かけたことはありませんか?
長年、多くの人々に「ダルマ」の愛称で親しまれてきたサントリーオールド。
しかし、その親しみやすい呼び名とは裏腹に、一体どんな歴史を持ち、どのようなこだわりを持って造られたウイスキーなのか、詳しくご存じの方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、まずサントリーオールドの根幹をなす、その特徴であるシェリー樽由来の豊かな香りと味わいの秘密に迫ります。
さらに、同じくサントリーの代表格である人気の角瓶との違いは何ですか?という定番の疑問にも、味わいや楽しみ方の観点から明確にお答えします。
また、ウイスキー好きの間で時折話題に上る「ウイスキーじゃない」という巷の誤解についても、その背景から丁寧に解説。実際の評判として、ウイスキー初心者の方が最も気になる「飲みやすいですか?」という素朴な問いから、愛飲家の間で交わされる「うまい」「まずい」といった多様な口コミまで、様々な角度からその本当の評価を紐解いていきます。
そしてもちろん、この記事の核心である「飲み方」についても徹底的に掘り下げます。
定番ハイボールの魅力と、家庭でできる美味しい作り方のコツはもちろんのこと、ウイスキー本来の味をじっくり楽しむ水割りやロックといった絶品のおすすめの飲み方、さらにはハイボール以外にどんな飲み方があるのかまで、あらゆるシーンでサントリーオールドを最大限に楽しむための知識を、ウイスキー初心者の方にも分かりやすく網羅的にご紹介します。
記事のポイント
- サントリーオールドの歴史や特徴がわかる
- 代表的なウイスキーとの違いが明確になる
- 基本から応用まで美味しい飲み方が見つかる
- 自分に最適な楽しみ方を選べるようになる
最高のサントリーオールドの飲み方を見つける準備

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この章では、サントリーオールドの基本情報を網羅的に解説します。
愛称の由来や味わいの特徴から、角瓶との違いや口コミの評判までを知ることで、このウイスキーの全体像が掴めます。
ポイント
- サントリーオールドとは?愛称「ダルマ」の由来
- その特徴は?シェリー樽由来の豊かな香りと味わい
- 「ウイスキーじゃない」は誤解!その定義を解説
- 人気の角瓶との違いは何ですか?味わいを比較
- 実際の評判は?「飲みやすいですか?」に回答
- 「うまい」「まずい」口コミから見る本当の評価
サントリーオールドとは?愛称「ダルマ」の由来

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サントリーオールドは、1950年(昭和25年)にサントリーから発売された、日本のウイスキー史を語る上で欠かすことのできない、象徴的な銘柄の一つです。
戦後の復興期にあった日本において、本格的な国産ウイスキーとして市場に登場しました。
当時の庶民にとっては高価な贅沢品であり、いつか家庭でオールドを開けることが、豊かな生活の象身として多くの人々の憧れの的でした。
発売から70年以上という長い歳月が流れた現在(2025年9月時点)でも、その普遍的な魅力は色褪せることなく、幅広い世代に親しまれ続けています。
このウイスキーの最も知られた特徴であり、多くの人々に記憶されているのが、そのユニークなボトル形状から生まれた愛称です。
日本の伝統的な漆器を思わせる、光沢のある黒いボトルは、どっしりとして丸みを帯びています。
この形が、手足がなく座禅を組む「だるま」の姿にそっくりであることから、いつしか「ダルマ」という愛称で呼ばれるようになりました。
この親しみやすい呼び名は、サントリーオールドが特別な日のためのお酒から、やがて家庭の食卓や人々の集まる大切な場に溶け込んできた、その温かい歴史を象徴しているかのようです。
サントリー オールド 700ml 43度
この一本は、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が抱き続けた、長年の夢の集大成とも言える存在です。
彼は「日本人の繊細な味覚に合い、日本の風土に合ったウイスキーを造る」という壮大な目標を掲げていました。
その哲学のもと、スコッチウイスキーの模倣ではない、日本独自のウイスキーとして設計されたのがオールドです。
そのブレンドの品質とバランスの取れた味わいは、時代が変わっても高く評価され、後続の多くのジャパニーズウイスキーの礎を築きました。
