サントリーオールド寿1899とは?年代の見分け方 | Guide of Whisky
サントリーオールド寿1899とは?年代の見分け方

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サントリー

サントリーオールド寿1899とは?年代の見分け方

 

「サントリー オールド ウイスキー 寿 1899」と記されたボトルを手に取り、その深い歴史や価値について知りたいと思ったことはありませんか。

そもそもウイスキーって何?という基本的な疑問から、このオールドとはどんなウイスキーですか?という具体的な問いまで、様々な興味が湧くことでしょう。

 

サントリーの歴史を紐解くと、サントリーの1番古いウイスキーは何ですか?という問いにも行き着きます。

このウイスキーには「寿」の由来と1950年発売の歴史があり、コレクター心をくすぐる背景が満載です。

 

また、古いボトルだからこそ、ウイスキーに賞味期限はある?と気になったり、定番750mlボトルの価格や度数について知りたくなるかもしれません。

そして、このウイスキーの真の魅力は、その一本一本が持つ個性にあります。

ラベルで年代を見分ける方法はありますか?ラベルに記載の「特級」とはどういう意味?といった疑問や、コレクター必見の干支ボトルとは?という特別な存在、さらにはスペシャルリザーブとの違いを比較したいという方もいるはずです。

最終的に、もし手放すことを考えた場合、創業1899年モデルの買取価格は?という点も重要な関心事です。

 

この記事では、これらの疑問に一つひとつ丁寧にお答えし、サントリーオールドの奥深い世界を徹底的に検証していきます。

 

この記事で分かること

記事のポイント

  • サントリーオールドの「寿」や「1899」が持つ歴史的な意味
  • ラベルの「特級」表示や住所から年代を判別する具体的な方法
  • 干支ボトルなど特別なモデルの存在と現在の市場価値
  • 味わいの特徴やスペシャルリザーブとの明確な違い

 

Table of Contents

愛され続ける魅力とは?サントリー オールド ウイスキー 寿 1899

愛され続ける魅力とは?サントリー オールド ウイスキー 寿 1899


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この章では、サントリーオールドがどんなウイスキーであるかを基本から解説します。

「寿」の名の由来や味わいの特徴、ブランドの歴史、価格や度数といった網羅的な情報を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • そもそもウイスキーって何?
  • オールドとはどんなウイスキーですか?
  • サントリーの1番古いウイスキーは何ですか?
  • 「寿」の由来と1950年発売の歴史
  • ウイスキーに賞味期限はある?
  • 定番750mlボトルの価格や度数

 

そもそもウイスキーって何?

そもそもウイスキーって何?


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ウイスキーとは、大麦やトウモロコシといった穀物を主原料として、糖化・発酵させた後に蒸留し、木製の樽でじっくりと熟成させた蒸留酒の一種です。

その語源は、ゲール語の「ウシュク・ベーハー(Uisge Beatha)」、すなわち「生命の水」に由来すると言われています。

この「樽で熟成させる」という工程が、ウイスキーならではの美しい琥珀色と、バニラやカラメルのような甘く複雑で豊かな香味を生み出す最大の要因と考えられます。

 

ウイスキーの製造工程は、まず原料となる穀物から麦汁(ばくじゅう)をつくり、酵母を加えてアルコール発酵させます。

この時点では「ウォッシュ」と呼ばれる、ビールに似た醸造酒が出来上がります。次に、このウォッシュを蒸留器(ポットスチルやコラムスチルなど)で加熱し、アルコール分を凝縮させることで、アルコール度数の高い無色透明のスピリッツが生まれます。

この出来立てのスピリッツを「ニューポット」や「ニュースピリッツ」と呼び、これを樽に詰めて長期間寝かせることで、初めてウイスキーとなるのです。

 

主なウイスキーの種類

ウイスキーは、その原料によって大きくいくつかの種類に分けられます。

 

モルトウイスキー

大麦麦芽(モルト)のみを原料とし、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留されるのが一般的です。

豊かな香りと複雑な味わいを持ち、個性が強く出やすいのが特徴です。

「シングルモルト」とは、一つの蒸溜所で作られたモルトウイスキーのみを瓶詰めしたものを指します。

 

グレーンウイスキー

トウモロコシや小麦、ライ麦などの穀類を主原料とし、連続式蒸留器で蒸留されます。

クリアで穏やかな味わいが特徴で、主にブレンデッドウイスキーのベースとして使用されます。

 

ブレンデッドウイスキー

個性の異なる複数のモルトウイスキーとグレーンウイスキーを、ブレンダーが巧みに混ぜ合わせて作られます。

バランスの取れた味わいが特徴で、サントリーオールドもこのブレンデッドウイスキーに分類されます。

 

これらのウイスキーは、産地や製法によってさらに細かく分類されます。

代表的なものに、スモーキーな風味が特徴的なスコットランドのスコッチウイスキー、滑らかな口当たりのアイリッシュウイスキー、甘みが強いアメリカンウイスキー、軽快な味わいのカナディアンウイスキー、そして繊細でバランスの取れた日本のジャパニーズウイスキーがあり、これらは「世界5大ウイスキー」と称されています。

(出典:サントリー ウイスキー入門

 

中でもジャパニーズウイスキーは、2021年に日本洋酒酒造組合が定めた自主基準により、その定義がより明確になりました。

日本国内で採取された水を使用し、麦芽を必ず原料に含め、国内の蒸溜所で糖化・発酵・蒸溜を行うこと、そして日本国内で700リットル以下の木樽に詰め、3年以上貯蔵することなどが定められています。

この厳格な基準が、世界的に評価される品質を支えているのです。

(出典:JWIC ジャパニーズウイスキーの定義について

 

オールドとはどんなウイスキーですか?

