サントリーウイスキー工場見学の中でも、その聖地として国内外から絶大な人気を誇る、サントリー山崎蒸溜所。
ジャパニーズウイスキーの歴史が始まったこの場所への訪問は、多くの愛好家にとって特別な体験です。
しかし、そのあまりの人気ゆえに「山崎蒸溜所は予約が取れない」という声を頻繁に耳にし、訪問を計画する段階でつまずいてしまう方も少なくありません。
具体的には、山崎の工場見学の予約はいつから始まるのか、予約成功のコツはあるのか、といった切実な疑問から、そもそもサントリーの工場見学は予約なしでもできるのか、という基本的なルールに関する問いまで、多くの情報が錯綜しています。
さらに、山崎の見学料金はいくらですか、サントリー山崎の見学料はいくらですか、といった費用面での質問や、過去に存在した山崎工場見学の2000円ツアーは今どうなっているのか、そして訪問の大きな楽しみである山崎蒸溜所のショップでしか手に入らない限定品は購入できるのか、知りたい情報は多岐にわたるでしょう。
この記事では、これから山崎蒸溜所への訪問を計画しているあなたが、予約の段階で失敗したり、現地で後悔したりすることのないよう、これらの無数の疑問を一つひとつ丁寧に、そして網羅的に解消していきます。
記事のポイント
- 見学ツアーの種類とそれぞれの料金
- 予約が困難な理由と、予約成功のための具体的なコツ
- 予約なしでの見学の可否と、他のサントリー工場との違い
- 見学の魅力と、ショップで購入できる限定品の情報
サントリー山崎の見学は予約が必須!完全ガイド

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この章では、予約が必須であるサントリー山崎蒸溜所の基本情報から、予約が取れない理由と成功のコツ、受付開始時期や予約なしでの見学の可否までを詳しく解説します。
ポイント
- 山崎蒸溜所について
- 山崎蒸溜所は予約が取れない?予約成功のコツ
- 山崎蒸溜所の予約はいつから受付開始?
- 山崎工場見学の予約方法を解説
- 他のサントリー工場見学も予約は必要?
- 山崎やサントリーの工場見学は予約なしで可能?
山崎蒸溜所について