まさに、日本のウイスキー文化そのものを形作った、記念碑的な一本と言っても過言ではないでしょう。
その特徴は?シェリー樽由来の豊かな香りと味わい

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サントリーオールドの味わいを語る上で、核となるのがサントリーの原点、山崎蒸溜所で育まれたシェリー樽熟成原酒の存在です。
これはブレンドの個性を決定づける「キーモルト」であり、オールドならではの華やかで奥行きのある風味は、この原酒なくしては生まれません。
ちなみにシェリー樽とは、スペインの酒精強化ワイン「シェリー」の熟成に使われた樽のことで、これを用いてウイスキーを熟成させると、樽に染み込んだシェリー由来の成分がウイスキーに移り、果実のような甘く複雑な香味を与えてくれます。
まず、グラスに注いでゆっくりと香りを確かめてみてください。
最初に感じられるのは、レーズンやアプリコットといったドライフルーツを凝縮したような、甘く芳醇な香りです。
続いて、カラメルのような香ばしさや、まろやかなバニラのニュアンスが追いかけてきます。
アルコールの刺激的な香りは控えめで、全体として非常に華やかで心地よいアロマが広がります。
次に口に含むと、その口当たりの滑らかさに驚かされるかもしれません。
まるでシルクのように舌の上を滑り、アルコール度数43%とは思えないほどの優しさで味わいが展開します。
味わいの中核をなすのは、やはりシェリー樽由来の凝縮された果実のような甘みです。
しかし、それは単調な甘さではなく、後からウッディな樽の香ばしさや、カカオのような心地よいビターさが全体を引き締めます。
この絶妙なバランスが、オールドに深みと複雑さをもたらしています。
サントリー オールド 700ml 43度
全体として、刺激的な要素が少なく、非常にバランスが取れたまろやかな味わいに仕上がっているため、ウイスキーを飲み慣れていない方でも、その奥深い魅力を十分に感じ取ることが可能です。
特にロックや水割りにすると、閉じていた香りが一層華やかに開き、より優しい表情を見せてくれます。
この複雑でありながらも、どこか懐かしく親しみやすい味わいこそが、サントリーオールドが時代を超えて愛され続ける最大の理由と言えるでしょう。
「ウイスキーじゃない」は誤解!その定義を解説

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時折、「サントリーオールドは厳密にはウイスキーではない」という声が聞かれることがありますが、これは過去の業界全体の状況と、近年導入された厳格な新基準との間に生じた誤解に基づいています。
先に結論を述べますと、現在(2025年9月19日時点)市場で販売されているサントリーオールドは、日本の法律および業界基準に則った、正真正銘の「ジャパニーズウイスキー」です。
この誤解が生まれた背景には、近年のジャパニーズウイスキーの世界的な人気の高まりが関係しています。
人気が急上昇したことで、国内外の消費者や専門家からその定義の明確化を求める声が強まりました。
そして、2021年4月1日から、日本洋酒酒造組合が自主基準として「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を施行するに至ります。
この基準が制定される以前は、「ジャパニーズウイスキー」を名乗るための法的な定義が曖昧で、極端な例では海外から輸入した原酒を日本国内でブレンド・瓶詰めしただけでも、ジャパニーズウイスキーとして販売することが可能でした。
しかし、この新しい基準では、その世界的評価を守るために、原材料や製法、貯蔵場所などが厳しく定められました。
具体的には、「原材料に麦芽を必ず使用し、日本国内で採水された水を用いること」「糖化から蒸留までを日本国内の蒸留所で行うこと」「700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること」などが主な要件です。
(出典:日本洋酒酒造組合 「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」
サントリーは、創業以来「日本の風土に合ったウイスキーを造る」という哲学を掲げており、この基準が制定される以前から、主に国内の自社蒸溜所で製造した原酒を使用してきました。
