アメリカンウイスキーとは?定義・種類・表示の見方を解説 - Guide of Whisky
アメリカンウイスキーの定義・種類・表示確認を米国地図、穀物、オーク樽、チェック表で示す図

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種類・産地・定義

アメリカンウイスキーとは?定義・種類・表示の見方を解説

2025年11月28日

 

アメリカンウイスキーとは、一般にアメリカ合衆国で造られるウイスキーの総称です。米国の連邦規則では、まず穀物を原料とする「Whisky」の基本条件を定め、その中にBourbon、Rye、Wheat、Malt、Corn、American Single Maltなどのタイプを設けています。

米国法上のWhiskyは、穀物の発酵もろみから造り、蒸留時のアルコール度数を95%未満とし、ウイスキーに一般的な香味や性質を保持する必要があります。原則としてオーク樽で貯蔵し、瓶詰め時はアルコール度数40%以上です。ただし、Corn Whiskyは樽での貯蔵を必須としません。

各タイプの違いは、原料となる穀物の比率だけでは決まりません。蒸留時の度数、樽に入れるときの度数、新樽・使用済み樽の違い、樽の焦がし方、熟成期間なども分類条件に関係します。

また、Straight、Bottled in Bond、熟成年数、Proof、蒸留州などは、基本となるタイプとは別に確認する表示です。例えば、BourbonとStraight Bourbonでは、熟成期間や添加物に関する条件が異なります。

この記事では、確認時点の米国連邦規則とAlcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau(TTB)の公開情報に基づき、Whiskyの基本定義、アメリカンウイスキーの主なタイプ、追加表示、ラベルの確認手順を整理します。

注意:本記事は、アメリカンウイスキーの分類と表示を確認するための情報です。特定の銘柄、購入方法、価格、飲み方をすすめるものではありません。米国の規則や製品表示は変更される可能性があるため、実際の商品についてはラベル、生産者・輸入者の公式情報、TTBなどの公的情報もご確認ください。

この記事で確認できること

  • 米国法におけるWhiskyの原料・蒸留度数・樽貯蔵・瓶詰め度数の基本条件
  • Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Malt、Cornなどの原料比率と熟成樽の違い
  • 2025年に基準が発効したAmerican Single Maltの位置づけ
  • Straight、Bottled in Bond、年数、Proof、蒸留州が示す内容
  • 分類名、熟成年数、度数、容量、生産者などをラベルで確認する順序

 

米国法におけるウイスキーの定義

米国の連邦規則では、最初に酒類のクラスとして「Whisky」を定義し、その中にBourbon Whisky、Rye Whisky、Corn Whiskyなどの具体的なタイプを設けています。

Whisky全体の基本条件は、原料となる穀物、蒸留時のアルコール度数、蒸留酒が保持する香味、オーク樽での貯蔵、瓶詰め時のアルコール度数に分けて確認できます。

 

米国法上のWhiskyについて穀物、95%未満での蒸留、香味、オーク樽、瓶詰め時40%以上の基本条件を示す図

 

確認項目米国法上の基本条件確認上の注意
原料穀物の発酵もろみから造る穀物の種類と比率は、BourbonやRyeなどのタイプによって異なります。
蒸留時の度数アルコール度数95%未満(190プルーフ未満)Bourbonなど、一部のタイプにはさらに低い上限があります。
香味・性質ウイスキーに一般的な味、香り、性質を保持する原料だけでなく、蒸留後に保持される性質も定義に含まれます。
樽での貯蔵原則としてオーク樽で貯蔵するCorn Whiskyは樽での貯蔵を必須としません。
瓶詰め時の度数アルコール度数40%以上(80プルーフ以上)蒸留時や樽詰め時の度数とは別に確認します。

 

穀物の発酵もろみから造る

Whiskyは、穀物を原料とする発酵もろみから造る蒸留酒です。使用する穀物には、トウモロコシ、ライ麦、小麦、大麦、大麦麦芽、ライ麦麦芽などがあります。

ただし、すべてのWhiskyに同じ穀物比率が適用されるわけではありません。例えば、Bourbon Whiskyはトウモロコシ51%以上、Rye Whiskyはライ麦51%以上、Corn Whiskyはトウモロコシ80%以上というように、タイプごとに原料条件が異なります。