オールドとはどんなウイスキーですか?


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サントリーオールドは、サントリーが創業以来培ってきたブレンド技術を結集して製造・販売する、ブレンデッドウイスキーの代表的な銘柄です。

前述の通り、ブレンデッドウイスキーは個性豊かな複数のモルトウイスキーと、味わいの土台となるグレーンウイスキーを巧みに調和させて作られます。

サントリーオールドの味わいは、まさにこのブレンドの妙によって支えられており、歴代のマスターブレンダーたちの技術と感性が息づいています。

 

その最大の特徴は、サントリーのウイスキーづくりの故郷である山崎蒸溜所で、シェリー樽で熟成されたモルト原酒をキーモルト(ブレンドの核となる原酒)として贅沢に使用している点にあります。

シェリー樽とは、スペインのシェリー酒の熟成に使われた樽のことで、これを用いてウイスキーを熟成させると、レーズンやドライフルーツを思わせるリッチで甘い香りと、微かなスパイスのニュアンスが生まれます。

このシェリー樽原酒が、サントリーオールドならではの華やかで深みのある味わいを形作っているのです。

 

時代を象徴する「だるま」

丸みを帯びた特徴的なボトル形状から、「だるま」や「たぬき」の愛称で長年親しまれてきました。

このデザインは、発売された1950年から現在に至るまで、ほとんど変わることなく受け継がれています。

戦後の日本が復興から高度経済成長へと向かう時代、サントリーオールドは多くの人々にとって憧れの存在でした。

当時は高級品であり、「いつかはオールドが飲めるようになりたい」と願うビジネスマンの成功の象徴、あるいは大切な人への贈答品として特別な地位を確立していました。

多くのバーや家庭の棚で、この「だるま」が鎮座する姿が見られたものです。

 

しかし、時代の変化と共に人々の嗜好も多様化し、発売当初は「リッチ&メロウ」と評された濃厚な味わいも、より軽快な飲み口が好まれるようになったことで、一時期は「マイルド&スムーズ」へと改良が加えられました。

 

その後、2008年のリニューアルを経て、キーモルトであるシェリー樽原酒の個性を改めて引き出す現在の味わいへと進化しています。

このように、サントリーオールドは日本の食文化や時代の空気とともに、その味わいを少しずつ変化させながら、常に人々の生活に寄り添ってきました。

 

現在では、2025年9月時点の希望小売価格が税抜1,880円(出典:サントリー公式サイト)と、比較的手に入れやすい価格で販売されています。

かつての高級品のイメージから、今ではその品質の高さが再評価され、コストパフォーマンスに優れたウイスキーとして幅広い層から支持されています。

 

サントリー オールド 700ml 43度

 

飲み方を選ばない柔軟性も大きな魅力です。

ストレートやロックで飲めば、その華やかな香りとまろやかな口当たりをダイレクトに感じられます。

また、水割りにすると和食との相性も良く、ハイボールにすれば豊かな甘みが炭酸と調和し、爽快ながらも飲みごたえのある一杯を楽しむことができます。

(出典:サントリーウイスキーオールドをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証 - マイベスト

 

サントリーの1番古いウイスキーは何ですか?

サントリーの1番古いウイスキーは何ですか?


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サントリーが世に送り出した、日本初の本格国産ウイスキーは、1929年(昭和4年)4月1日に発売された「サントリーウヰスキー(白札)」です。

この一本が誕生するまでには、創業者・鳥井信治郎のウイスキーづくりにかける並々ならぬ情熱と長い道のりがありました。

 

創業者たちの夢と葛藤

鳥井信治郎は、「日本人の手で、世界に誇る日本のウイスキーを造る」という大きな夢を抱いていました。

その夢を実現するため、1923年(大正12年)に京都の南西、天王山の麓に日本初のモルトウイスキー蒸溜所である山崎蒸溜所を建設します。

この地は、良質な水とウイスキーの熟成に適した湿潤な気候に恵まれた、まさに理想の場所でした。

 

蒸溜所の初代工場長として招聘されたのが、単身スコットランドに渡り、本場のウイスキーづくりを学んだ竹鶴政孝です。

しかし、目指すウイスキーの味わいについて、二人の間には考え方の違いがあったと言われています。

竹鶴はスコットランドの伝統に忠実な、重厚でスモーキーな味わいを追求しました。

一方、鳥井はブレンダーとしての視点から、日本人の繊細な味覚に合い、日本の食文化にも寄り添うような、華やかでまろやかなウイスキーを目指していたのです。

 