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聖地の誕生:創業者・鳥井信治郎の夢
サントリー山崎蒸溜所の物語は、サントリーの創業者である鳥井信治郎の「日本人の繊細な味覚に合う、日本のウイスキーをつくりたい」という情熱から始まります 。
薬種問屋で洋酒に出会い、自ら興した鳥井商店で「赤玉ポートワイン」を大成功させた彼は、次なる夢として本格的な国産ウイスキーづくりに乗り出しました 。
1923年、信治郎は日本初のモルトウイスキー蒸溜所の建設に着手します 。
しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。
1929年に発売された初の本格ウイスキー「サントリー白札」は、スモーキーフレーバーが当時の日本人の嗜好に合わず、苦戦を強いられます 。
それでも信治郎は諦めず、「大将の鼻」と称された卓越した嗅覚とブレンド技術を武器に挑戦を続け、後の「角瓶」の大ヒットへと繋げていきました 。
選ばれし土地:山崎の水と気候
ウイスキーの品質の約7割を決めるとも言われるのが「水」です。
信治郎が蒸溜所建設の候補地を全国から探す中で、最終的に選んだのが京都の南西、天王山の麓に位置する山崎の地でした 。
この地が選ばれた最大の理由は、その類まれな水質にあります 。
山崎は古くから名水の里として知られ、茶道を究めた千利休もこの地の水を愛したと伝えられています。
その水は「離宮の水」として日本の名水百選にも選ばれています 。
山崎の水は、ミネラルをバランス良く含んだ硬度約90の中程度の軟水で、ウイスキーに複雑で力強い味わいをもたらします 。
また、桂川、宇治川、木津川の三川が合流するこの地域は、濃い霧が立ち込める湿潤な気候が特徴です 。
この湿度の高い環境は、樽の中でウイスキーがゆっくりと呼吸し、穏やかに熟成を進める上で理想的な条件となっています。
唯一無二の味わいを生む「つくり分け」の技術
スコットランドでは複数の蒸溜所が原酒を交換し合って多彩なブレンデッドウイスキーをつくりますが、日本ではそれが困難でした。
そのため山崎蒸溜所では、一つの蒸溜所の中で多様な個性を持つ原酒を「つくり分ける」技術を創業当初から磨き続けてきました 。
発酵
発酵槽には、伝統的な「木桶」と、クリーンな味わいを生む「ステンレス槽」を併用。これにより、異なるタイプの原酒の土台をつくり出します 。
蒸溜
大きさや形の異なる、世界でも類を見ないほど多彩なポットスチル(蒸溜釜)を使い分けています。
ガスによる直火蒸溜も行っており、力強く香ばしい原酒を生み出すためのこだわりです 。
熟成
ウイスキーの個性を決定づける熟成樽も多種多様です。
バーボン樽として使われるホワイトオーク樽、シェリー酒の貯蔵に使われたスパニッシュオーク樽に加え、日本原産の希少なミズナラ(ジャパニーズオーク)樽など、様々な樽を使い分けることで、山崎ならではの複雑で奥深い香味を育んでいます 。
伝統と革新:未来へ向けたサステナビリティ
山崎蒸溜所は100年の歴史を守るだけでなく、未来の100年を見据えた革新的な取り組みも行っています。
サントリーグループ全体の理念である「水と生きる(Mizu to Ikiru)」に基づき、蒸溜所の命である地下水を育む「天然水の森」活動を水源エリアで展開しています 。
また、購入電力の100%再生可能エネルギー化を達成しているほか 、2024年には世界で初めて、燃焼時にCO2を排出しない水素を熱源とした「直火蒸溜」の実証実験にも成功しました 。
これは、伝統的な製法を守りながら環境負荷を低減する、未来のウイスキーづくりへの大きな一歩です。
山崎蒸溜所 概要
項目 | 詳細 |
名称 | サントリー山崎蒸溜所 |
所在地 | 大阪府三島郡島本町山崎5-2-1 |
操業開始 | 1923年 |
創業者 | 鳥井 信治郎 |
アクセス | JR京都線「山崎」駅、または阪急京都線「大山崎」駅より徒歩約10分 |
駐車場 | なし(公共交通機関の利用を推奨) |
見学 | 全てのコースで完全予約制(予約なしでの入場は不可) |
特徴 | ・日本の名水百選「離宮の水」と同水系の良質な地下水を使用 ・木桶とステンレスの発酵槽を併用 ・形状の異なる多彩なポットスチルによる蒸溜 ・ミズナラ樽を含む多種多様な樽での熟成 |
山崎蒸溜所は予約が取れない?予約成功のコツ

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結論から言うと、サントリー山崎蒸溜所の見学予約、特にウイスキーの製造工程を間近で見られる有料ツアーは、現在非常にとりにくい状況です。
その理由は、ジャパニーズウイスキーの世界的な評価の高まりにあります。
「山崎」ブランドの人気は国内外で沸騰しており、聖地とも言える蒸溜所への見学希望者が後を絶ちません。
この状況に対応し、公平を期すために有料ツアーは抽選制が導入されていますが、それでも当選は容易ではないのが実情です。
予約サイトは受付開始と同時にアクセスが殺到し、順番待ちのための「仮想待合室」が表示されるほどです。
しかし、この狭き門を突破するためのいくつかのコツが存在します。
まず最も大切なのは、公式サイトで次回の予約受付スケジュールを事前に、そして正確に把握することです。
抽選制ツアーの申込期間や、先着順である無料見学の予約開始日時をカレンダーやアラーム機能に登録しておくことが、予約成功への第一歩となります。
抽選申し込みは受付期間内であればいつでも可能で、早く申し込んでも当選確率に影響はないとされています。
そのため、アクセスが集中する開始直後をあえて避け、少し時間を置いてから落ち着いて申し込むのも一つの有効な戦略です。
また、可能であれば週末よりも平日の午前中の回を狙う、あるいは家族や友人と複数人で協力して申し込みを行うといった工夫も、当選確率を少しでも上げるための手段として考えられます。
諦めずに情報を収集し、計画的に行動することが鍵となります。
山崎蒸溜所の予約はいつから受付開始?