原料比率による各タイプの違いは、次のH2「アメリカンウイスキーの主な種類」で比較します。

 

アルコール度数95%未満で蒸留する

Whisky全体では、蒸留時のアルコール度数を95%未満、米国のプルーフ表示では190プルーフ未満とする必要があります。

米国のプルーフは、アルコール度数の2倍に相当します。例えば、160プルーフはアルコール度数80%、125プルーフは62.5%、80プルーフは40%です。

95%未満という数値はWhisky全体の上限です。Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Malt、Cornなどには、蒸留時80%以下という個別の上限があります。そのため、Whisky全体の条件と各タイプの条件を分けて確認します。

 

ウイスキーに由来する香味と性質を保持する

米国の定義では、穀物を発酵・蒸留したという工程だけでなく、ウイスキーに一般的な味、香り、性質を保持していることも条件に含まれます。

アルコール度数95%以上で蒸留するNeutral Spiritsとは、蒸留度数と蒸留後に保持される性質が異なります。ただし、Blended WhiskyやSpirit Whiskyなど、一部のタイプではNeutral Spiritsを含む場合があるため、完成品の正式な分類表示と構成表示を確認する必要があります。

 

原則としてオーク樽で貯蔵する

Whiskyは原則としてオーク樽で貯蔵します。ただし、Corn Whiskyは樽での貯蔵を必須としません。

使用する樽の条件は、タイプによって異なります。Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Maltでは、新しい焦がしたオーク樽を使用します。Corn Whiskyを樽で貯蔵する場合は、使用済みのオーク樽または焦がしていない新しいオーク樽を使用します。

American Single Maltでは、容量700リットル以下のオーク樽を使用し、新樽・使用済み樽、焦がした樽・焦がしていない樽を使用できます。

なお、通常のBourbon Whiskyなどには、一律の法定最低熟成年数はありません。樽での貯蔵は必要ですが、2年以上という条件は主にStraight表記に関係します。「樽で貯蔵する条件」と「最低熟成年数」を分けて確認することが重要です。

 

瓶詰め時はアルコール度数40%以上とする

Whiskyは、瓶詰め時にアルコール度数40%以上、米国表示では80プルーフ以上である必要があります。

蒸留時の度数、樽に入れるときの度数、瓶詰め時の度数は、それぞれ異なる段階の条件です。ラベルで一般に確認できるABVやProofは完成品の度数であり、蒸留時や樽詰め時の度数を示すものではありません。

 

「アメリカンウイスキー」と個別タイプを分ける

「アメリカンウイスキー」は、一般に米国で造られるウイスキー全体を整理するために使われる表現です。一方、米国の連邦規則では、Bourbon Whisky、Rye Whisky、Wheat Whisky、Malt Whisky、Corn Whisky、American Single Malt Whiskyなど、具体的なタイプごとに条件が定められています。

特にBourbonは、アメリカンウイスキー全体の別名ではありません。米国内で製造し、トウモロコシ51%以上、新しい焦がしたオーク樽などの条件を満たす個別タイプです。

また、「Kentucky」「Tennessee」「New York」などの地域・州名と、BourbonやRyeなどのタイプ名は別の情報です。ラベルでは、製造地域と正式なタイプ表示を分けて確認します。

 

アメリカンウイスキーの主な種類

米国の連邦規則では、原料となる穀物の比率、蒸留時の度数、樽に入れるときの度数、使用する樽などによって、複数のウイスキータイプを定めています。

Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Malt、Cornは、主原料となる穀物が異なります。一方、American Single Maltには、モルト化大麦100%、米国内の単一蒸留所、容量700リットル以下のオーク樽など、独自の条件があります。

以下の表は、主要タイプの基本条件を比較したものです。瓶詰め時の度数は、いずれもアルコール度数40%以上です。

 