市場の厳しい評価と次への糧

数年間の熟成期間を経て、ついに完成した「サントリーウヰスキー(白札)」は、どちらかと言えばスコッチウイスキーに近い、ピート(泥炭)由来のスモーキーフレーバーが際立つ、非常に個性的な味わいでした。

鳥井信治郎は自信を持って市場に送り出しましたが、当時の人々の反応は厳しいものでした。

 

甘みのあるお酒に慣れていた当時の日本人にとって、その独特な燻製のような香りは「焦げ臭い」と評され、すぐには受け入れられませんでした。

加えて、一本4円50銭という価格は、2025年9月現在の貨幣価値に換算すると2万円近くにもなる高級品であり(出典:企業物価指数 - 日本銀行)、気軽に試せるものではなかったのです。

 

この結果、販売は大きく伸び悩むことになりました。

しかし、鳥井信治郎はこの経験から「日本人の味覚の繊細さ」を改めて痛感し、これを貴重な教訓とします。

そして、「白札」の失敗をバネに、ブレンドをさらに追求し改良を重ねた結果、1937年(昭和12年)に後の大ヒット商品となる「角瓶」を開発するに至ります。

 

このように、「白札」は商業的には成功を収められませんでしたが、サントリーのウイスキーづくりの原点であり、日本のウイスキー史の幕開けを告げる、決して忘れることのできない記念碑的な一本と言えるのです。

(出典:サントリーの歴史 1929年 国産第1号ウイスキー「サントリー白札」発売

 

「寿」の由来と1950年発売の歴史

「寿」の由来と1950年発売の歴史


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サントリーオールドのボトルやラベルに時折見られる「寿」の文字は、現在のサントリー株式会社の前身である「株式会社壽屋(ことぶきや)」に由来しています。

この社名は、創業者・鳥井信治郎が1899年(明治32年)に大阪で創業した洋酒の輸入販売店「鳥井商店」を、事業の拡大に伴い1921年(大正10年)に株式会社へ改組した際に名付けられました。

「寿」という言葉には、祝いや長命といった非常に縁起の良い意味が込められており、鳥井信治郎の事業に対する大きな希望と決意が表れています。

 

この壽屋時代に、サントリーのウイスキーづくりは大きな一歩を踏み出しました。

 

戦争を乗り越えた幻のウイスキー

前述の「白札」や「角瓶」の経験を経て、壽屋のウイスキーブレンド技術は飛躍的に向上していました。

そして、それまでの集大成として、より熟成された贅沢なプレミアムウイスキーの開発が進められ、その原酒は1940年(昭和15年)にはすでに完成の域に達していたのです。

鳥井信治郎の理想とする、リッチで華やかな味わいを持つ最高級のウイスキーでした。

 

しかし、まさにこれから世に送り出そうという矢先、日本は第二次世界大戦の荒波に飲み込まれていきます。

戦時下では、ウイスキーの原料である大麦なども統制下に置かれ、贅沢品であるウイスキーの製造や販売は極めて困難な状況となりました。

国民が困窮する中で、新しい高級ウイスキーを発売することは到底できるはずもなく、この幻のウイスキーの発売は無期限に延期されることになります。

山崎蒸溜所では、戦火を避けながら、この貴重な原酒を大切に守り抜きました。

 

復興の象徴としての船出

終戦から5年が経過した1950年(昭和25年)、日本がようやく復興の軌道に乗り始めた頃、満を持してこのウイスキーは「サントリーオールド」と名付けられ、ついに発売の日を迎えます。

これは、鳥井信治郎の息子であり、二代目マスターブレンダーであった佐治敬三が中心となって成し遂げた、サントリーの戦後復興を象徴する一大プロジェクトでした。

 

質の悪い密造酒なども横行していた時代に、樽でじっくりと熟成された本格的な国産ウイスキーの登場は、人々に大きな喜びと希望を与えました。

戦後の混乱期を乗り越え、豊かさを目指す人々にとって、サントリーオールドを飲むことは一つのステータスであり、憧れの的となります。

やがて、その「だるま」の愛称とともに広く親しまれ、日本の高度経済成長を象徴する国民的なウイスキーへと成長していきました。

 

このように、初期のボトルに刻まれた「寿」の文字は、単なる旧社名というだけでなく、戦争という苦難の時代を乗り越えて生まれた奇跡のウイスキーの歴史と、日本のウイスキーづくりに生涯を捧げた創業者たちの情熱を今に伝える、重要な証となっているのです。

(出典:オールドの歩み SUNTORY OLD サントリー

 

ウイスキーに賞味期限はある?

ウイスキーに賞味期限はある?


