こんにちは。ウイスキーガイド、運営者の「のい」です。
皆さんは、今夜飲むウイスキーをどんな基準で選んでいますか。

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「やっぱり香りの良いスコッチかな」「甘みのあるバーボンが好きだな」と迷う時間は楽しいものですよね。
一方で、カナディアンウイスキーについては、「クセがなくて飲みやすいらしいけれど、詳しくは知らない」「カクテルに使われることが多い、ライトなお酒」といった、少し控えめなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
中には「種類が少なくて選び方がわからない」という声もよく耳にします。
正直なところ、私自身も以前はそう感じていました。
そのライトな味わいゆえに、「ガツンとした飲みごたえを求める自分には、ちょっと物足りないかな」なんて思い込みがあり、あえて手に取る機会が少なかった時期があったんです。
でも、世界5大ウイスキーの一つに数えられるその歴史や、複数の原酒を巧みに操る独特な製造方法を知ってから改めてじっくり飲み直してみると、その繊細なバランスや奥深さにすっかり魅了されてしまいました。
特にここ日本においては、世界的に見てもカナディアンウイスキーが驚くほどリーズナブルに手に入るという嬉しい事情があります。
他の産地のウイスキーが値上がりする中で、千円台から楽しめる美味しいボトルも多く、まさに家飲み派の強い味方と言えるでしょう。
この記事では、そんなカナディアンウイスキーの誤解されがちな定義や味わいの特徴から、カナディアンクラブやクラウンローヤルといった絶対に飲んでおきたいおすすめ銘柄、そしてハイボールなどの美味しい飲み方まで、私の視点で分かりやすくご紹介します。
これを読めば、きっとカナディアンの沼に足を踏み入れたくなり、今夜の晩酌の選択肢がまた一つ増えるはずですよ。
記事のポイント
- カナディアンウイスキーの独特な定義と「ライ」と呼ばれる理由
- 初心者から上級者まで楽しめるおすすめ銘柄と味の特徴
- ハイボールやカクテルなど、自宅で楽しめる美味しい飲み方
- やまややコストコなどで賢く購入するためのポイント
カナディアンウイスキーの定義と特徴的な味わいの秘密

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まずは、カナディアンウイスキーがどのようなウイスキーなのか、その基本的な部分から紐解いていきましょう。
世界中で愛される理由が、その独自のルールと製法に隠されています。
世界5大ウイスキーとしての立ち位置

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ウイスキーの世界には、長い歴史と品質で世界的に認められた「世界5大ウイスキー」という称号があります。
スコットランドのスコッチ、アイルランドのアイリッシュ、アメリカのバーボン、日本のジャパニーズ、そして今回主役となるカナディアンウイスキーです。
この5つの中で、カナディアンウイスキーは一般的に「最もライトで、クセがなく飲みやすいウイスキー」というポジションを確立しています。
スモーキーなスコッチや、濃厚な甘みのバーボンと比べると、「軽快さ」や「スムーズさ」が際立っており、それゆえにカクテルベースとしての信頼も厚く、食事中のハイボールとしても抜群の相性を発揮します。
しかし、「軽い=単純」ではありません。
その軽やかさは、カナダの法律で定められた独自のルールによって計算して作られたものなのです。
法律で決まっている「カナディアンウイスキー」の条件
- 原料は穀物(トウモロコシ、ライ麦、小麦、大麦など)であること
- 糖化、蒸留、熟成の全工程をカナダ国内で行うこと
- 700リットル以下の木樽(スモールウッド)で最低3年以上熟成させること
- 瓶詰め時のアルコール度数は40%以上であること
- 「カナディアンウイスキー特有の香り、味、特徴」を持っていること
ここで特に注目してほしいのが、熟成に使われる「樽」の規定です。
お隣のアメリカで作られるバーボンウイスキーには、「内側を焦がした新品のオーク樽を使わなければならない」という非常に厳しいルールがあります。
新品の樽は木のエキスが強く出るため、バーボンはあのような力強い色と味になります。
対照的に、カナディアンウイスキーの規定は「700リットル以下の木樽」というだけ。
つまり、新品である必要もなければ、オーク樽である必要すらない(実際はオークが主流ですが)のです。
樽の使い分けが「飲みやすさ」の鍵