Bourbon・Rye・Wheat・Malt・Rye Malt・Corn・American Single Maltの原料比率を比較した図

 

タイプ原料条件蒸留時の上限樽入れ時の上限貯蔵条件
Bourbon Whiskyトウモロコシ51%以上80%以下
160プルーフ以下
62.5%以下
125プルーフ以下
新しい焦がしたオーク樽
Rye Whiskyライ麦51%以上80%以下
160プルーフ以下
62.5%以下
125プルーフ以下
新しい焦がしたオーク樽
Wheat Whisky小麦51%以上80%以下
160プルーフ以下
62.5%以下
125プルーフ以下
新しい焦がしたオーク樽
Malt Whiskyモルト化大麦51%以上80%以下
160プルーフ以下
62.5%以下
125プルーフ以下
新しい焦がしたオーク樽
Rye Malt Whiskyモルト化ライ麦51%以上80%以下
160プルーフ以下
62.5%以下
125プルーフ以下
新しい焦がしたオーク樽
Corn Whiskyトウモロコシ80%以上80%以下
160プルーフ以下
貯蔵する場合は62.5%以下
125プルーフ以下
年数表示がなければ貯蔵は必須ではない。貯蔵する場合は使用済みまたは焦がしていない新しいオーク樽

表の51%や80%は、使用できる穀物が1種類だけという意味ではありません。例えば、Bourbonはトウモロコシを51%以上使用しますが、残りにライ麦、小麦、大麦麦芽などを使用する場合があります。

 

Bourbonはトウモロコシ51%以上を使用する

Bourbon Whiskyは、トウモロコシを51%以上含む発酵もろみから造り、アルコール度数80%以下で蒸留します。樽に入れるときは62.5%以下とし、新しい焦がしたオーク樽で貯蔵します。

Bourbonという名称は、米国外で蒸留・熟成されたウイスキーには使用できません。Kentucky Bourbonと表示する場合は、蒸留と必要な熟成をケンタッキー州内で行う必要があります。

一方、Bourbonはケンタッキー州だけで造れるタイプではありません。米国内で条件を満たせばBourbonとして製造できるため、「Bourbon」と「Kentucky Bourbon」を分けて確認します。

アメリカンウイスキーとバーボンの違いを確認する

 

Rye・Wheat・Malt・Rye Maltは主原料が異なる

Rye Whisky、Wheat Whisky、Malt Whisky、Rye Malt Whiskyは、基本となる蒸留度数、樽入れ度数、貯蔵樽の条件が共通しています。違いの中心は、発酵もろみに使用する主原料です。

  • Rye Whisky:ライ麦51%以上
  • Wheat Whisky:小麦51%以上
  • Malt Whisky:モルト化大麦51%以上
  • Rye Malt Whisky:モルト化ライ麦51%以上

 

いずれもアルコール度数80%以下で蒸留し、62.5%以下で新しい焦がしたオーク樽に入れます。

「Malt」と表示されていても、必ずしもモルト化大麦100%とは限りません。Malt Whiskyの基準はモルト化大麦51%以上です。モルト化大麦100%を使用するAmerican Single Maltとは分けて確認します。

 

Corn Whiskyは樽貯蔵に例外がある

Corn Whiskyは、トウモロコシを80%以上含む発酵もろみから造るタイプです。アルコール度数80%以下で蒸留します。

Bourbonとの大きな違いは、原料比率だけではありません。Corn Whiskyは、年数表示をしない場合、樽での貯蔵を必須としません。貯蔵する場合は、使用済みのオーク樽または焦がしていない新しいオーク樽を使用し、樽入れ時はアルコール度数62.5%以下とします。

新しい焦がしたオーク樽を使用するBourbonとは、貯蔵条件が異なります。「トウモロコシを主原料とする」という点だけで、両者を同じタイプと判断しないようにします。

 