もちろん、現在流通しているサントリーオールドも、これらの厳格な新基準をすべて完全に満たしています。
サントリー オールド 700ml 43度
したがって、「サントリーオールドはウイスキーじゃない」という情報は、過去の業界全体の曖昧な状況を指したものであり、現在の製品には当てはまりません。
安心して本物のジャパニーズウイスキーとして、その豊かな味わいを楽しむことができます。
人気の角瓶との違いは何ですか?味わいを比較

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サントリーオールドと同じく、サントリーを代表するブレンデッドウイスキーに「角瓶」があります。
どちらも日本の家庭や飲食店で長年親しまれてきた、まさに国民的ウイスキーですが、その個性は大きく異なります。
オールドの丸みを帯びた「ダルマ」ボトルと、角瓶の亀甲模様の角張ったボトルが象徴するように、そのキャラクターは対照的です。
両者の違いを深く理解することで、その日の気分や飲みたいシーンに合わせて、より自分の好みに合った一本を選ぶことができるようになります。
サントリーウイスキー 角瓶 700ml
まず、両者の最も根本的な違いは、ブレンドの核となる「キーモルト」の熟成に使われる樽の種類にあります。
オールドは主に「山崎シェリー樽原酒」を使用しているのに対し、角瓶は主に「山崎バーボン樽原酒」をキーモルトとしています。
この樽の違いが、味わいや香りの方向性を決定づけているのです。
主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | サントリーオールド | サントリー角瓶 |
---|---|---|
キーモルト | 山崎シェリー樽原酒 | 山崎バーボン樽原酒 |
味わいの特徴 | まろやかで芳醇な甘み、リッチなコク | ドライでシャープなキレ、甘さは控えめ |
香りの特徴 | 華やか、フルーティー、バニラ香 | 穏やか、バニラ香、樽香 |
おすすめの飲み方 | ロック、水割り、ハイボール | ハイボール(特に推奨) |
価格帯(2025年9月時点) | 角瓶よりやや高価 | 比較的手頃 |
ご覧の通り、オールドはシェリー樽由来の豊かな甘みとコクをじっくり味わうのに適している一方、角瓶はバーボン樽由来のドライなキレ味で、特にハイボールにした際の爽快感が際立つ設計になっています。
角瓶の味わいは、ソーダで割っても香味のバランスが崩れないように計算されており、まさに「ハイボールのためのウイスキー」と言えるでしょう。
対してオールドは、ロックや水割りにすることで、その複雑な香りとまろやかな甘みがより一層引き立ちます。
どちらが良い、悪いというわけでは全くありません。
例えば、「一日の終わりに、ソファでリラックスしながらウイスキーの深い味わいをゆっくり楽しみたい」という気分の時はオールドが最適です。
一方で、「食事と一緒に、あるいは友人たちと賑やかに楽しむ、爽快な一杯が欲しい」というシーンでは、角瓶のハイボールが最高の選択となります。
このように、それぞれの個性と得意な飲み方を理解し、気分や食事に合わせて選ぶのが最も賢い楽しみ方です。
実際の評判は?「飲みやすいですか?」に回答

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ウイスキーをこれから楽しみたい、あるいは飲み始めたばかりという方にとって、「サントリーオールドは飲みやすいのか?」という点は、銘柄選びにおける非常に重要なポイントだと思います。
この問いに対する答えは、自信を持って「多くの方にとって非常に飲みやすく、ウイスキー入門に最適な一本」と言うことができます。
その最大の理由は、前述の通り、味わいの核となっているのが、刺激的なピート香(煙たい香り)がほとんどなく、まろやかな甘みを持つ山崎シェリー樽原酒だからです。
ウイスキーの中には、正露丸や消毒液のような、独特のスモーキーな風味を持つタイプがあり、これが苦手でウイスキーから離れてしまう方も少なくありません。
しかし、サントリーオールドにはそうしたクセがほとんどなく、むしろフルーティーで優しい甘みが前面に出ているため、多くの方がすんなりと受け入れやすい味わいになっています。
サントリー オールド 700ml 43度
ただし、もちろん注意点もあります。
サントリーオールドのアルコール度数は43%と、決して低いわけではありません。
