サントリーのウイスキーといえば、多くの人が黄色いラベルの「角瓶」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、その角瓶よりも前に、日本のウイスキー史の扉を開いた「ホワイト」という銘柄が存在することをご存じでしょうか。
サントリーホワイトとは何か、その原点である白札の歴史を紐解くと、今日のウイスキー市場の姿が見えてきます。
この記事では、なぜ別物と言えるのか、ホワイトと角瓶の決定的な違いを徹底的に掘り下げます。
また、サントリーには「レッド」という銘柄もありますが、サントリーホワイトとレッドの違いは何なのでしょうか。
さらに、角瓶の兄弟とも言える限定品のサントリー角と白角の違いにも触れていきます。
インターネット上では、サントリーホワイトはまずいという噂の真相を求める声や、実際のサントリーホワイトの評価を知りたいという意見も見受けられます。
果たしてサントリーホワイトはハイボールに合うのか、そして気になるサントリーホワイトの価格と大容量の4リットル版の存在、さらにはサントリーホワイトは終売したって本当なのか、といった具体的な疑問まで、この記事で全て解説します。
【この記事でわかること】
記事のポイント
- サントリーホワイトと角瓶の歴史的な背景と誕生の経緯
- 原材料や製法からくる両者の本質的な違い
- 味わいの評価やおすすめの飲み方の比較
- 価格や終売の噂など、購入前に知りたい情報
なぜ違う?サントリーホワイトと角瓶の物語

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この章では、日本のウイスキー史の原点「ホワイト」と国民的ウイスキー「角瓶」の歴史を紐解きます。
それぞれの誕生背景や設計思想の違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ポイント
- サントリーホワイトとは?白札の歴史
- なぜ別物?ホワイトと角瓶の決定的違い
- サントリーホワイトとレッドの違いは何?
- サントリー角と白角の違いは限定品?
サントリーホワイトとは?白札の歴史

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サントリーホワイトは、1929年(昭和4年)に「サントリーウヰスキー」として発売された、日本初の本格国産ウイスキーです。
当時としては珍しい白いラベルが特徴的だったことから、愛好家の間では親しみを込めて「白札」の愛称で呼ばれるようになりました。
このウイスキーの誕生は、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」精神そのものでした。
1923年に日本初のウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所を建設し、数々の試行錯誤を経て、ついに「日本人の手による、世界に誇るウイスキーをつくる」という大きな夢を形にしたのです。
当時の日本では、まだウイスキーという洋酒そのものが一般に浸透しておらず、国産で本格的なものを造るというのは前例のない壮大な挑戦でした。
しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。
発売当初、本場スコットランドのウイスキーを手本にしたピート(泥炭)由来のスモーキーな風味が、当時の日本人の繊細な味覚にはあまり受け入れられなかったと言われています。
「焦げ臭い」という厳しい評価を受け、販売は非常に苦戦しました。
出典:サントリー公式サイト サントリーウイスキー100周年 HISTORY
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
この市場での苦戦という経験が、決して無駄になることはありませんでした。
鳥井氏はこの結果から「日本人の味覚に真に合うウイスキーとは何か」を深く追求し、後の大ヒット商品「角瓶」開発へと繋げていきます。
つまり、サントリーホワイトは単なる一つの商品ではなく、商業的な成功以上に価値のある、日本のウイスキー史の原点そのものと言える存在なのです。
今日のサントリーウイスキーの礎は、この「白札」の挑戦なくしては築かれなかったでしょう。
なぜ別物?ホワイトと角瓶の決定的違い