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山崎蒸溜所の見学予約の受付開始時期は、希望する見学コースによって大きく異なります。
スケジュールは固定ではなく、公式サイトで定期的に最新情報が更新されるため、訪問を計画する際は必ずこまめに確認することが不可欠です。
古い情報に頼ってしまうと、貴重な予約の機会を逃すことになりかねません。
2025年10月時点の公式サイトの情報によると、予約スケジュールは主に「抽選制」と「先着順」の2つの方式で管理されています。
抽選制ツアー(有料)
ウイスキーの製造工程を見学できる「山崎蒸溜所ものづくりツアー」や、さらに特別な体験ができる「山崎蒸溜所ものづくりツアー プレステージ」といった有料ツアーは、その人気の高さから抽選制となっています。
例えば、「2025年12月開催分」の予約をしたい場合、その抽選受付期間は「10月7日10:00から10月11日16:29まで」のように、開催月の約2ヶ月前から約5日間の短い期間で設定されるのが通例です。
この期間内に申し込みを行い、当選した場合のみ本予約に進むことができます。
先着順見学(無料)
製造工程の見学は含まれませんが、展示やショップ、有料テイスティングラウンジを楽しむために必須となる「山崎ウイスキー館見学」は、先着順で予約を受け付けています。
こちらも同様に「2025年12月開催分」を例にすると、予約受付開始日は「2025年10月20日(月)10:00から」というように、開催月の約1ヶ月半前から開始されるのが一般的です。
このコースは無料であるため非常に人気が高く、予約開始後すぐに満席となってしまうことがほとんどです。
これらのスケジュールはあくまで一例であり、変更される可能性も十分に考えられます。
したがって、訪問計画を立てる際には、必ず公式サイトの「ニュース」欄などを定期的にチェックし、最新の正確な情報を入手することが何よりも大切です。
山崎工場見学の予約方法を解説

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山崎蒸溜所の工場見学予約は、公式サイトからのインターネット予約が基本となります。
電話での予約受付も行っていますが、人気の高い抽選制ツアーや事前決済が必要なコースは対象外となるため、注意が必要です。
したがって、ほとんどの場合はインターネット経由での手続きになると考えておくと良いでしょう。
予約手続きの主な流れは、以下のステップで進みます。
1. 公式サイトへアクセス
まず、サントリー山崎蒸溜所の公式サイトにアクセスし、「見学ツアー・イベントを予約する」といった案内を探します。
トップページに分かりやすく表示されていることが多いです。
2. 見学ツアーページへ
ボタンを選択すると、現在予約可能な見学コースの一覧ページに進みます。
ここで各ツアーの概要や料金、所要時間などを比較検討できます。
3. コースの選択
希望するツアー(例:「山崎蒸溜所ものづくりツアー」や「山崎ウイスキー館見学」)を選びます。
この際、そのツアーが「抽選制」なのか「先着順」なのかを必ず確認しましょう。
4. 申し込み・予約
抽選制ツアーの場合
申込受付期間内に、希望の日時や参加人数などを入力して抽選に応募します。
当選した場合は、後日送られてくる案内に従って、指定された期間内に本予約(クレジットカードでの決済手続きなど)を完了させる必要があります。
この手続きを忘れると当選が無効になるため、注意してください。
先着順の場合
予約カレンダーから空いている日時を選択し、名前や連絡先などの必要情報を入力して予約を確定させます。
いずれのコースも非常に人気が高く、特に先着順の「山崎ウイスキー館見学」は予約開始後すぐに全ての枠が埋まってしまう傾向にあります。
予約手続きを少しでもスムーズに進めるために、事前にサントリーの会員登録などを済ませておき、ログイン状態で予約に臨むことをお勧めします。
他のサントリー工場見学も予約は必要?