American Single Maltはモルト化大麦100%を使用する

American Single Malt Whiskyは、2025年1月19日に米国のウイスキータイプとして新しい基準が発効しました。

  • 原料はモルト化大麦100%
  • 米国内で製造する
  • 米国内の単一蒸留所で蒸留する
  • 蒸留時はアルコール度数80%以下
  • 米国内で貯蔵する
  • 容量700リットル以下のオーク樽を使用する
  • 新樽・使用済み樽、焦がした樽・焦がしていない樽を使用できる
  • 瓶詰め時はアルコール度数40%以上

 

American Single Maltの基準には、Bourbonなどにある樽入れ時62.5%以下という上限は規定されていません。また、通常のAmerican Single Maltには最低貯蔵年数がなく、Straight American Single Maltと表示する場合は2年以上の貯蔵が必要です。

カラメル色素を使用する場合は、その使用をラベルに表示する必要があります。2025年1月19日より前の基準に沿って表示された製品については、2030年1月19日までの移行措置があります。

アメリカンシングルモルトの定義と表示条件を確認する

 

Tennessee Whiskeyは地域と州法上の条件を確認する

Tennessee Whiskeyは、Bourbon、Rye、Cornなどと同じ形で、米国連邦規則のタイプ表に設けられた名称ではありません。テネシー州での製造と、州法上の条件を確認する地域的な表示です。

一般には、Bourbonに対応する原料、蒸留度数、樽入れ度数、新しい焦がしたオーク樽などの条件を満たし、テネシー州内で製造します。また、熟成前にメープル材の炭でろ過する工程が条件になりますが、州法には特定の蒸留所に関する例外があります。

そのため、Tennessee Whiskeyを確認するときは、単に「炭でろ過したウイスキー」と判断せず、製造州、基本となるウイスキータイプ、州法上の製法条件を分けて確認します。

 

Blended Whiskyは構成原酒とNeutral Spiritsを確認する

Blended Whiskyは、複数の樽や異なる熟成年数のウイスキーを混ぜたという意味だけではありません。米国法上は、プルーフガロン基準でStraight Whiskyを20%以上含み、残りにWhiskyまたはNeutral Spiritsを組み合わせられるタイプです。

Neutral Spiritsは、プルーフガロン基準で最大80%まで含めることができます。ラベルでは、Blended Whiskyというタイプ名だけでなく、Straight Whisky、ほかのWhisky、Neutral Spiritsの構成表示を確認します。

Blended Bourbon Whisky、Blended Rye Whiskyなどは、該当するStraight Whiskyをプルーフガロン基準で51%以上含み、残りにWhiskyまたはNeutral Spiritsを組み合わせるタイプです。

また、Straight Whiskyだけを組み合わせるBlend of Straight WhiskiesやBlended Straight Whiskiesというタイプもあります。単に複数樽を混ぜた商品と、法定タイプとしてのBlended Whiskyを分けて確認する必要があります。

 

そのほかのタイプも表示名で確認する

米国の連邦規則には、主要タイプ以外にも次の表示があります。

  • Whisky distilled from Bourbon Mashなど:対象穀物を51%以上使用し、使用済みオーク樽で貯蔵するタイプ
  • Light Whisky:160プルーフを超えて蒸留し、使用済みまたは焦がしていない新しいオーク樽で貯蔵するタイプ
  • Blended Light Whisky:Light Whiskyと20%未満のStraight Whiskyを組み合わせるタイプ
  • Blend of Straight Whiskies:条件の異なるStraight Whiskyを組み合わせるタイプ
  • Spirit Whisky:Neutral Spiritsと、5%以上のWhiskyまたはStraight Whiskyを組み合わせるタイプ

 

これらは品質や価格の順位を示す名称ではありません。ラベルに表示された正式なタイプ名から、原料、蒸留度数、貯蔵条件、Neutral Spiritsの有無を確認するための分類です。

 

ラベルで分類と条件を確認する方法

アメリカンウイスキーのラベルでは、銘柄名やデザインよりも、最初に正式なタイプ名を確認します。その後、Straight、熟成年数、Bottled in Bond、蒸留州、アルコール度数、容量、事業者などの表示を順番に見ます。