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カナダの蒸留所では、一度バーボンやワインの熟成に使った「古樽(リフィルカスク)」を積極的に使用します。
古樽は木の影響が穏やかなので、原酒のクリアな味わいを損なわずに熟成させることができます。
これが、カナディアン特有のスムーズな飲み口を生む大きな要因となっているのです。
この柔軟なルールのおかげで、造り手はバーボン樽、シェリー樽、ブランデー樽など、多種多様な樽を使い分けることができ、それらをブレンドすることで、軽やかさの中にも複雑な香りを隠し持ったウイスキーを生み出しているのです。
バーボンやスコッチとの違い

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「ウイスキーなんて、どれも同じ茶色いお酒でしょう?」もしそう思っているなら、それは少しもったいない誤解です。
実は、カナディアン、バーボン、スコッチは、原料だけでなく「製造プロセスの哲学」そのものが根本的に異なります。
この違いを理解すると、なぜカナディアンがあれほどスムースなのか、なぜバーボンがあんなに甘いのかが手に取るように分かるようになります。
それぞれの特徴を決定づける違いを比較表にまとめました。
| 比較項目 | カナディアン | バーボン(アメリカ) | スコッチ(イギリス) |
|---|---|---|---|
| 原料の扱い | トウモロコシやライ麦などを 穀物ごとに別々に蒸留・熟成 | 全ての穀物(コーン51%以上等)を 最初から混ぜて(マッシュビル)蒸留 | 大麦麦芽(モルト)のみ、 またはその他の穀物を使用 |
| 熟成樽のルール | 新品・中古を問わない (700L以下の木樽) | 内側を焦がした新品のオーク樽 のみ使用可能 | 主に中古樽(バーボン樽やシェリー樽) を使用 |
| ブレンドのタイミング | 熟成後にブレンドするのが一般的 | 蒸留前に穀物がブレンドされている | 熟成後にモルトとグレーンをブレンド (ブレンデッドの場合) |
| 味わいの特徴 | ライトで軽快、バランス重視 | バニラやキャラメルの甘み、樽香が強い | スモーキー、フルーティーなど多様 |
最大の違いは「混ぜるタイミング」にあり
バーボンウイスキーは、例えるなら「クッキーの生地」のような作り方をします。
トウモロコシ、ライ麦、大麦などの原料を最初からレシピ通りに混ぜ合わせ、それを一緒に発酵・蒸留します。
つまり、生まれた瞬間からそのウイスキーの味の方向性は決まっています。
対照的に、カナディアンウイスキーのアプローチは「ビュッフェスタイル」に近いです。
ポイント
- トウモロコシから作る、クセのない「ベースウイスキー」
- ライ麦などから作る、風味の強い「フレーバリングウイスキー」
これらを別々の蒸留機で作り、別々の樽で熟成させます。
そして最後に、熟練のブレンダーがこれらを絶妙な比率で混ぜ合わせる(ブレンドする)のです。
この「分離製造(各穀物を個別に蒸留)と事後ブレンド」という独自の手法こそが、カナディアンウイスキーの変幻自在な味わいを生み出す鍵です。
ベースウイスキーがアルコールの刺激を抑えて飲みやすさを担保し、そこにフレーバリングウイスキーがスパイスや果実味といった「個性」を一滴ずつ加えていくイメージですね。
ここだけの話:9.09%の秘密
カナディアンウイスキーには、他国にはないユニークな「9.09%ルール」というものがあります。
これは、輸出用製品において、最終的なブレンドの9.09%(約11分の1)までなら、カナダ産以外の熟成したお酒(ワイン、シェリー、バーボン、ラムなど)を添加しても良いという規定です。
これにより、通常の熟成だけでは出せないようなフルーティーさやコクを隠し味として加えることが可能になり、カナディアン独自の「飲みやすいのに奥深い」味わいが完成するのです。
「ライ」と呼ばれる歴史や原料