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はい、山崎蒸溜所に限らず、サントリーが運営する他の多くの工場でも、見学には事前予約が必要です。
これは、サントリーの施設に共通する基本的なルールと考えるのが良いでしょう。
例えば、「ザ・プレミアム・モルツ」の製造工程を見学できる「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」や、東京都内にある「同 東京・武蔵野」なども、公式サイトまたは電話での事前予約制となっています 。
これらの工場見学は、案内係が同行して製造工程を詳しく解説するガイドツアー形式が一般的です。
そのため、見学者の安全を確保し、一人ひとりに質の高い体験を提供するために、あらかじめ参加人数を把握しておく必要があるのです。
また、この事前予約制はサントリーに限った話ではありません。
他の主要な酒類メーカー、例えばニッカウヰスキーの余市蒸溜所やキリンビールの横浜工場などでも、ガイド付きの見学ツアーは基本的に予約制を採用しています 。
工場見学を計画する際は、どのメーカーのどの施設であっても、まずは公式サイトを訪れ、予約の要否や具体的な予約方法を確認することが、スムーズな見学を実現するための第一歩と言えます。
山崎やサントリーの工場見学は予約なしで可能?

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結論として、山崎蒸溜所はいかなる場合でも予約なしでの入場は一切できません。
一方で、サントリーが運営する他の施設の中には、一部予約なしで楽しめる場所も存在するため、施設ごとにルールを確認することが大切です。
山崎蒸溜所の場合
山崎蒸溜所は、その特別なブランド価値と、来場者の安全管理、そして質の高い体験を提供し続けるという観点から、非常に厳格な入場ルールを設けています。
公式サイトには「予約のないお客様はご入場いただけません」と明確に記載されており、このルールは徹底されています 。
これは、製造工程を見学する有料ツアーだけでなく、お土産を購入するためのショップや、様々なウイスキーを試飲できる有料テイスティングラウンジのみを利用したい場合でも同様です。
過去には予約なしでショップを利用できた時期もあったかもしれませんが、現在は「少しだけ立ち寄りたい」という場合でも、必ず事前に「山崎ウイスキー館見学(無料)」の予約を取る必要があります。
予約なしで訪問しても、残念ながら門の前で引き返すことになってしまいますので、くれぐれもご注意ください。
サントリーの他の工場の場合
これに対して、サントリーが運営する他の施設の中には、より気軽に立ち寄れる場所もあります。
例えば、長野県にある「サントリー天然水北アルプス信濃の森工場」では、製造棟を除く場内の一部エリアを予約不要で自由に散策することが可能です 。
自然豊かな敷地内を歩いたり、併設のカフェで休憩したりと、予約がなくても楽しめる工夫がされています。
また、他社の例ではありますが、ニッカウヰスキーの宮城峡蒸溜所のように、ガイド付きツアーは予約制ですが、ビジターセンターやギフトショップ、一部の屋外エリアは予約なしで見学できる施設もあります 。
このように、施設によってルールは大きく異なります。
訪問を検討している工場の公式サイトで、予約なしで利用できる範囲があるかどうかを事前に確認することが、計画的でスムーズな見学の鍵となります。
サントリー山崎の見学で知る料金とツアーの魅力

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この章では、見学ツアーの料金や有料テイスティングの費用について詳しく解説します。
さらに、五感で楽しむ見学の魅力や、ショップでしか手に入らない限定品も紹介します。
ポイント
- 山崎の見学料金と有料テイスティングの費用
- 山崎工場見学の2000円ツアーとは?
- サントリーウイスキー工場見学の楽しみ方
- 山崎蒸溜所ショップで買える限定品
- サントリーの山崎を見学する前に知るべき総括
山崎の見学料金と有料テイスティングの費用