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サントリーホワイトと角瓶は、スーパーマーケットの棚で隣に並んでいることも多く、一見すると価格帯が近い兄弟商品のように感じられるかもしれません。
しかし、その誕生の経緯から製品の設計思想、そして中身に至るまで、両者は全くの別物と考えられます。
両者の最も決定的な違いは、創業者が込めた「開発思想」と、それに伴う「原材料」および「法的な位置づけ」にあります。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
開発思想の違い
前述の通り、ホワイトは日本初の本格ウイスキーとして、本場スコットランドの味わいを理想とする「造り手中心」の発想から生まれた製品です。
当時のサントリー(壽屋)は、世界に通用する本格的なウイスキーを日本で造るという、壮大な理想を追求していました。
これに対し、1937年(昭和12年)に誕生した角瓶は、ホワイトが市場で直面した「スモーキーすぎて日本人の口に合わない」という課題を真摯に受け止め、徹底的に「飲み手中心」の発想で開発された製品です。
創業者・鳥井信治郎氏自らがブレンダーとして、日本の風土や日本人の繊細な味覚に寄り添う味わいを追求しました。
いわば、理想を追い求めたホワイトでの経験を糧に、市場への最適化を成し遂げたのが角瓶なのです。
この思想は、薩摩切子をモチーフにした美しい亀甲模様のボトルデザインにも表れており、味だけでなく見た目も含めて日本の食卓に馴染むことを目指したことがうかがえます。
出典:dancyu 日本独自の味わいを追求したジャパニーズウイスキー”角瓶”が愛され続ける理由
サントリーウイスキー 角瓶 700ml【ブレンデッド】
原材料と法的位置づけ
項目 | サントリーホワイト | サントリー角瓶 |
---|---|---|
主要原材料 | モルト、グレーン、グレーンスピリッツ | モルト、グレーン |
キーモルト | 非公開 | 山崎・白州蒸溜所のバーボン樽原酒 |
「ジャパニーズウイスキー」表示 | なし | あり |
両者の違いは、原材料を見るとさらに明確になります。
角瓶は、サントリーが誇る山崎蒸溜所と白州蒸溜所のバーボン樽原酒をキーモルトとして贅沢に使用していることが公表されています。
バーボン樽由来の甘く華やかな香りが、角瓶の親しみやすい味わいの核となっています。
一方、ホワイトの原材料には、ウイスキー原酒のほかに「グレーンスピリッツ」が含まれています。
これは香味を調整する役割を持つスピリッツであり、この点が法的な位置づけに大きな影響を与えています。
2021年に施行された日本洋酒酒造組合の基準により、「ジャパニーズウイスキー」と表示するには、原材料や製造工程、貯蔵に至るまで厳しい要件が定められました。
角瓶はこの基準を満たしていることがサントリー公式サイトで明記されており、その品質と出自が保証されています。
しかし、グレーンスピリッツを使用するホワイトはこの基準に適合しないため、「ジャパニーズウイスキー」と表示することができません。
このように、ホワイトと角瓶は、その開発思想から原材料の構成、そして現代の法的な定義に至るまで、あらゆる面で異なる道を歩んできた、似て非なる二つのウイスキーなのです。
出典:サントリー公式サイト 製品紹介 サントリーウイスキー角瓶
出典:日本洋酒酒造組合 ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準 制定
サントリーホワイトとレッドの違いは何?

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サントリーには「ホワイト」と見た目が似ている「レッド」という、歴史ある銘柄が存在します。
どちらもサントリーのウイスキー史の初期を支えた重要な製品ですが、この二つの違いはその開発経緯と味わいのキャラクターに明確に表れています。
市場への迅速な応答として生まれた「レッド」
ウイスキー サントリー レッド RED 640ml
驚くべきことに、「サントリーウイスキー赤札(レッド)」が発売されたのは1930年(昭和5年)で、ホワイトが発売されたわずか1年後のことでした。
これは、ホワイトが市場で直面した「スモーキーで日本人の口に合わない」という課題に対し、サントリーが極めて迅速に対応した結果と言えます。
ホワイトで本場スコッチの理想を追求したサントリーは、市場の反応を見て、すぐさま「日本人の味覚に寄り添う味わい」への軌道修正を図りました。
つまり、レッドはサントリーが日本の飲み手と対話し、その嗜好を探る中で生まれた、最初の「答え」の一つだったのです。
味わいの方向性の違い
この開発経緯の違いが、香味に大きな差をもたらしています。
前述の通り、ホワイトはスモーキーさの名残と、穀物由来のドライでシャープなキレが特徴です。
甘みは少なく、スッキリとしていて飾り気のない、ある意味で古典的な味わいです。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
これに対して、レッドはより甘く、口当たりがまろやかになるようにブレンドが施されています。
バニラを思わせる甘い香りと、ほのかな果実のような風味が感じられ、アルコールの刺激も比較的穏やかです。
親しみやすく、ウイスキーを飲み慣れていない方でも受け入れやすい香味設計になっています。
出典:Peaty 日本のウイスキー、「サントリーホワイト」、「サントリーレッド」のご紹介
おすすめの飲み方の違い
味わいの方向性が異なるため、それぞれに適した楽しみ方も変わってきます。
ホワイトのドライな個性は、ソーダで割ってキレのある辛口ハイボールにするのがおすすめです。
食事、特に揚げ物などと一緒に楽しむと、口の中をさっぱりとさせてくれます。
一方、レッドの持つ甘やかな香りとまろやかさは、ストレートやロック、あるいは水割り(お湯割りも)でじっくりと味わうのに向いています。
その優しい味わいは、リラックスしたい時の一杯としても良いでしょう。
言ってしまえば、ホワイトがシャープでキレのある個性を持っているのに対し、レッドはより親しみやすく、甘やかな香りが特徴的なウイスキーと言えます。
価格帯はほぼ同じですが、日本のウイスキーの可能性を模索する中で生まれた、対照的な個性を持つ二つの銘柄なのです。
サントリー角と白角の違いは限定品?