原料の正確な配合割合、蒸留時や樽入れ時の度数、使用した樽の詳しい仕様などは、すべての商品ラベルに表示されるわけではありません。ラベルで確認できる情報と、生産者や公的機関の情報で補う項目を分けることが重要です。

 

アメリカンウイスキーのラベルでタイプ、Straight、熟成年数、Bottled in Bond、蒸留州、度数、容量、事業者を確認する順序を示す図

 

確認順序主な表示確認する内容注意点
1Bourbon、Rye、Cornなど正式なウイスキータイプブランド名や地域名だけで分類しません。
2Straight2年以上の貯蔵と添加物の制限品質や価格の順位を示す言葉ではありません。
3○ Years Old使用したウイスキーのうち最も若いものの年数平均熟成年数ではありません。
4Bottled in Bond蒸留者、蒸留所、蒸留時期、貯蔵期間、瓶詰め度数基本タイプとは別の追加条件です。
5Distilled in ○○蒸留した州や地域蒸留所と瓶詰め業者の所在地を分けます。
6ABV・Proof・容量完成品の度数と内容量蒸留時や樽入れ時の度数とは異なります。
7構成・添加物・事業者Neutral Spirits、着色料、瓶詰め業者などラベルにない情報は公式情報で補います。

 

1.正式なウイスキータイプを確認する

最初に、Bourbon Whisky、Rye Whisky、Wheat Whisky、Malt Whisky、Rye Malt Whisky、Corn Whisky、American Single Malt Whisky、Blended Whiskyなどの正式なタイプ名を確認します。

「Whisky」と「Whiskey」は、米国の連邦規則ではどちらの綴りも使用できます。綴りの違いだけでタイプや製法を判断することはできません。

ブランド名に「Bourbon」「Rye」「Malt」などの言葉が含まれていても、正式なタイプ表示と同じとは限りません。銘柄名とは別に、ラベル上の酒類名称を確認します。

また、Small Batch、Single Barrel、Cask Strength、Barrel Proof、Double Oakedなどは、BourbonやRyeと同じ位置づけの基本タイプではありません。正式なタイプ名と追加情報を分けて確認します。

 

2.Straight表記の有無を確認する

Straight Bourbon Whisky、Straight Rye Whisky、Straight Wheat Whiskyなどの「Straight」は、基本タイプに追加される表示です。

Straightと表示するためには、該当する原料・蒸留・樽条件を満たしたうえで、2年以上貯蔵する必要があります。Straight Whiskyには、Neutral Spiritsや着色・香味付けのための材料を加えることはできません。

例えば、Straight Bourbon Whiskyは、Bourbon Whiskyとしての条件に加えて、次の条件を満たします。

 

  • 新しい焦がしたオーク樽で2年以上貯蔵する
  • Neutral Spiritsを加えない
  • 着色料、香味料、ブレンディング材料を加えない
  • 4年未満の場合は熟成年数を表示する

 

Straightは、味、品質、価格、希少性の順位を示す言葉ではありません。貯蔵期間と構成上の条件を満たしていることを確認するための表示です。

 

3.熟成年数を確認する

「2 Years Old」「Aged 4 Years」などの熟成年数が表示されている場合、原則として使用したウイスキーのうち最も若いものの貯蔵期間を示します。複数の熟成年数の原酒を使用していても、平均年数を表示するものではありません。

米国法上の年数は、蒸留後から瓶詰め前までにオーク樽で貯蔵した期間です。瓶詰め後の保管期間は、ラベル上の熟成年数には加算されません。

通常のBourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Maltには、一律の法定最低熟成年数はありません。ただし、Straightと表示する場合は2年以上の貯蔵が必要で、4年未満の場合は年数表示が必要です。

Neutral Spiritsを含むBlended Whiskyなどでは、Straight Whisky、その他のWhisky、Neutral Spiritsの割合や年数に関する追加表示が必要になる場合があります。その場合は、年数だけでなく、構成比率を示す文章もあわせて確認します。

ウイスキーの年数表示と最も若い原酒の関係を確認する

 