これは一般的なウイスキーの標準的な度数であり、ストレート(何も加えない状態)で飲むと、舌や喉にアルコールの熱さやピリピリとした刺激をはっきりと感じます。
もし、あなたがアルコールにあまり強くない、あるいはウイスキーを飲むのが全くの初めてなのであれば、まずは度数を自由に調整できる飲み方から試すことを強くお勧めします。
例えば、水割りやハイボールにする際に、最初はウイスキー1に対して水やソーダを4〜5の割合で割ってみてください。
そうすることで、アルコールの刺激を大幅に和らげながら、オールド本来の豊かな香りや甘みを存分に楽しむことができます。
そして、その味わいに慣れてきたら、少しずつウイスキーの比率を上げて、自分だけの「美味しい」と感じる黄金比を見つけていくのも、ウイスキーの楽しみ方の一つです。
サントリーオールドは、そうした自分好みの味わいを探求する旅の、素晴らしい出発点となってくれるでしょう。
「うまい」「まずい」口コミから見る本当の評価

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どのようなお酒にも「うまい」という声と「まずい」という声が存在しますが、サントリーオールドも例外ではありません。
特に長年愛されてきた銘柄だからこそ、人々の好みや時代の変化によって、その評価は様々です。
ここで大切なのは、味わいの評価は個人の好みに大きく左右されるため、両方の意見を客観的に知った上で、自分に合いそうかを判断することです。
「うまい」と感じる人の意見
「うまい」と評価する人の多くが真っ先に挙げるのは、その圧倒的なコストパフォーマンスの高さです。
現在(2025年9月19日時点)の市場において、比較的手頃な価格帯でありながら、キーモルトである山崎シェリー樽原酒由来の本格的でリッチな甘みとコクがしっかりと感じられます。
同様の香味を持つシングルモルトウイスキーを探すとなると、価格は何倍にも跳ね上がることが少なくありません。この「日常的な贅沢感」こそが、多くのファンを惹きつける大きな魅力となっています。
サントリー オールド 700ml 43度
また、味わいのバランスの良さも高く評価されています。
「口当たりが驚くほど滑らかで、飲み疲れない」「ハイボールにしても、ソーダに負けない芯のある味わいが残る」といった声も多く見られます。
これは、サントリーのブレンダーが長年培ってきた技術の賜物であり、ただ甘いだけでなく、飲み方を選ばない安定した品質と、どこか懐かしさを感じる親しみやすい味わいが、日常的に楽しむウイスキーとして絶大な支持を得ている理由です。
「まずい」と感じる人の意見
一方で、「まずい」あるいは「好みに合わない」と感じる人の意見として最も多いのが、「甘みが強すぎる」という点です。
これは、個人の味覚の好みが大きく影響します。
特に、スコッチウイスキーの中でもアイラモルト(ヨード香や正露丸に例えられる、ピート由来のスモーキーさが特徴)のような、ドライで塩気を感じるようなタイプを好む方にとっては、オールドの持つ華やかでフルーティーな甘さが、かえって単調に感じられたり、個性が弱いと感じられたりする可能性があります。
加えて、「熟成年数が若いウイスキー特有の、アルコールの刺激を感じる」という声も少数ながら存在します。
これは特にストレートで飲んだ際に感じられることがあり、長期熟成のウイスキーが持つ複雑さや、落ち着いた円熟味を求める方にとっては、少し物足りなく思えるかもしれません。
サントリー オールド 700ml 43度
これらの意見を踏まえると、サントリーオールドは「華やかで甘みのあるウイスキーが好きな方」や「ウイスキーをこれから楽しみたい方」にとっては、非常に満足度の高い一本と言えます。
しかし、「キレのあるドライな味わいや、スモーキーで個性的な香りを求める方」は、ご自身の好みを再確認した上で、他の選択肢を検討する方が良いかもしれません。
実践!サントリーオールドの美味しい飲み方を解説

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この章では、サントリーオールドを最大限に楽しむための具体的な飲み方を解説します。
定番のハイボールから水割り、ロック、応用編まで、あなたにぴったりの一杯が見つかるはずです。
ポイント
- 定番ハイボールの魅力と美味しい作り方のコツ
- 水割りやロックも絶品!おすすめの飲み方
- ハイボール以外にどんな飲み方がある?