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ウイスキーをはじめとするアルコール度数の高いお酒には、食品表示法において賞味期限や消費期限を表示する義務がありません。

そのため、ボトルに賞味期限が記載されていることは基本的にありません。

これは、アルコール度数が非常に高いために雑菌が繁殖しにくく、長期間の保存が可能なためです。

 

また、ウイスキーの「熟成」は、樽の中で行われる木材との相互作用によって進みます。

瓶詰めされた時点で樽との接触は断たれるため、熟成のプロセスは完全に止まります。

したがって、ワインのように瓶の中で熟成が進み、味わいが変化し続けることはありません。

例えば、「熟成年数12年」のウイスキーは、瓶詰めから何十年経過しても「熟成年数12年」のままであり、その価値や味わいが瓶の中で増すことはないのです。

 

ただし、これらの条件はあくまで「未開栓」の状態で、かつ「適切に保管」されている場合に限られます。

一度栓を開けてしまったり、保管環境が悪かったりすると、風味の劣化は避けられません。

 

未開栓ウイスキーの最適な保管方法

ウイスキーの繊細な風味と品質を長期間保つためには、保管方法が非常に重要です。

以下の点に注意することで、何十年もの間、そのウイスキーが持つ本来の味わいを保つことが可能になります。

 

直射日光を避ける

紫外線はウイスキーにとって最大の敵の一つです。

日光に含まれる紫外線は、ウイスキーの香味成分であるエステルなどの有機化合物を分解し、色合いを褪色させ、味わいを平板なものに変えてしまう可能性があります。

箱に入れるか、戸棚の中など、光が当たらない冷暗所で保管することが理想です。

 

温度と湿度を一定に保つ

高温な場所は、アルコールが気化しやすくなるだけでなく、化学変化を促進させて香味のバランスを崩す原因となります。

また、急激な温度変化はボトル内の液体を膨張・収縮させ、栓を押し上げて密封性を損なう恐れもあります。

湿度が高すぎるとラベルにカビが生え、低すぎるとコルクが乾燥して収縮し、これもまた密封性の低下に繋がります。

年間を通して温度や湿度の変化が少ない場所を選んでください。

 

ボトルを立てて保管する

ワインはコルクの乾燥を防ぐために横に寝かせて保管しますが、ウイスキーは必ず立てて保管するのが鉄則です。

アルコール度数40%以上ある液体が常にコルクに触れていると、アルコールがコルクの成分を溶かし、劣化させてしまいます。

これにより、コルクが脆くなって開栓時に崩れたり、コルクの好ましくない匂いがウイスキーに移ったり、最悪の場合は液漏れの原因となります。

 

サントリー オールド 700ml 43度

 

開栓後のウイスキーの風味の変化と保存

一度開栓すると、ボトルの中に空気が入り込み、ウイスキーは空気中の酸素に触れて酸化が始まります。

これにより、少しずつではありますが、本来の風味が変化していきます。

開栓直後は香りが華開くように感じられることもありますが、長期間空気に触れさせると、繊細な香りが失われ、味わいの輪郭がぼやけてしまう傾向にあります。

 

特に、ボトルの中のウイスキーが減れば減るほど、ボトル内の空気の割合(ヘッドスペース)が増え、酸化のスピードは速まります。

 

開栓後のウイスキーをできるだけ美味しく保つためには、しっかりと栓を閉め、前述の冷暗所で保管することが大切です。

この方法で保管すれば、一般的には数ヶ月から1年程度は大きな劣化なく楽しむことが可能です。

もし、非常に高価なウイスキーや特別な一本をより長く楽しみたい場合は、瓶内の空気を追い出すプライベート・プリザーブのような窒素ガスやアルゴンガス製品を使用する方法もあります。

(出典:よくあるご質問 サントリーウイスキー

 

定番750mlボトルの価格や度数

定番750mlボトルの価格や度数


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現在、主に国内で流通しているサントリーオールドの定番ボトルは700mlですが、その歴史を遡ると750mlや760mlのボトルが主流だった時代が長く続いていました。

ここでは、まず現行品の正確な情報に触れ、その後、過去のボトルとの違いやその価値について詳しく解説します。

 

現行品(700ml)のスペック

2025年9月時点において、サントリーが公式に発表している現行品の主な仕様は以下の通りです。

ポイント

  • 容量: 700ml
  • アルコール度数: 43%
  • 希望小売価格: 2,250円(税抜)

(出典:サントリー公式サイト 商品情報

もちろん、実際の販売価格はスーパーマーケットや酒店、オンラインストアなど、販売店によって異なる場合があります。

しかし、その品質と歴史を考えれば、現在でも非常に手に取りやすい価格帯を維持していることがわかります。

 

度数43%への回帰とその意味

現行品のアルコール度数43%という数値は、このウイスキーの歴史において重要な意味を持ちます。

市場の嗜好がより軽やかで飲みやすいものへと変化した時期、サントリーオールドもその流れに合わせてアルコール度数を40%に調整していた期間がありました。

 

しかし、長年のファンからは「かつての濃厚な味わいが懐かしい」という声も多く聞かれました。

それに応える形で、2008年に行われたリニューアルの際に、サントリーオールドが最も愛されていた高度経済成長期の仕様と同じ43%へと度数を戻す決断がなされました。

この3%の違いは、味わいの厚み、香りの立ち方、そして余韻の深さに大きく影響します。

これは、ブランドの原点に立ち返り、オールドが持つ本来の「リッチ&メロウ」な個性を現代に伝えるという、メーカーの強い意志の表れと言えるでしょう。

 