4.Bottled in Bond表記を確認する

Bottled in Bond、Bottled-in-Bond、Bondedなどは、一定の製造・貯蔵・瓶詰め条件を満たした蒸留酒に使用できる表示です。

米国内で製造されたBottled in Bondでは、主に次の条件を確認します。

 

  • 同じ種類の蒸留酒で構成する
  • 同じ原料区分から造る
  • 同じ蒸留者が同じ蒸留所で蒸留する
  • 同じ蒸留シーズンに蒸留する
  • 米国内の保税施設で4年以上貯蔵する
  • アルコール度数50%、100プルーフで瓶詰めする
  • ラベルに蒸留施設と瓶詰め施設の情報を表示する

 

蒸留シーズンは、1月から6月までと、7月から12月までの2期に分けて扱われます。異なる蒸留シーズンの原酒を組み合わせたものは、Bottled in Bondの条件を満たしません。

Bottled in Bondは、BourbonやRyeなどの基本タイプを置き換える表示ではありません。「Bottled in Bond Bourbon」のように、基本タイプと追加条件を組み合わせて確認します。

 

5.蒸留州と地域表示を確認する

米国で蒸留されたBourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Malt、Corn、American Single Maltなどでは、ラベルに蒸留州を確認できる表示があります。

「Distilled in Kentucky」「Distilled in Tennessee」などの表示は、原酒を蒸留した場所を確認する情報です。ラベルに記載された会社の所在地や瓶詰め場所が、蒸留場所と同じとは限りません。

州や地域名をタイプ名の一部として使用する場合は、蒸留と、そのタイプに必要な熟成を該当地域で行う必要があります。例えば、New York Bourbon Whiskyと表示する場合は、ニューヨーク州内で蒸留し、必要な熟成も同州内で行います。

裏ラベルでは、次の表現を分けて確認します。

 

  • Distilled by:蒸留した事業者
  • Distilled in:蒸留した場所
  • Bottled by:瓶詰めした事業者
  • Produced by:表示された事業者の役割を追加確認する
  • Imported by:輸入者

 

事業者名や住所だけで、原酒の製造元を断定しないようにします。

 

6.ABV・Proof・容量を確認する

アルコール度数は、ABV、% Alc./Vol.、Alcohol by Volumeなどの表示で確認します。米国のProofは、アルコール度数の2倍です。

 

  • 80プルーフ:アルコール度数40%
  • 90プルーフ:アルコール度数45%
  • 100プルーフ:アルコール度数50%
  • 125プルーフ:アルコール度数62.5%
  • 160プルーフ:アルコール度数80%

 

商品ラベルに表示されるABVやProofは、完成品の瓶詰め時の度数です。Bourbonなどに定められた蒸留時160プルーフ以下、樽入れ時125プルーフ以下という条件とは、確認する工程が異なります。

容量は、700ml、750ml、1Lなどで表示されます。同じ商品名でも、販売地域や仕様によって容量や度数が異なる場合があるため、分類、年数、度数、容量を別々に確認します。

 

7.構成・添加物・事業者情報を確認する

Blended WhiskyやSpirit Whiskyでは、Whisky、Straight Whisky、Neutral Spiritsなどの構成を示す表示を確認します。Neutral Spiritsを含む場合は、その割合や原料に関する表示が付くことがあります。

Bourbon WhiskyとStraight Whiskyには、着色料、香味料、ブレンディング材料の使用に制限があります。一方、ほかのタイプでは使用が認められる材料があるため、タイプ名だけで添加物の有無を一律に判断できません。

American Single Maltでカラメル色素を使用する場合は、ラベルでの開示が必要です。色だけを見て、樽熟成期間や着色の有無を判断しないようにします。

ラベルで確認できない次の情報は、生産者、蒸留所、瓶詰め業者、輸入者の公式情報で補います。

 

  • 穀物の正確な配合割合
  • 蒸留時と樽入れ時の度数
  • 使用した樽の種類や容量
  • 蒸留所と原酒の製造元
  • Blended Whiskyの詳しい構成
  • 着色料や香味料の使用
  • 濾過や追加熟成の方法