- まとめ:サントリーオールド 自分らしい飲み方の発見
定番ハイボールの魅力と美味しい作り方のコツ

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サントリーオールドの持つ豊かな甘みと華やかな香りは、ソーダで割るハイボールというスタイルで素晴らしい魅力を発揮します。
ただ単にウイスキーをソーダで割るだけ、と考えるのは少し早いかもしれません。
いくつかの重要なポイントを押さえることで、家庭でもお店で飲むような格別のハイボールを再現することが可能です。
オールドハイボールの魅力は、ソーダの弾ける炭酸によって、眠っていたシェリー樽由来の甘くフルーティーな香りが一気に解き放たれる点にあります。
爽快なのどごしの中にも、他のウイスキーにはない、しっかりとしたコクとまろやかな味わいが感じられます。
このボディのしっかりした味わいは、食事との相性も抜群です。
例えば、唐揚げやフライドポテトといった揚げ物の油分を、炭酸の爽やかさがすっきりと洗い流してくれます。
また、その優しい甘みは、醤油や出汁を基本とする繊細な和食の味わいを邪魔することなく、むしろ引き立てる役割を果たします。
美味しいハイボールの黄金比率と作り方
美味しいハイボールを作るための黄金比率は、一般的に「ウイスキー1:ソーダ3~4」とされています。
サントリーオールドの芳醇な味わいをしっかりと感じたい場合は1:3、より爽快感と食事との相性を楽しみたい場合は1:4を目安に、ご自身の好みに合わせて調整してみてください。
作り方の手順
最高のハイボールを作る旅は、グラスを手に取るところから始まります。
ポイント
- グラスを徹底的に冷やす
まず、主役となるグラスを冷凍庫で凍らせておくか、そうでなければグラスに氷を一杯に詰めてマドラーで混ぜ、グラス自体をキンキンに冷やします。
温かいグラスは氷がすぐに溶ける最大の原因であり、味が薄まるだけでなく、炭酸も抜けやすくなります。 - 氷を追加し、溶けた水を捨てる
冷えたグラスに、改めて氷を山盛りに加えます。
ここで一度マドラーで混ぜ、氷の角を取ると同時に、その際に溶け出た少量の水を捨てることが大切です。
この一手間が、水っぽさをなくすためのプロの技です。 - ウイスキーを注ぎ、冷やす
氷の壁に沿わせるようにウイスキーを適量注ぎ、ここで一度マドラーで全体を軽く混ぜます。
これはウイスキー自体をしっかりと冷やし、ソーダと馴染みやすくするための重要な工程です。 - ソーダを静かに注ぐ
主役のソーダは、氷に直接当てず、グラスの縁からそっと静かに注ぎ入れます。
これは炭酸ガスへの衝撃を最小限に抑え、きめ細やかで力強い炭酸を保つための最も重要なポイントです。 - 混ぜるのは一度だけ
最後に、マドラーをグラスの底まで静かに差し込み、氷を避けるようにして、底に溜まったウイスキーを垂直に持ち上げるイメージで一度だけ混ぜます。
ぐるぐるとかき混ぜるのは、炭酸が抜ける原因となるため絶対に避けてください。
この丁寧な手順を守るだけで、炭酸の爽快感とオールドの豊かな風味が完璧に両立した、
格段に美味しいハイボールが完成します。
お好みでレモンピールを少し搾りかければ、柑橘の香りが加わり、さらに爽やかな一杯になります。
サントリー オールド 700ml 43度
水割りやロックも絶品!おすすめの飲み方

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ハイボールがサントリーオールドの持つ爽快な一面を引き出す飲み方だとすれば、これから紹介する水割りやロックは、その奥深い「まろやかさ」をじっくりと味わうための、いわばウイスキーと対話するような飲み方です。
ソーダの刺激がない分、オールドが持つ繊細な香りの変化や、温度、濃度によって移り変わる味わいを、より深く楽しむことができます。
水割り:香りを最大限に引き出す日本の知恵
水割りは、単にウイスキーを水で薄める飲み方ではなく、その香りを最大限に引き出し、味わいを最もバランス良く開花させる、日本が育んだ非常に洗練された飲用スタイルです。