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サントリー角瓶には、かつて「白角」という兄弟商品が存在しました。
このサントリー角と白角の違いは、味わいのコンセプトにあります。
通常の角瓶(通称:黄角)が、厚みのあるコクとドライな後口を特徴としているのに対し、白角は和食との相性を追求し、きりっと淡麗でやや辛口な味わいに設計されていました。
白角は2019年に一度終売となりましたが、2022年に数量限定で復刻販売されるなど、根強い人気を誇ります。
ですので、「限定品か?」という問いに対しては、「2025年9月時点では、定期的に販売されている製品ではなく、限定品として市場に登場することがある」というのが答えになります。
出典:Jahtoi net 【2022年8月9日発売】サントリー白角 数量限定発売
サントリー 白角 40度 700ml 数量限定 再発売
ホワイトと角瓶、飲むならどっち?評価の違い

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この章では、気になる味わいの評価や最適な飲み方を徹底比較します。
「まずい」という噂の真相から価格情報まで、購入前に知りたい具体的な情報や率直な評価を解説します。
ポイント
- サントリーホワイトはまずいという噂の真相
- 実際のサントリーホワイトの評価を解説
- サントリーホワイトはハイボールに合う?
- サントリーホワイトの価格と4リットル版
- サントリーホワイトは終売したって本当?
- まとめ:サントリーホワイトと角瓶の決定的な違い
サントリーホワイトはまずいという噂の真相

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インターネットの検索候補などで「サントリーホワイト まずい」という言葉を見かけることがあります。
歴史ある銘柄に対してなぜこのような評価が囁かれるのか、その真相はホワイトが持つ独特の香味プロファイルと、現代に至る日本のウイスキー市場の変化に深く関係していると考えられます。
現代のウイスキーの潮流とのギャップ
まず大きな理由として、現在の日本のウイスキー市場、特に日常的に楽しむ価格帯の製品は、ハイボールブームの影響を強く受けていることが挙げられます。
サントリー角瓶に代表されるように、多くの飲み手が「ソーダで割って美味しく、食事に合う、スムースでほのかに甘い味わい」を期待する傾向にあります。
前述の通り、ホワイトは日本初の本格ウイスキーとして、スモーキーな個性を特徴としていました。
現在の製品は発売当初よりも飲みやすく調整されていますが、その根底には骨太で飾り気のない、古典的な設計思想が残っています。
そのため、現代の角瓶のような洗練されたスムーズさや甘やかなウイスキーに慣れた方にとっては、ホワイトのドライで穀物感の強い味わいが「個性的」を通り越して「まずい」という直接的な印象に繋がることがあるのかもしれません。
「まずい」と感じられる香味の要因
具体的に「まずい」と感じられる要因は、主に以下の3点に集約されると考えられます。
ポイント
- アルコールの刺激感です。
丁寧にブレンドされた近年のウイスキーと比較すると、ホワイトはアルコールの角がやや感じられやすいという意見があります。
ストレートで飲むと、そのシャープなアルコール感が舌を刺激すると感じる人もいるでしょう。 - 甘みの少なさです。
角瓶がバーボン樽由来のバニラのような甘い香りを持つのに対し、ホワイトは甘みが極めて少なく、非常にドライな味わいです。
この甘みの欠如が、味わいの「物足りなさ」や「薄さ」として感じられてしまう可能性があります。 - 穀物由来の独特の風味です。
華やかな樽香よりも、原料である穀物そのものの風味がストレートに感じられます。
この素朴な味わいが、洗練された香味に慣れた飲み手には「クセが強い」「洗練されていない」と映ることがあります。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
しかし、これらの点は品質が低いことを意味するわけではありません。
むしろ、発売当初のウイスキーが持っていた骨太な個性の名残であり、歴史的な味わいを今に伝える貴重な個性と捉えることもできます。
それは、最新の快適な自動車とは乗り心地が違う、クラシックカーのような魅力と言えるかもしれません。
実際のサントリーホワイトの評価を解説