旧ボトル(750ml)の市場価値

かつて主流だった750mlや760mlのボトルは、現在では生産が終了しており、「旧ボトル」「オールドボトル」として古酒市場で取引されています。

特に1989年以前の「特級」表示があるボトルは、その時代の味わいを知る貴重な資料となります。

 

これらの旧ボトルの価格は、年代や保存状態によって大きく変動しますが、一般的な流通品であったため、極端に高価なプレミア価格で取引されることは稀です。

多くは数千円程度から見つけることができ、その価値は金銭的なものよりも、「半世紀近く前の日本のウイスキーを味わえる」という歴史的・文化的な側面に重きが置かれます。

 

ただし、これはあくまで標準的なボトルの話です。

前述した干支ボトルや、特別な記念品として限定生産されたもの、あるいはラベルの状態が極めて良好な初期ボトルなどは、希少価値から高値で取引されることもあります。

旧ボトルを手にすることは、単に古いお酒を飲むのではなく、そのボトルが経てきた時間に思いを馳せるという、特別な体験を与えてくれます。

 

サントリー オールド 700ml 43度

 

年代による違いは?サントリー オールド ウイスキー 寿 1899の価値

年代による違いは?サントリー オールド ウイスキー 寿 1899の価値


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この章では、お手元のサントリーオールドの年代や価値を見分ける方法を詳しく解説します。

ラベルの「特級」表示の意味から希少な干支ボトル、現在の買取価格まで、コレクター目線の情報を知りたい方は必見です。

 

ポイント

  • ラベルで年代を見分ける方法はありますか?
  • ラベルに記載の「特級」とはどういう意味?
  • コレクター必見の干支ボトルとは?
  • スペシャルリザーブとの違いを比較
  • 創業1899年モデルの買取価格は?
  • 総括:サントリー オールド ウイスキー 寿 1899

 

ラベルで年代を見分ける方法はありますか?

ラベルで年代を見分ける方法はありますか?


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サントリーオールドは、1950年の発売から現在に至るまで70年以上の長い歴史を持つウイスキーです。

その長い歳月の中で、ラベルのデザインや表記は、社会情勢や酒税法の改正、企業の成長に合わせて何度も変更されてきました。

したがって、これらの変遷を読み解くことで、お手元にある一本がいつ頃の時代に作られたものなのかを、かなり高い精度で推測することが可能になります。

 

年代を特定するための重要な手がかりは、主に「等級表示」「住所表記」「エンブレム」の3点です。

ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

これらの要素を総合的に見ることで、年代特定の精度はさらに高まります。

 

① 等級表示:「特級」の有無

ボトルを見分ける上で、最も分かりやすく、かつ重要なのがこの「等級表示」です。

これは1953年(昭和28年)から1989年(平成元年)3月まで施行されていた旧酒税法に基づくもので、ウイスキーの原酒混和率によって税率が分けられていました。

 

「特級」表示がある場合

この表示があるボトルは、酒税法が改正される1989年3月31日以前に製造・販売されたものであることが確定します。

サントリーオールドは発売当初「1級」でしたが、すぐに品質が認められ、長きにわたり「特級」として販売されました。

 

等級表示がない場合

ラベルに「特級」などの表示がなければ、それは1989年4月1日以降に製造されたボトルであると判断できます。

 

特級サントリー レア オールドベビーサイズボトル

 

② 住所表記:サントリー本社の変遷

ラベルに記載されている製造者(サントリー株式会社)の住所は、その時代ごとの本社の所在地を示しており、これも年代を特定する有力な手がかりとなります。

 

大阪市北区堂島浜通1丁目

1950年代の最初期ボトルに見られる表記です。

 

大阪市北区中之島2丁目

本社が移転した1958年頃から1971年までのボトルに見られます。

この住所と後述の「寿」エンブレムが揃っていれば、60年代のボトルである可能性が非常に高くなります。

 

大阪市北区堂島浜2丁目

1971年に再度本社が移転してからの表記で、現在に至るまで使用されています。

このため、この住所だけでは70年代から現代まで幅広い可能性があり、他の要素と組み合わせて判断する必要があります。

 

③ エンブレム:寿、向獅子、響マーク

ボトルキャップやラベルにあしらわれたエンブレムも、時代を映す鏡です。

 

寿(ことぶき)

主にボトルの背面にエンボス(浮き彫り)加工されているマークで、サントリーの前身「壽屋」の象徴です。

1971年頃までの、特に古いボトルに見られる特徴です。

 

向獅子(むかいじし)

二頭の獅子が向かい合うデザインで、1971年以降、長らくサントリーの品質を象徵するマークとして使用されました。

 

響マーク

1990年代から2000年代中頃にかけての一時期、サントリーの高級ウイスキー「響」のエンブレムがオールドのキャップにも使用されていました。

このマークがあれば、その期間のボトルであると特定できます。

 

向獅子(復活)