 

記載がない製造情報を、銘柄名、色、香味説明から推測で補わないことが重要です。ラベル、公式商品情報、TTBの規則やラベル情報を組み合わせて確認します。

 

まとめ:アメリカンウイスキーはタイプと追加表示を分けて確認する

  • 米国法上のWhiskyは、穀物の発酵もろみから造り、アルコール度数95%未満で蒸留します。
  • 原則としてオーク樽で貯蔵し、瓶詰め時はアルコール度数40%以上です。ただし、Corn Whiskyは樽貯蔵を必須としません。
  • Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Maltは、主原料を51%以上使用し、新しい焦がしたオーク樽で貯蔵します。
  • Corn Whiskyはトウモロコシ80%以上を使用し、貯蔵する場合の樽条件がBourbonとは異なります。
  • American Single Maltは、モルト化大麦100%を使用し、米国内の単一蒸留所で蒸留するタイプです。
  • Tennessee Whiskeyは、連邦規則のタイプと、テネシー州内での製造・製法条件を分けて確認します。
  • Straightは2年以上の貯蔵と構成上の条件を示し、4年未満の場合は熟成年数表示が必要です。
  • Bottled in Bondは、蒸留者、蒸留所、蒸留シーズン、4年以上の貯蔵、100プルーフでの瓶詰めなどに関する表示です。
  • 熟成年数は、原則として使用したウイスキーのうち最も若いものを基準にします。
  • ラベルでは、正式なタイプ、Straight、年数、蒸留州、ABV・Proof、容量、構成、事業者情報を順番に確認します。

 

アメリカンウイスキーは、すべてがBourbonと同じ条件で造られるわけではありません。原料となる穀物、蒸留度数、樽入れ度数、貯蔵樽、熟成年数、Neutral Spiritsの有無などによって、適用されるタイプが異なります。

商品を確認するときは、銘柄名や地域名だけで判断せず、ラベルに表示された正式なタイプと追加表示を分けて見ることが重要です。ラベルに記載されていない原料比率や製造条件は、生産者、蒸留所、瓶詰め業者、輸入者、TTBなどの公式情報で補います。

 

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この記事の調査方針

本記事では、米国法におけるWhiskyの基本定義、Bourbon、Rye、Wheat、Malt、Rye Malt、Corn、American Single Malt、Blendedなどのタイプについて、米国の現行連邦規則とAlcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau(TTB)の公開情報を確認しました。

各タイプは、味、価格、人気、希少性の順位として扱わず、原料比率、蒸留時の度数、樽入れ時の度数、貯蔵樽、熟成年数、Neutral Spiritsや添加物の扱いによって整理しています。

ラベル表示については、正式なタイプ名、Straight、熟成年数、Bottled in Bond、蒸留州、ABV・Proof、容量、事業者情報を確認しました。ラベルに表示されないマッシュビル、蒸留条件、樽の仕様などは、推測で補わず、公式商品情報を確認する方針としています。

American Single Maltについては、2025年1月19日に発効した基準と、2030年1月19日までの移行措置を確認しました。Tennessee Whiskeyについては、米国連邦規則上のタイプとテネシー州法上の条件を分けて扱っています。

米国の法令、TTBの表示ガイダンス、州法、製品表示は今後変更される可能性があります。実際の商品については、ラベル、外箱、生産者・蒸留所・瓶詰め業者・輸入者の公式情報もあわせてご確認ください。

 

参考情報一覧

 

更新履歴

  • 2025年11月28日:記事を公開しました。
  • 2026年6月16日:アメリカンウイスキーの定義、主な分類、バーボンとの違い、ラベル表示、参考情報を見直しました。
  • 2026年8月27日:米国法上のWhiskyの基本定義、主要タイプの原料・蒸留・貯蔵条件、American Single Malt、Straight、Bottled in Bond、年数・蒸留州の表示確認手順へ全面改修しました。

 

 

 

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