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では、実際のサントリーホワイトは、飲み手からどのような評価を受けているのでしょうか。
このウイスキーの評価は、飲む人の経験や求める味わいによって大きく左右され、肯定的な意見と否定的な意見にはっきり分かれる傾向が見られます。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
否定的な評価に見られる主な意見
まず、否定的な評価をする人の意見として多いのが、「アルコールの刺激が強く、味わいが単調」というものです。
特にストレートやロックで飲んだ際に、若い原酒に由来するアルコールのシャープな刺激を感じやすいという声があります。
また、角瓶のような華やかな樽の香りや複雑な味わいの変化が少ないため、香味の奥行きに物足りなさを感じる人もいるようです。
これは、現代の洗練されたウイスキーの基準で評価した場合に、特に顕著になる点と考えられます。
肯定的な評価を支える3つの柱
その一方で、サントリーホワイトを高く評価する声も数多く存在します。その理由は、主に3つの側面に集約できます。
ポイント
- 圧倒的なコストパフォーマンスです。
2025年9月現在、1,000円前後という手頃な価格で、日本のウイスキー史の原点とも言える一本を手に入れられる点は、大きな魅力です。日常的に気兼ねなく楽しめるデイリーウイスキーとしての価値は非常に高いと言えます。 - 他にはない「歴史的な味わい」です。
このウイスキーを飲むことで、どこか懐かしい昭和の時代を彷彿とさせるという意見は少なくありません。
これは単なるノスタルジーではなく、現代の流行に合わせて過度に調整されていない、素朴で骨太な味わいが逆に新鮮に感じられるということです。 - 「食中酒」としての優れた適性です。
前述の通り、ホワイトは極めてドライで甘みが少ないため、料理の味を邪魔しません。
特にハイボールにすると、そのキレの良さが際立ち、天ぷらや唐揚げといった脂気の多い料理の口の中をさっぱりと洗い流してくれます。
甘いハイボールが苦手な方にとっては、最高の食中酒になり得ると評価されています。
出典: サントリー サントリー ホワイト 640ml瓶 レビュー・評価
評価を左右する「飲むシチュエーション」
結局のところ、サントリーホワイトの評価は「どのようなシチュエーションで、何を期待して飲むか」によって大きく変わると言えるでしょう。
もし、複雑で豊かな香りをじっくりと楽しみたいのであれば、このウイスキーは期待に応えられないかもしれません。
しかし、歴史に思いを馳せながら、あるいはキレの良い食中酒として気軽に楽しみたいのであれば、これほど魅力的な選択肢も少ないのです。
つまり、サントリーホワイトの評価は「万人受けはしないが、その個性と歴史を理解することで、一部の飲み手にとってはかけがえのない存在となる個性派ウイスキー」というのが実情に近いと考えられます。
サントリーホワイトはハイボールに合う?