2008年のリニューアル以降、伝統的な向獅子マークが復活し、現在のボトルにも使用されています。

 

④ その他の細かな違い

上記の3点に加えて、ラベルの文言やフォント、容量表記なども年代を特定するヒントになります。

 

品質表記

1970年代までは「A Blend of the Choice Whiskies」「GENUINE QUALITY」といった表記でしたが、80年代に入ると「SPECIAL QUALITY」という表記に変わります。

 

容量表記

発売当初は720ml、その後760ml、750mlと変遷し、1990年代頃から現在の700mlが主流となりました。

 

フォント

1985年頃から1989年にかけての特級時代末期には、ラベルの「Suntory」「Old」の頭文字である「S」と「O」の文字が大きくデザインされるという特徴があります。

 

表:サントリーオールドの年代別ラベルの主な特徴
年代 (目安)等級表示住所表記エンブレムその他の特徴
1950年代~1971年1級 → 特級堂島浜通1丁目 → 中之島2丁目寿 (ボトル背面)「GENUINE QUALITY」表記
1971年~1989年特級堂島浜通2丁目向獅子「SPECIAL QUALITY」表記へ変更
1989年~2008年なし堂島浜2丁目響マーク (一時期)アルコール度数40%の時期あり
2008年~現在なし堂島浜2丁目向獅子 (復活)アルコール度数43%に戻る

 

(出典:サントリー“オールド”古酒仕分け!memo - 伏見蒸溜館~備忘録

 

ラベルに記載の「特級」とはどういう意味?

ラベルに記載の「特級」とはどういう意味?


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ボトルに記載されている「特級」という表示は、1953年(昭和28年)から1989年(平成元年)3月まで日本で施行されていた、旧酒税法上のウイスキーの等級分けを示すものです。

現代の我々から見ると品質の高さを保証するマークのように感じられますが、本来はウイスキーの品質そのものを保証する目的ではなく、あくまで課税額を分けるための税法上の区分でした。

 

等級制度が生まれた背景

この制度が導入された戦後の日本では、本格的なウイスキーは非常に高価な贅沢品でした。そこで政府は、ウイスキーに含まれるモルト原酒の混和率に応じて税率を変える従価税制度を導入しました。

これにより、ウイスキーは以下の3つに分類されることになったのです。

 

特級

モルト原酒の混和率が27%以上のもの

 

一級

モルト原酒の混和率が10%以上27%未満のもの

 

二級

モルト原酒の混和率が10%未満のもの

 

サントリーオールドは、熟成された山崎のモルト原酒をふんだんに使用した、高い原酒混和率を誇る高級品であったため、もちろん「特級」に分類されていました。

 

税法上の区分とはいえ、消費者にとっては「特級=モルト原酒が豊富で高品質なウイスキー」という分かりやすい指標となりました。

そのため、この「特級」マークは、いつしか品質とステータスを象徴する権威ある証として、市場に広く認知されるようになっていったのです。

 

サントリー オールド 80年代 特級表記 43% 760ml

 

1989年の等級制度廃止とその影響

長らく続いたこの等級制度は、1989年4月の酒税法改正によって廃止されました。

これは、国際的な貿易自由化の流れの中で、輸入品と国産品で税率が異なるなどの点が不公平であるとの指摘を受けたためです。

この改正により、ウイスキーの分類はよりシンプルなものとなり、等級による税率の違いはなくなりました。

 

この法改正は、日本のウイスキー市場にとって大きな転換点となります。

これにより、「特級」という権威に頼らない、真に品質とブランド力で勝負する時代が到来したのです。

 

そのため、現在ではこの「特級」表示は、そのボトルが1989年3月31日以前に製造されたものであることを示す、確かな時代の証となっています。古

酒コレクターやウイスキー愛好家の間では、単に古いボトルであることの証明としてだけでなく、日本のウイスキーが大きく飛躍した「昭和」という時代の味わいを今に伝える、「タイムカプセル」のような存在として、一つの重要な指標とされているのです。

 

コレクター必見の干支ボトルとは?

コレクター必見の干支ボトルとは?


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サントリーオールドの「干支ボトル」は、日本のウイスキー文化と伝統的な贈答文化が融合した、非常に特別な存在です。

サントリーは1982年(昭和57年)の戌歳から、年末年始の贈答品向けとして、その年の干支をかたどった美しい陶器製のボトルにウイスキーを詰めたシリーズの販売を開始しました。

当初は「サントリーローヤル」が中心でしたが、その人気から「サントリーオールド」などもラインナップに加わり、現在まで続くロングセラー企画となっています。

 

毎年、秋頃になると数量限定でリリースされるこの干支ボトルは、単なる限定品という枠を超え、日本の年末年始の風物詩の一つとも言えるでしょう。

 

日本の伝統工芸品としての魅力

干支ボトルの最大の魅力は、ボトルそのものが持つ芸術性の高さにあります。

これらのボトルは、有田焼(佐賀県)や美濃焼(岐阜県)、九谷焼(石川県)といった、日本を代表する陶磁器の産地で、熟練した職人の手によって一つひとつ丁寧に作られています。