アルコールの刺激的な香りを和らげることで、これまで隠れていたシェリー樽由来のフルーティーなエステル香や、蜂蜜を思わせるような甘みが、グラスの中で豊かに花開きます。
特にオールドの水割りは、食事との相性が抜群で、繊細な味付けの和食とも完璧に調和し、お互いの味わいを引き立て合います。
美味しい水割りを作るには、ウイスキー1に対してミネラルウォーター(できれば軟水)を2~2.5の割合にするのが一般的ですが、これもハイボール同様、丁寧な手順が大切です。
まずグラスを氷で満たしてよく冷やし、一度溶けた水を捨てます。
次にウイスキーを注ぎ、マドラーで10回以上しっかりと混ぜて、ウイスキー自体を芯から冷やします。
最後に、氷に当てないように水を静かに注ぎ、軽く1~2回混ぜれば、雑味のないクリアで香り高い水割りの完成です。
ロック:変化を愉しむ、大人の時間
オン・ザ・ロックは、時間の経過とともに氷がゆっくりと溶け出し、一杯のグラスの中でウイスキーの表情が刻々と変化していくのを楽しむ、まさに大人のための飲み方です。
そのためには、なるべく大きくて硬い、溶けにくい氷を用意するのが重要なポイントとなります。
グラスに大きな氷を入れ、オールドを注いだ直後の最初の一口では、ウイスキー本来の濃厚な味わいと芳醇な香りをダイレクトに感じることができます。
そして、時間が経ち氷が少しずつ溶け始めると、アルコールの角が取れていき、隠れていた甘みやまろやかさが徐々に前面に出てきます。
最後の一口を飲む頃には、それはまるで完璧なバランスで作られた水割りのように、優しく、そして長い余韻を残してくれるでしょう。
このドラマチックな味わいの変化を、一日の終わりに、ゆったりとした気持ちでじっくりと楽しむ時間は、何物にも代えがたいリラックスタイムとなるはずです。
サントリー オールド 700ml 43度
ハイボール以外にどんな飲み方がある?

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サントリーオールドの楽しみ方は、定番のハイボールや水割り、ロックだけにとどまりません。
その非常にバランスが取れた味わいは、様々なスタイルに柔軟に対応できる、いわば「懐の深さ」を持っています。
ここでは、いつもとは少し違ったオールドの魅力を発見できる、応用編の飲み方をご紹介します。
お湯割り(ホットウイスキー):心も体も温まる一杯
寒い季節や、一日の終わりに心からリラックスしたい時に特におすすめなのが、お湯割り(ホットウイスキー)です。
体を芯からじんわりと温めてくれるだけでなく、温めることでオールドの持つ甘い香りがより一層豊かに立ち上ります。
湯気と共に立ち上るのは、まるで焼きリンゴやホットケーキを思わせるような、甘く香ばしい香り。アルコールの刺激はさらに和らぎ、そのまろやかな口当たりを存分に楽しむことができます。
作り方はとても簡単ですが、少しの工夫で格段に美味しくなります。
まず耐熱グラスにお湯を注いでグラス自体を温め、そのお湯を捨てます。次にウイスキーを適量注ぎ、80℃くらいのお湯(沸騰直後ではなく、少し落ち着かせたお湯)をウイスキー1に対して2~3の割合でゆっくりと加えるだけです。
お好みでレモンスライスや蜂蜜、体を温める効果のある生姜のスライスやシナモンスティックを加えても、素晴らしい味わいになります。
ウイスキーミスト:清涼感を極めるスタイル
クラッシュドアイス(細かく砕いた氷)をグラス一杯に詰めてウイスキーを注ぐ、ミストというスタイルも、特に暑い季節にぴったりの爽やかな飲み方です。大きな氷でゆっくり冷やすロックとは対照的に、氷との接触面積が広いクラッシュドアイスはウイスキーを急激に冷却します。これにより、味わいがキュッと引き締まり、オールドの持つ甘みが抑えられる代わりに、キリっとしたシャープな飲み口と清涼感が際立ちます。
この飲み方では、レモンピール(レモンの皮)が素晴らしい脇役となります。
グラスの上で皮を軽くひねり、柑橘の爽やかな香りを振りかけてから飲むと、その清涼感はさらに増します。