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サントリーホワイトをハイボールで楽しむことはできるのでしょうか。
現代の日本では「ハイボールといえば角瓶」というイメージが非常に強いため、同じサントリーの定番品であるホワイトもハイボールで美味しいのでは、と期待するかもしれません。
実際に試した人の意見を見ると、これも評価が大きく分かれるところです。その理由は、ホワイトのハイボールが、角瓶のハイボールとは全く異なるキャラクターを持つためです。
サントリーホワイトハイボールの特徴
ホワイトのドライでキレのある味わいは、ソーダで割ることでそのシャープさが一層際立ち、非常にすっきりとした辛口のハイボールになります。
その香味を一言で表すなら「ビター&ドライ」。穀物由来の素朴な風味と、ほのかな苦みが感じられ、甘さはほとんどありません。
これは、角瓶の持つバニラのような甘い香りが、バーボン樽由来の原酒によるものであることに起因します。
ホワイトのブレンドにはその要素が少ないため、結果として角瓶のハイボールのような甘みやコクを期待すると、物足りなさを感じるかもしれません。
言ってしまえば、サントリーホワイトのハイボールは、甘さを排したビターで大人向けの味わいに仕上がるのです。
美味しい作り方とおすすめの比率
このドライな個性を最大限に活かすためには、作り方にも少しこだわりたいところです。
まず、グラスとウイスキー、ソーダは冷蔵庫でよく冷やしておくことが大切です。
グラスに氷をたっぷりと入れ、マドラーで混ぜてグラス自体を冷やします。
一度溶けた水を捨ててから、ホワイトを注ぎ、氷に当てないようにソーダを静かに加えるのがポイントです。
比率は、ウイスキー1に対してソーダ4(1:4)を基本に、よりドライな味わいが好みなら1:3、すっきりと飲みたいなら1:5と調整するのも良いでしょう。
炭酸が抜けないよう、かき混ぜるのはマドラーでそっと一回だけにするのが理想です。
また、仕上げにレモンの皮(ピール)を軽く搾りかけるか、カットレモンを少し加えることを強くお勧めします。
柑橘の爽やかな香りがホワイトのドライな風味と非常に相性が良く、キレと爽快感を格段に向上させてくれます。
最高のペアリング:どんな食事に合うのか
サントリーホワイトのハイボールが最も輝く瞬間は、食事と合わせる時です。
その甘さのないドライな味わいは、料理の風味を一切邪魔しません。
むしろ、口の中の脂分をさっぱりと洗い流し、次の一口を新鮮な気持ちで味わわせてくれる、最高の食中酒となり得ます。
特に相性が良いのは、唐揚げ、天ぷら、餃子、焼き鳥(特に塩)といった、しっかりとした味付けや脂気のある料理です。
甘いハイボールだと料理と味がぶつかってしまうことがありますが、ホワイトのドライなハイボールは、そうした心配がなく、料理の美味しさを引き立ててくれます。
したがって、「甘さ控えめのドライなハイボールが好みで、特に食事と一緒に楽しみたい」という方にとっては、サントリーホワイトは非常に「合う」ウイスキーだと言えるでしょう。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
サントリーホワイトの価格と4リットル版

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サントリーホワイトの価格は、その歴史的な価値と並んで、大きな魅力の一つです。
日常的にウイスキーを楽しむ多くの人々にとって、手に入れやすい価格であることは重要な要素となります。
標準的な640mlの瓶は、2025年9月時点の市場価格で1,300円から1,400円程度で購入可能です。
これは、デイリーウイスキーとして非常に優れた価格設定であり、初めてサントリーホワイトを試す方や、時々楽しむという方にとって最適な選択肢と言えます。
出典:ビックカメラ.com - サントリー ホワイト 640ml【ウイスキー】
圧倒的なコストパフォーマンスを誇る大容量ボトル
さらに、サントリーホワイトが長年にわたり愛され続けている理由の一つに、大容量ペットボトル製品の存在が挙げられます。
業務用としても根強い人気があり、1920ml(1.92L)、2.7L、そして4L(4000ml)といったサイズがラインナップされています。
特に注目すべきはそのコストパフォーマンスです。
以下の表は、標準的な640ml瓶と4Lボトルの参考価格を基に、100mlあたりの価格を比較したものです。
ボトルサイズ | 参考価格(税込) | 100mlあたりの価格(目安) |
---|---|---|
640ml | 約1,380円 | 約216円 |
4000ml (4L) | 約7,240円 | 約181円 |
※価格は販売店により異なります。
このように、4Lボトルを選ぶことで、単位量あたりの価格を約15%以上も抑えることが可能になります。
これは日常的にハイボールなどをたくさん飲む方にとっては、大変大きなメリットとなります。
出典:Amazon.co.jp 【大容量】サントリーウイスキー ホワイト 4000ml
サイズごとの主な購入場所と選び方
ボトルのサイズによって、主な販売場所も異なります。
640ml瓶は多くのスーパーマーケットやコンビニエンスストア、酒販店で手軽に購入できます。
一方で、4Lのような大容量ボトルは、一般的なスーパーでは取り扱いが少ないかもしれません。
主に「カクヤス」のような酒類ディスカウントストアや、業務用の卸売店、あるいはAmazonや楽天市場といったオンライン通販サイトが主な購入場所となります。
ウイスキー サントリー ホワイト 4L PET 4000ml 1本
ご自身の飲む頻度や量、保管場所を考慮してサイズを選ぶのが賢明です。
まずは640ml瓶で味わいを確かめ、気に入ればよりコストパフォーマンスの高い大容量ボトルへ移行するのが良いでしょう。
この幅広いサイズ展開が、サントリーホワイトを多くの人にとって身近な存在にしている理由の一つなのです。
サントリーホワイトは終売したって本当?