 

デザインは毎年一新され、その年の干支となる動物が、躍動感あふれる姿や愛らしい表情で精巧に表現されています。

例えば、勇ましく天に昇る龍や、優雅に佇む兎など、単に動物の形を模すだけでなく、縁起物としての意味合いも込めてデザインされているのが特徴です。

そのため、ウイスキーを飲み終えた後も、美しい置物として長く楽しむことができ、インテリアとしても高い価値を持ちます。

中身のウイスキーはもちろん高品質なサントリーオールドですが、その価値の多くは、このボトル自体の希少性と、日本の伝統工芸品としてのデザイン性にあります。

 

干支ボトルを収集する際のポイント

通常のボトルとは異なり、特にコレクションアイテムとしての側面が強い干支ボトルは、その価値を決定する上でいくつかの重要なポイントがあります。

 

コレクション性

やはり最大の楽しみは、12年という歳月をかけて十二支をすべて揃えることにあります。

毎年異なるデザインで発売されるため、自分の生まれ年のボトルを探したり、家族の干支を集めたりと、様々な楽しみ方ができます。

過去のボトルは流通市場で探すしかなく、コンプリートを目指す道のりはコレクターにとっての醍醐味です。

 

希少性

毎年、数量限定で生産されるため、販売期間が終了すると正規ルートでの入手は困難になります。

特に1980年代などの古い年代のものは現存数が少なく、市場でも高い価値がつく傾向にあります。

 

贈答品としての需要

年末年始の縁起物として、「福を招く」という意味を込めて贈られることも多く、コレクター以外の一般層からの需要も非常に高いです。

これが、発売から時間が経っても価値が下がりにくい一因となっています。

 

付属品の有無

買取市場において特に重要視されるのが、ボトルが入っていた化粧箱や、付属品(敷物、木札など)がすべて揃っているかどうかです。

これらが揃った「完品」の状態であると、ボトルの価値は大きく上がります。

逆にボトル単体では、査定額が大幅に下がってしまう可能性があるため、もしお持ちの場合は大切に保管することが推奨されます。

 

これらの干支ボトルは、ウイスキー愛好家だけでなく、陶磁器や工芸品のコレクターからも注目を集める、まさに「用の美」を体現した逸品と言えるでしょう。

(出典:サントリーウイスキー「オールド〈亥歳〉ラベル」「ローヤル〈亥歳〉ボトル」数量限定新発売

 

サントリー オールド 15年 干支ボトル 亥 1983年 陶器 43% 760ml

 

サントリー オールド 干支ラベル 午歳 2002年 40% 700ml

 

スペシャルリザーブとの違いを比較

スペシャルリザーブとの違いを比較


ウイスキーガイド イメージ

サントリーオールドと並んで、長年にわたり日本のウイスキーファンに愛されているサントリーのブレンデッドウイスキーに「スペシャルリザーブ」があります。

スーパーマーケットや酒店の棚で隣同士に並んでいることも多く、価格帯も近いため、どちらを選ぶべきか迷う方も少なくありません。

しかし、この二つのウイスキーは、その誕生の背景から味わいのコンセプトまで、明確に異なる個性を持っています。

 

誕生の背景とブランドコンセプト

両者の違いを理解するためには、それぞれが生まれた時代背景を知ることが重要です。

 

サントリーオールド (1950年発売)

戦後の復興期に「贅沢な本格ウイスキー」として誕生しました。日本の高度経済成長を象徴する存在であり、そのコンセプトは「リッチ&メロウ」。

重厚でクラシカル、そして円熟した味わいが求められました。

 

サントリー スペシャルリザーブ (1969年発売)

サントリーの創業70周年を記念して誕生しました。

時代はまさに高度経済成長の真っ只中。より洗練され、モダンでスタイリッシュなウイスキーとして、次代を担う新しい世代に向けて開発されました。

コンセプトは「クリーン&エステリー(華やかな香り)」。キレがあり、洗練された味わいが特徴です。

 

サントリー リザーブ 700ml 40度

 

このように、オールドが「伝統と重厚さ」を象徴するならば、リザーブは「革新と洗練」を象徴するウイスキーとして、意図的に異なるキャラクターを与えられているのです。

 

香りと味わいの詳細な比較

このコンセプトの違いは、ブレンドの核となるキーモルトの選定に最もよく表れており、香りと味わいに明確な個性をもたらしています。

サントリーオールド

ポイント

  • キーモルト:
    山崎蒸溜所シェリー樽原酒
  • 香り:
    レーズンやドライフルーツのような濃厚な甘さに、オレンジマーマレードやカカオを思わせる、華やかで複雑なアロマが立ち上ります。
  • 味わい:
    口に含むと、まろやかで豊かな甘みが舌の上に広がります。
    飲みごたえがありながらも、角の取れた滑らかな口当たりが特徴です。
  • 余韻:
    甘く、ややウッディな温かみのある余韻が、心地よく長く続きます。

 