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カナダでお酒を頼むとき、「ライ(Rye)」と注文すると自動的にカナディアンウイスキーが出てくる、という話を聞いたことはありませんか?
日本では「ライ麦を使ったウイスキーなら『ライウイスキー』」という認識が一般的ですが、実はカナダにおいては、慣習的にウイスキー全般のことを「ライ」と呼ぶことがあります。
この独特な呼び名の背景には、カナダ開拓時代の興味深い歴史が隠されているのです。
なぜ「ライ」と呼ばれるの?
19世紀初頭、カナダの開拓地では余剰となった小麦を原料にウイスキー(ウィートウイスキー)が作られていました。
しかし、この小麦ウイスキーは風味が穏やかで、少し物足りないものでした。
そこに、ドイツやオランダからの移民たちが「風味付け」として少量のライ麦を加えることを提案しました。
すると、ライ麦特有のスパイシーで芳醇な香りが生まれ、これが爆発的な人気を博したのです。
人々はこの美味しいウイスキーを他のものと区別するために、「あのライが入ったウイスキー(Rye Whisky)をくれ!」と指名買いするようになり、やがてその名が定着しました。
現代のカナディアンウイスキーの多くは、経済効率や飲みやすさの観点からトウモロコシ(コーン)を主原料としています。
しかし、かつての「ライ麦を加えて風味を良くする」という伝統は今も脈々と受け継がれています。
法律上も、ライ麦の使用比率に関わらず、カナディアンウイスキーの特徴を持っていれば「Rye Whisky」とラベルに表記することが認められています。
これは、アメリカのライウイスキー(ライ麦51%以上が必須)とは異なる、カナダ独自の定義です。
つまり、カナディアンウイスキーにおける「ライ」とは、単なる原材料の名前ではなく、「ライ麦由来のスパイシーで華やかな風味を持つ、伝統的なカナダのウイスキー」というスタイルそのものを指す言葉なのです。
ほんの少しのライ麦原酒がブレンドされるだけで、全体にピリッとしたアクセントやフルーツのような香りが生まれ、ウイスキーの個性を決定づける。
これこそが、カナディアンが「ライ」と呼ばれる所以であり、面白さでもあります。
独特な製造法と味や香りの特徴

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カナディアンウイスキーの味わいを語る上で、絶対に外せないのが通称「9.09%ルール」と呼ばれる独自の規定です。
これは世界中の他のウイスキーには見られない、カナダならではの「発明」とも言えるルールです。
具体的には、輸出向けの製品において、最終的なブレンドの9.09%(全体の約11分の1)までなら、カナダ産以外の熟成したお酒(ワイン、シェリー、バーボン、ラムなど)をブレンドしても良いというものです。
「混ぜ物」ではなく「調味料」の発想
「他の酒を混ぜるなんて、カサ増しでは?」と誤解されることがありますが、実は逆です。
ベースとなるウイスキーよりも高価なワインや、長期熟成された他国のスピリッツをあえて加えることで、風味に複雑さと奥行きを与えているのです。
料理で言えば、最後に隠し味として高級なスパイスやハーブを一振りするような感覚ですね。
このルールのおかげで、カナディアンウイスキーは「自由で革新的なフレーバー」を実現できるのです。
例えば、ある銘柄ではシェリー酒を少量加えてフルーティーな甘みを足したり、別の銘柄ではアメリカのバーボンを加えてオークの香りを強調したりと、ブレンダーたちはこのルールを駆使して魔法のような風味の調整を行っています。
こうした製法から生まれるカナディアンウイスキーの味の特徴を一言で言えば、「エレガントで軽快、かつバラエティ豊か」です。
ポイント
- 基本はバニラやキャラメル、メープルシロップのような優しい甘み
- そこにライ麦由来のピリッとしたスパイス(シナモンやクローブのような香り)がアクセントとして加わる
- 後味は非常にすっきりとしていてドライ(甘ったるくない)
スコッチのようなスモーキーさや、バーボンのような重厚な樽香が強すぎないため、「ウイスキーの入り口」としてこれ以上ないほど親しみやすいのが最大の特徴です。
それでいて、飲み慣れた人が探れば探るほど、ブレンドの妙による奥深い香りを発見できる、玄人好みの側面も持ち合わせているんですよ。
カナディアンウイスキーのおすすめ銘柄と美味しい飲み方