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「サントリーホワイトは終売した」という噂が、特にインターネット上で時折流れることがあります。
しかし、これは正確な情報ではありません。2025年9月16日現在、サントリーホワイトは終売しておらず、サントリーの公式なラインナップとして現行販売されています。
公式サイトの製品情報ページにも、640ml瓶から4Lペットボトルまでしっかりと掲載されており、製造が継続されていることは明らかです。
出典:サントリー公式サイト 製品紹介 サントリーウイスキーホワイト
なぜ「終売」の噂が広まったのか
では、なぜこのような終売の噂が繰り返し立つのでしょうか。
その理由は一つではありませんが、主に以下の3つの要因が複合的に絡み合っていると考えられます。
ポイント
- 店頭での露出減少です。
スーパーマーケットや酒店の棚は限られたスペースをめぐる激しい競争の場です。
特にハイボール人気で絶大な存在感を放つ「角瓶」や、同じく定番の「トリス」に比べると、サントリーホワイトが陳列されるスペースは縮小傾向にあるかもしれません。
普段利用する店で見かけなくなることで、「終売してしまったのではないか」と考える人がいても不思議ではありません。 - 他の製品情報との混同です。
前述の「白角」が実際に終売(その後、限定復刻)した事例や、過去に原酒不足で「響」や「白州」の一部商品が休売になったニュースなど、「サントリーのウイスキーが終売・休売」という情報が、あまり馴染みのないホワイトの情報と混同されて伝わってしまう可能性が考えられます。 - 歴史的なイメージです。
「日本初の本格ウイスキー」という歴史の長さが、一部で「もう造られていない古いお酒」というイメージに繋がってしまっているのかもしれません。
安定した需要に支えられる定番銘柄
実際には、サントリーホワイトは安定した需要に支えられており、サントリーにとって重要な定番銘柄の一つです。
その需要の担い手は、主に長年にわたってホワイトを愛飲してきた昔からのファン層と、飲食店などの業務用市場です。
特に、そのドライな味わいと圧倒的なコストパフォーマンスから、甘くないハイボールを提供する居酒屋などでは、4Lの大容量ボトルが定番品として採用され続けています。
こうした根強い需要がある限り、サントリーがこの歴史的な銘柄の製造を終えることは考えにくいでしょう。
サントリー ホワイト ウイスキー 40度 640ml
いずれにしても、サントリーホワイトは日本のウイスキー史を象徴する銘柄として、現在も製造・販売が継続されています。
もし店頭で見つけにくい場合は、オンラインストアなどを利用すれば確実に入手することが可能です。
まとめ:サントリーホワイトと角瓶の決定的な違い
記事のポイント まとめです
- サントリーホワイトは1929年発売の日本初の本格ウイスキー
- 当初は「白札」の愛称で親しまれた
- スコッチを手本にしたスモーキーな味わいが特徴だった
- 角瓶は1937年に日本人の味覚に合わせて開発された
- ホワイトと角瓶の最も大きな違いは開発思想にある
- ホワイトの原材料にはグレーンスピリッツが含まれる
- 角瓶は山崎と白州のバーボン樽原酒がキーモルト
- ホワイトは「ジャパニーズウイスキー」の表示基準外
- 角瓶は「ジャパニーズウイスキー」の基準に準拠
- ホワイトが「まずい」という噂は独特のドライな香味に起因する
- 実際の評価は個性が強く、万人受けはしないという傾向
- ホワイトのハイボールは甘さ控えめでドライな仕上がり
- 価格は640ml瓶で1,000円前後と非常に手頃
- 4Lなどの大容量ペットボトルも存在する
- ホワイトは終売しておらず、現在も販売されている
参考情報一覧
- サントリー公式サイト: https://www.suntory.co.jp/
- サントリーウイスキー100周年 HISTORY: https://www.suntory.co.jp/whisky/100th/history/
- dancyu: https://dancyu.jp/
- 日本洋酒酒造組合: https://www.yoshu.or.jp/
- Peaty: https://peaty.club/
- Jahtoi net: https://jpwhisky.net/ (※現在は https://nlab.itmedia.co.jp/research/ などに情報が移行している可能性があります)
- ビックカメラ.com: https://www.biccamera.com/
- Amazon.co.jp: https://www.amazon.co.jp/
- 価格.com: https://kakaku.com/
- Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/
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