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サントリー山崎蒸溜所の見学にかかる費用は、大きく分けて「ツアー参加料金」と、任意で利用する「有料テイスティングラウンジの料金」の2種類があります。
訪問を計画する際には、この両方を考慮して予算を立てることが大切です。
まず、ツアー参加料金は選択するコースによって異なります。
2025年10月時点では、無料で参加できるコースが1つと、有料のコースが2つ設定されており、それぞれの内容は大きく異なります。
ポイント
- 山崎ウイスキー館見学: 無料
- 山崎蒸溜所ものづくりツアー: 3,000円(税込)
- 山崎蒸溜所ものづくりツアー プレステージ: 10,000円(税込)
次に、ツアー料金とは別に見学の大きな魅力となっているのが「テイスティングラウンジ」での有料試飲です。
ここでは、どのコースの予約者でも、様々なウイスキーをグラスで楽しむことができます 。
ただし、ウイスキーの価格高騰を背景に、2024年に入ってからテイスティングの価格は改定されており、以前より上昇している点に注意が必要です。
2024年8月時点での価格例をいくつか紹介します。
ポイント
- 山崎25年: 30ml 22,000円
- 山崎18年: 30ml 3,400円
- 山崎12年: 30ml 1,000円
- 山崎蒸溜所限定ウイスキー: 30ml 800円
- 山崎ブランド体感セット(山崎、12年、18年 各10ml): 1,600円
このように、市場では入手困難な超長期熟成ウイスキーを味わえるのは蒸溜所ならではの貴重な体験ですが、価格は決して安価ではありません。
訪問前にどのウイスキーを試したいか、あらかじめ予算を考えておくことをお勧めします。
山崎工場見学の2000円ツアーとは?

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「山崎の工場見学に2000円のツアーはありますか?」という質問を時折見かけますが、2025年10月現在、サントリー山崎蒸溜所の公式サイトで案内されている有料ツアーに2,000円のコースは存在しません。
この情報は、過去に実施されていたツアーの情報である可能性が高いと考えられます。
以前は、土日祝日限定で「THE STORY OF YAMAZAKI ~シングルモルトウイスキー山崎誕生の物語~」という、参加費2,000円のガイド付きツアーが開催されていました 。
このツアーは、ウイスキーの歴史や物語に焦点を当てた内容で、多くのファンに親しまれていました。
しかし、2023年11月の蒸溜所リニューアルオープンに伴い、見学ツアーの内容は全面的に刷新されました。
現在は、参加費3,000円(税込)の「山崎蒸溜所ものづくりツアー」が、以前の2,000円ツアーに近い内容を担っていると見られます 。
この「ものづくりツアー」では、ウイスキーの製造工程を間近で見学し、山崎を構成する貴重な原酒のテイスティングも体験できます。
したがって、現在2,000円で参加できる製造工程見学ツアーはない、と認識しておくのが正確です。
サントリーウイスキー工場見学の楽しみ方

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サントリーのウイスキー工場、特に山崎蒸溜所の見学は、単に製造ラインを見るだけにとどまらない、五感をフルに活用する体験が大きな魅力です。
ウイスキーが生まれるまでの壮大な物語を、香りや音、熱気とともに感じることができます。
まず、ツアーが始まると、ウイスキーの原料である大麦麦芽と清らかな水が、どのようにして甘い香りの麦汁に変わるのかを「仕込・発酵室」で体感します。
ここでは、発酵するもろみの甘酸っぱい香りと、生命活動から生まれる熱気が、ウイスキーづくりの第一歩を肌で感じさせてくれます 。
次に訪れる「蒸溜室」では、大きさや形の異なる銅製のポットスチル(蒸溜釜)が並ぶ壮観な景色が広がります。
この場所は、発酵を終えたもろみからアルコールを抽出する、ウイスキーの原酒(ニューポット)が生まれる心臓部です。
その熱気と独特の香りから、ものづくりの力強さを感じ取ることができるでしょう 。
そして、見学のハイライトとも言えるのが「貯蔵庫」です。
扉を開けた瞬間に広がる、芳醇で甘いウイスキーの香りは「天使の分け前」と呼ばれ、訪れた多くの人が感動する瞬間です 。
ずらりと並んだ樽の中で、もともとは透明だった液体が、長い年月をかけて美しい琥珀色に染まっていく様子は、まさに時間の芸術。その時間の重みを感じることができます。
見学の最後には、お楽しみのテイスティングが待っています。
ホワイトオーク樽や希少なミズナラ樽など、異なる樽で熟成された「構成原酒」を飲み比べることで、ブレンダーがどのようにして「山崎」の複雑で奥深い味わいをつくり上げているのか、その一端に触れることができます 。
歴史や製造工程を知った上で味わう一杯は、これまでとは全く違う、格別なものになるはずです。
山崎蒸溜所ショップで買える限定品