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ここからは、実際に私が飲んでみて「これは美味しい!」と感じた銘柄や、毎日の晩酌で楽しめる飲み方について具体的にご紹介していきます。
初心者におすすめの代表的な銘柄

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これからカナディアンウイスキーの世界へ足を踏み入れるなら、まずは「クセが少なく、手に入りやすい」銘柄から試してみるのが正解です。
いきなり高価なボトルを買う必要はありません。
私が初心者の友人に勧めるときは、必ずと言っていいほど「カナディアンクラブ」か「クラウンローヤル」を提案します。
この2つはカナディアンウイスキーの二大巨頭とも言える存在で、スーパーやコンビニでも見かけることが多く、品質も折り紙付きです。
迷ったらまずはこの2本!
カナディアンクラブ(通称C.C.)
カナディアンクラブ 40度 正規 700ml 12本 1ケース
どこでも買えてリーズナブル。
ハイボールにすると爽快感が抜群で、食事にも合わせやすい万能選手です。
クラウンローヤル
クラウン ローヤル 750mlx12本(1ケース)
王冠のボトルと紫の巾着袋が目印。よりクリーミーでバニラのような甘みがあり、ロックでゆっくり楽しむのにも向いています。
また、もし「もう少し個性的な味が知りたい」「ライ麦の風味を感じてみたい」というステップアップを目指すなら、「アルバータ プレミアム」も面白い選択肢です。
こちらはライ麦100%で作られており、スパイシーさとコクのバランスが絶妙で、ウイスキー愛好家からの評価も非常に高い一本です。
カナディアンクラブの特徴と魅力

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日本で最も親しまれているカナディアンウイスキーといえば、やはり「カナディアンクラブ」、通称「C.C.(シーシー)」でしょう。
バーや居酒屋はもちろん、コンビニの棚でも見かけるこの白いラベルは、まさにカナディアンウイスキーの代名詞的存在です。
しかし、C.C.が単に「有名だから」売れているわけではありません。
実は、他の多くのカナディアンウイスキーとは決定的に異なる「独自の製造プロセス」を採用しているからこそ、あの唯一無二の味わいが生まれているのです。
最大の特徴「プレ・バレル・ブレンディング」
一般的なカナディアンウイスキーは、トウモロコシやライ麦などの原酒を別々に熟成させ、瓶詰めの直前にブレンドして味を整えます。
ところが、カナディアンクラブはこの手順が逆です。
蒸留したてのニューポット(熟成前のスピリッツ)の段階で、レシピに基づいて複数の原酒をブレンドしてしまいます。
そして、そのブレンドされた液体を樽に詰めて熟成させるのです。
これを「プレ・バレル・ブレンディング(Pre-barrel Blending)」と呼びます。
ここが違う!
「熟成してから混ぜる」のではなく「混ぜてから熟成する」ことで、長い年月をかけて原酒同士が樽の中でゆっくりと馴染み(マリアージュし)、角が取れた驚くほどまろやかな味わいに仕上がります。
これが、C.C.特有の「スムースさ」の正体です。
驚異のコスパを誇る「クラシック12年」
6本セット【正規品】カナディアンクラブ クラシック 12年
C.C.といえば白いラベルの「スタンダード(1858)」が有名ですが、私が個人的に猛プッシュしたいのが「カナディアンクラブ クラシック12年」です。
スタンダードよりも大麦麦芽(モルト)の比率が高く、オーク樽で12年以上じっくり熟成されているため、味わいのリッチさが段違いです。
バニラやキャラメルのような甘みに加え、ナッツのような香ばしさとクリーミーな舌触りがあります。
そして何より驚くべきは、その価格です。
日本国内では、この12年熟成のウイスキーが2,000円前後(時にはそれ以下!)で手に入ることがあります。
世界的にウイスキーの価格が高騰している今、これほどコストパフォーマンスが高い「12年もの」は他にないと言っても過言ではありません。
おすすめの楽しみ方
C.C.の魅力はその「軽快さ」にあります。
食事と一緒に楽しむなら、やはりハイボールが鉄板です。
C.C.ハイボール
クセがないため、どんな料理とも喧嘩しません。
レモンピールを搾ると、柑橘の酸味がC.C.の甘みを引き立てて最高のアペリティフ(食前酒)になります。
C.C.ジンジャー
ジンジャーエールで割る飲み方も「C.C.ドリンク」として北米では定番です。
ライ麦のスパイシーさと生姜の刺激が絶妙にマッチします。
かつて、アメリカの禁酒法時代にアル・カポネなどのギャングたちがこぞって密輸し、愛飲したという伝説を持つこのウイスキー。
そんな歴史のロマンを感じながら、今夜はC.C.で乾杯してみてはいかがでしょうか。
クラウンローヤル等の人気銘柄