夏の日の夕暮れに、最初の一杯として楽しむのに最適なスタイルと言えるでしょう。
簡単なカクテルで楽しむ
サントリーオールドのバランスの取れた味わいは、シンプルなカクテルのベースとしても非常に優れています。
例えば、ウイスキー、砂糖、ビターズで作るカクテルの王様「オールドファッションド」は、その名の通りオールドで作るのに最適です。
また、ウイスキーとアマレット(あんずの核のリキュール)を1:1で混ぜるだけの「ゴッドファーザー」も、オールドのまろやかさとアマレットの甘い香りが絶妙に調和し、食後の一杯として楽しめます。
サントリー オールド 700ml 43度
このように、サントリーオールドはその日の気分や気候、合わせる食事によって様々な表情を見せてくれる、非常に表現力豊かなウイスキーなのです。
まとめ:サントリーオールド 自分らしい飲み方の発見
この記事で解説した「サントリーオールド」に関する重要なポイントを、以下に箇条書きでまとめます。
記事のポイント まとめです
- サントリーオールドは1950年発売の歴史ある国産ウイスキー
- 丸いボトル形状から「ダルマ」の愛称で親しまれている
- キーモルトは山崎蒸溜所のシェリー樽原酒
- シェリー樽由来の華やかで芳醇な甘みが最大の特徴
- 口当たりは非常に滑らかで、まろやかな味わい
- 現在の製品はジャパニーズウイスキーの厳格な基準を満たしている
- 角瓶に比べて甘みが強く、リッチなコクを持つ
- 刺激的なピート香が少なく、初心者にも飲みやすいと評判
- 「うまい」という意見はコストパフォーマンスと甘みを評価
- 「まずい」という意見は甘すぎると感じる層から出ることがある
- 最も人気の飲み方はハイボールで、食事との相性も良い
- 美味しいハイボールはグラスと材料をしっかり冷やすのがコツ
- 水割りは繊細な香りを引き出し、和食とよく合う
- ロックは時間の経過による味わいの変化を楽しめる
- 寒い日にはお湯割りでホットウイスキーとして楽しむのもおすすめ
【参考情報一覧】
- サントリー公式サイト SUNTORY OLD: https://www.suntory.co.jp/whisky/old/
- サントリー公式サイト SUNTORY OLD 製品情報: https://www.suntory.co.jp/whisky/old/product/
- 日本洋酒酒造組合 ジャパニーズウイスキーの定義: https://www.yoshu.or.jp/pages/121/
- Wikipedia サントリーオールド: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89
- サントリー公式サイト ウイスキーのおいしい飲み方: https://www.suntory.co.jp/whisky/beginner/drink/
- BARREL: https://www.barrel365.com/
- ウイスクテンダー: https://inokazu.com/suntory-old/
- 浮世雲: https://camp-traveler.com/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%A8%E8%A7%92%E7%93%B6%E3%82%92%E9%A3%B2%E3%82%93%E3%81%A7%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E6%AF%94%E8%BC%83/
- ニッカウヰスキー公式サイト ウイスキーの飲み方: https://www.nikka.com/whisky_world/drink/
- MELLOW DRAM 武川蒸留酒販売: http://blog.livedoor.jp/mesowhisky/archives/38313043.html
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