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山崎蒸溜所見学のもう一つの大きな楽しみが、併設されたギフトショップでの買い物です。
ここでは、蒸溜所を訪れた記念となる限定品やオリジナルグッズが数多く販売されており、多くの見学者が立ち寄る人気のスポットとなっています。
蒸溜所限定ウイスキー
最も人気が高いのは、ここでしか手に入らない「山崎蒸溜所限定ウイスキー」です 。
一般的に300mlや180mlの小ぶりなボトルで販売されており、訪問の記念やウイスキー好きな方へのお土産として購入する方が後を絶ちません。
ただし、これらの限定ウイスキーは非常に人気が高く、購入は1人1本までといった個数制限が設けられています。
また、在庫状況は常に変動しており、訪問したタイミングによっては品切れで購入できない場合もあるため、出会えたら幸運と言えるでしょう。
オリジナルグッズやおつまみ
ウイスキー以外にも、魅力的な商品が揃っています。
例えば、ウイスキーの熟成に実際に使われた樽材を再利用して作られたコースターやボールペンなどのオリジナルグッズは、木の温もりとウイスキーの歴史を感じられる逸品です。
また、「樽燻ミックスナッツ」やチョコレートなど、ウイスキーとの相性を考えて作られたおつまみも人気があります。
これらは、見学の思い出を語りながらウイスキーを楽しむのにぴったりです。
重要な注意点として、このショップは工場見学の予約者のみが利用できます。
ショップだけを利用するための入場は認められていないため、買い物を楽しむためにも、必ず事前に「山崎ウイスキー館見学」などの予約を済ませておく必要があります。
サントリーの山崎を見学する前に知るべき総括
記事のポイント まとめです
- サントリー山崎蒸溜所の見学は完全予約制
- 予約がない場合、敷地内に入場することは一切できない
- ショップやテイスティングラウンジのみの利用でも予約が必須
- 見学コースは無料の「ウイスキー館見学」と有料のツアーがある
- 有料の「ものづくりツアー」は抽選制で、当選は容易ではない
- 予約は公式サイトから行い、スケジュールは事前に確認する
- 抽選ツアーの受付は開催日の約2ヶ月前から開始される
- 「ものづくりツアー」の料金は3,000円
- 「プレステージツアー」の料金は10,000円
- ツアー料金とは別に、有料テイスティングラウンジが利用可能
- 有料テイスティングの価格は近年上昇傾向にある
- ショップでは蒸溜所限定ウイスキーが販売されることがある
- 限定ウイスキーの購入には個数制限があり、在庫は保証されない
- アクセスは公共交通機関が推奨され、駐車場はない
- 最寄り駅はJR山崎駅または阪急大山崎駅で、徒歩約10分
【参考情報一覧】
- サントリー公式サイト: https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/
- サントリー公式サイト 次回予約受付期間のお知らせ: https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/news/detail/post_4.html
- サントリー公式サイト 見学コース一覧: https://queue.smp.ne.jp/waitingroom?r=suntory_factory&p=yamazaki_01
- 京都府観光連盟公式サイト: https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/3504
- OSAKA-INFO: https://osaka-info.jp/spot/suntory-yamazaki-distillery/
- 国立国会図書館 近代日本人の肖像: https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/6358/
- 日本洋酒酒造組合: https://www.yoshu.or.jp/
- enucla: https://enucla.com/travel/suntory-yamazaki-factory-tour/
- 元CAと、旅好きな夫と、赤ちゃん改め子連れ旅行記: https://ameblo.jp/cababytrip/entry-12869740010.html
- エイチエムプロデュース: https://work.mie-hamaji.com/suntoryyamazaki/
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