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もう一つの主役が、王冠のような形をしたボトルと紫色の巾着袋がトレードマークの「クラウンローヤル(Crown Royal)」です。
このウイスキーには、まさに王室にふさわしい華やかな誕生秘話があります。
1939年、イギリス国王ジョージ6世とエリザベス王妃が、歴代君主として初めてカナダを訪問することになりました。
その際、時のシーグラム社(当時の製造元)の社長が「国王夫妻に献上するための、最高品質のウイスキーを作ろう」と発案し、600種類以上のブレンドを試行錯誤して完成させたのが、このクラウンローヤルなのです。
味わいの特徴
C.C.が「軽快さ」を売りにしているのに対し、クラウンローヤルは「リッチでクリーミー」な味わいが特徴です。
ポイント
- メープルシロップやバニラを思わせる濃厚な甘い香り
- 口に含むと、完熟したフルーツやオークの風味が広がる
- 非常に滑らかな舌触りで、アルコールの刺激がほとんどない
そのまろやかさから、個人的にはロックで氷を溶かしながらゆっくりと味わうのが一番好きです。
甘みが引き立ち、デザートウイスキーとしても楽しめます。
飲み終わった後の紫色の巾着袋は、小物入れやダイス入れとして再利用するのが愛好家の間での「あるある」ですね。
その他のおすすめ銘柄
定番の2トップ以外にも、近年注目を集めている実力派ブランドがあります。
| 銘柄名 | 特徴とおすすめポイント |
|---|---|
| フォーティ クリーク (Forty Creek) | 「ワインメーカー」の経歴を持つ創業者が作った革新的なブランド。穀物ごとに樽を使い分け、絶妙なバランスでブレンドする「メリテージ」という手法を採用。メープルやドライフルーツの風味が豊かで、数々の賞を受賞しています。 |
| ロット40 (Lot No. 40) | ライ麦100%で作られた、スパイシー好きにはたまらない一本。重厚なライ麦パン、黒胡椒、シナモンのようなパンチのある香りが特徴。甘いだけではない、カナディアンウイスキーの「硬派」な一面を楽しめます。 |
12本セット 正規品】フォーティークリーク
特に「ロット40」は、世界的なウイスキーブームの中で「本物のライウイスキー」として再評価されており、カクテルのベースとしてもプロのバーテンダーから絶大な支持を得ています。
甘いのが好きならクラウンローヤル、スパイシーな刺激が欲しいならロット40、と使い分けるのも楽しいですよ。
ハイボールに合う美味しい飲み方

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「カナディアンウイスキーの真骨頂はハイボールにあり」。私は自信を持ってこう断言します。
なぜなら、カナディアンウイスキー特有の「クセのなさ」と「ライ麦由来のスパイシーでフルーティーな香り」は、炭酸で割ることで驚くほど華やかに花開くからです。
スコッチのような強いスモーキーさがないため、炭酸の爽快感を邪魔せず、穀物の優しい甘みがふわりと広がります。
「ウイスキーは濃くて飲みにくい」と思っている方にこそ、ぜひ試していただきたい飲み方です。
「のい流」究極のC.C.ハイボールの作り方
自宅でバーのような味を再現するための、ちょっとしたコツを伝授します。
- グラスに氷を山盛りにいれます。
(溶けにくい大きめの氷ならベスト!) - ウイスキーを適量(30ml〜45ml)注ぎ、マドラーでぐるぐると混ぜてウイスキーとグラスをキンキンに冷やします。
(ここが最大のポイント!溶けた水は捨てましょう) - 冷えたソーダを、氷に当てないようにグラスの縁から静かに注ぎます。
黄金比率は「ウイスキー1:ソーダ3」です。 - 炭酸が抜けないよう、マドラーで底から氷を一度だけ持ち上げるように、縦にそっとステアします。
- 仕上げにレモンピール(皮)で香りを飛ばすか、オレンジスライスを添えれば完成です。
相性抜群のペアリングとアレンジ
このハイボール、柑橘系との相性が抜群です。
レモンはもちろん、オレンジを入れると、カナディアンウイスキーが持つバニラやメープルのような甘い香りとリンクして、カクテルのようなリッチな味わいに変化します。
また、食事との相性も最高です。唐揚げやフライドポテトといった揚げ物の脂っこさや、麻婆豆腐などのスパイシーな料理を、炭酸とライ麦のキレがスパッと流してくれるので、食中酒としても最強のパフォーマンスを発揮してくれます。
もし「もう少し甘みが欲しいな」という時は、ソーダをジンジャーエールに変えてみてください。
「C.C.ジンジャー(ライ&ジンジャー)」と呼ばれるこの飲み方は、本場カナダやアメリカでも大定番のスタイル。
ピリッとした生姜の刺激がウイスキーのスパイス感と共鳴して、止まらなくなる美味しさですよ。
マンハッタンなどのカクテルレシピ

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カナディアンウイスキーの「クセが少なくスムーズな味わい」は、カクテルのベースとしても非常に優秀です。
特にライ麦由来のスパイシーさを持つ銘柄を使えば、クラシックなカクテルが一段と華やかに仕上がります。
カクテルの女王「マンハッタン」
本来はアメリカン・ライウイスキーを使うレシピですが、カナディアンウイスキーで作ると非常に上品で飲みやすい仕上がりになります。
「カクテルの女王」の名にふさわしい、優雅な一杯です。
【簡単マンハッタンのレシピ】
- カナディアンウイスキー:45ml
- スイートベルモット:15ml
- アンゴスチュラビターズ:1滴
これらを氷と一緒にステア(混ぜる)して、カクテルグラスに注ぐだけ。
最後にマラスキーノチェリーを飾れば、自宅が一気におしゃれなバーに早変わりです。
大人のデザート「オールド・ファッションド」
もっと手軽に楽しみたいなら、ウイスキー本来の味を活かした「オールド・ファッションド」がおすすめです。
グラスに角砂糖を入れ、ビターズを染み込ませてから少量の水(またはソーダ)で溶かします。
そこに氷とウイスキーを注ぎ、オレンジピールを添えるだけ。
カナディアンウイスキーを使うと、ライ麦のスパイシーさが砂糖の甘みと絶妙にマッチし、まるで大人のデザートのような感覚で楽しめます。
時間をかけて氷を溶かしながら、味の変化をゆっくり味わってみてください。
やまややコストコでの購入と価格

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最後に、皆さんが一番気になるであろう「お買い物情報」です。
実は、カナディアンウイスキーには、他の国のウイスキーには見られない「価格の逆転現象」が起きているのをご存知でしたか?
驚くべきことに、多くの銘柄において現地カナダで購入するよりも、日本で購入する方が圧倒的に安いのです。
例えば「カナディアンクラブ」の700mlボトルは、カナダ(オンタリオ州など)では酒税が高いため約3,000円〜4,000円相当で売られていますが、日本のスーパーや量販店なら1,000円台半ばで手に入ります。
つまり、日本に住んでいる私たちは、世界で最もお得にカナディアンウイスキーを楽しめる環境にいると言っても過言ではありません。
この恩恵を最大限に活かすための、おすすめ購入スポットをご紹介します。
| 店舗 | 特徴・狙い目商品 |
|---|---|
| やまや | 輸入酒の品揃えが国内トップクラス。「2本で2,200円」といったまとめ買いコーナーに、「サム バートン」や「ブラックベルベット」といった、他では見かけない高コスパなカナディアンが並んでいることが多く、宝探し感覚で楽しめます。 |
| コストコ | プライベートブランド「カークランドシグネチャー」のカナディアンウイスキーが衝撃的です。1.75リットルという業務用サイズで販売されており、味は「クラウンローヤル」に似たバニラ系の甘みがあると評判。ハイボールを毎日飲む人には最強の選択肢です。 |
| Amazon/楽天 | 近所のスーパーでは売っていない「カナディアンクラブ 12年」や、ギフト用の箱に入った「クラウンローヤル」を探すのに便利です。特に12年ものは2,000円前後で買えることがあり、価格破壊と言えるレベルです。 |
特に「やまや」で見かける「サム バートン(Sam Barton)」は、知名度こそ低いものの、カナディアンらしいライトでスムースな飲み口が特徴で、ハイボール用として常備しているファンも多い隠れた名品です。
サム バートン 700ml 40度
まずは身近なスーパーでC.C.を手に取り、気に入ったらやまやでディープな銘柄を探したり、コストコで大容量ボトルを買ったりと、ライフスタイルに合わせて賢く使い分けてみてくださいね。
カナディアンウイスキーの魅力再考

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ここまで、カナディアンウイスキーの歴史や製法、そしておすすめの銘柄について長々とお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
かつては「軽すぎて特徴がない」「カクテルの割り材」といったレッテルを貼られることもあったこのウイスキーですが、その背景を知れば知るほど、「計算され尽くした飲みやすさ」と「ブレンド技術の結晶」であることに気付かされます。
トウモロコシベースのクリアな原酒に、ライ麦のスパイスを絵の具のように足していく独特の製法。
そして、あえて他国のお酒をブレンドすることで新しい風味を生み出す「9.09%ルール」という柔軟な発想。
これらは決して「手抜き」ではなく、飲み手を楽しませるための究極の工夫なんですよね。
そして何より、私たち日本のウイスキーファンにとって見逃せないのが、その圧倒的なコストパフォーマンスです。
世界的にウイスキー価格が高騰し、憧れのスコッチやジャパニーズが手に入りづらくなる中で、高品質な長期熟成ボトルが千円〜二千円台で楽しめるのは、まさに奇跡と言っていいでしょう。
「今日は難しいことを考えずに、ゴクゴク飲めるハイボールが飲みたい」という日もあれば、「ロックでじっくりと甘みとスパイスの余韻に浸りたい」という夜もあるはずです。
カナディアンウイスキーは、そのどちらのシーンにも寄り添ってくれる、懐の深いお酒です。
もし、スーパーの棚でカナディアンクラブやクラウンローヤルと目が合ったら、ぜひ一度手に取ってみてください。
「ライトで飲みやすい」という入り口のその先には、北の大地が育んだ情熱と、職人たちのこだわりが詰まった奥深い世界が広がっていますよ。
注意ポイント
※注意事項
お酒は20歳になってから。価格や取り扱い状況は店舗や時期によって変動する可能性があります。
また、健康のため飲み過ぎには十分注意して楽しみましょう。
【参考情報一覧】
- Canadian Whisky.org: https://canadianwhisky.org/ - Davin de Kergommeaux
- Whisky Advocate (Canadian Whisky Guide): https://whiskyadvocate.com/canadian-whisky - Whisky Advocate
- Justice Laws Website (Food and Drug Regulations): https://laws-lois.justice.gc.ca/eng/regulations/C.R.C.,_c._870/section-B.02.020.html - Government of Canada
- サントリー カナディアンクラブ公式: https://www.suntory.co.jp/whisky/canadianclub/ - サントリー
- Diageo Brand Explorer (Crown Royal): https://www.diageo.com/en/our-brands/brand-explorer/crown-royal - Diageo
- Forty Creek Whisky: https://fortycreekwhisky.com/ - Campari Group
- Suntory Global Spirits (Alberta Premium): https://www.suntoryglobalspirits.com/ - Suntory Global Spirits
- CCSA (Canada's Guidance on Alcohol and Health): https://www.ccsa.ca/ - Canadian Centre on Substance Use and Addiction
- やまやドライブ(商品カタログ): https://drive.yamaya.jp/ - 株式会社やまや
- コストコホールセールジャパン: https://www.costco.co.jp/ - Costco Wholesale Japan
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