サントリー スペシャルリザーブ

ポイント

  • キーモルト:
    白州蒸溜所ホワイトオーク樽原酒
  • 香り:
    バニラや熟したパイナップルのような甘い香りに、白州モルト由来の若葉やミントを思わせる、爽やかでクリーンなアロマが感じられます。
  • 味わい:
    すっきりと軽快な口当たり。上品な甘さの中に、ほのかなスパイシーさも感じられ、全体的にエレガントで洗練された印象です。
  • 余韻:
    甘さが尾を引かず、スッと消えていくようなキレの良いフィニッシュが特徴です。

 

おすすめの飲用シーンとペアリング

これらの個性の違いから、それぞれに適した楽しみ方も変わってきます。

言ってしまえば、オールドが食後にゆっくりと時間をかけて向き合いたいウイスキーであるのに対し、リザーブは食事と共に爽やかに楽しみたいウイスキーと言えるかもしれません。

 

オールドはその濃厚な味わいから、ロックやストレートでじっくりと楽しむのに向いています。

また、甘辛い味付けのすき焼きや蒲焼など、しっかりとした味わいの和食と水割りで合わせるのも良いでしょう。

 

一方で、リザーブはそのクリーンなキレ味から、ハイボールにすることで真価を発揮します。

爽快な飲み口は食前酒にぴったりで、刺身や天ぷらといった繊細な和食の味わいを引き立ててくれます。

 

どちらが優れているということではなく、これらはサントリーが誇る二つの個性です。

飲むときの気分や食事、好みに合わせて選ぶことで、それぞれの魅力を最大限に感じることができるでしょう。

(出典:サントリーウイスキースペシャルリザーブ

 

創業1899年モデルの買取価格は?

創業1899年モデルの買取価格は?


ウイスキーガイド イメージ

まず最も重要な点として、「サントリー オールド ウイスキー 寿 1899」という表記における「1899」という数字は、このウイスキーの発売年や特定のモデルイヤーを示すものではなく、サントリーの創業者・鳥井信治郎が事業を開始した年、すなわちサントリーの創業年を指しています。

そのため、「オールドの1899年モデル」というウイスキーは市場には存在しません。

 

しかし、この歴史的な年号にちなんだ記念ボトルや、サントリーオールドの歴史を物語る古い年代のボトルは、古酒として現在の買取市場で確かな価値が認められています。

 

「1899」を冠した記念ウイスキーの存在

サントリーは、その長い歴史の節目において「1899」という創業年を冠した特別な記念ウイスキーをいくつか発売しています。

これらはサントリーオールドとは別の製品ですが、しばしば混同されるためここで解説します。

 

サントリー100周年記念ボトル「感謝百年」

1999年に発売された、まさに創業100周年を記念したボトルです。

特別なブレンドが施されており、ボトル自体も非常に凝ったデザインで、コレクターズアイテムとして高い価値を持っています。

 

「響 1899」ラベル

サントリーの最高峰ブレンデッドウイスキー「響」のラベルにも「ESTABLISHED 1899」と記されているものがあります。

これもまた、サントリーの創業年を示すものであり、特定のヴィンテージを指すものではありませんが、その品質からもちろん高値で取引されます。

 

買取価格を左右する3大要素

古いサントリーオールドの買取価格は、画一的なものではなく、一本一本の状態によって大きく変動します。

専門業者が査定する際に特に重視するのは、主に「年代」「希少性」「保存状態」の3つの要素です。

① 年代

当然ながら、より古い時代に製造されたボトルほど価値が高まる傾向にあります。1950年代~60年代の、背面に「寿」のエンボスがある初期ボトルは特に希少です。次に、1970年代~80年代の「特級」表示があるボトルも、当時の味わいを求めるファンから根強い人気があります。1989年の等級制度廃止以降のボトルは、限定品でない限り、古酒としての価値は比較的大人しくなります。

② 希少性

前述した「干支ボトル」のように、毎年数量限定で生産されたボトルは、通常のボトルよりも高い価値が付きます。その他にも、特定の百貨店向けに作られた限定ラベルや、企業の創立記念品として配られた非売品など、市場への流通量が極端に少ないものは、その希少性からコレクターの探索対象となり、高価買取が期待できます。

③ 保存状態

これが査定において最も重要視されるポイントと言っても過言ではありません。

ポイント

  • 液面低下:
    長い年月を経ると、わずかな隙間からアルコール分が蒸発し、液面が低下することがあります。
    多少の低下は自然な現象ですが、ボトルの肩の部分を大きく下回るほど減っている場合、密封性が損なわれ中身が酸化している可能性が高いと判断され、価値は大きく下がります。
  • ラベルの状態:
    ラベルはボトルの「顔」です。
    破れやシミ、カビ、日焼けによる色褪せがなく、文字がはっきりと読める綺麗な状態であるほど高評価に繋がります。
  • 付属品の完備:
    購入時に付属していた化粧箱の有無は、査定額に大きく影響します。
    特に贈答品としての側面が強い干支ボトルなどでは、箱がないだけで価値が半減してしまうこともあります。
    木札や冊子などの付属品も、揃っていればいるほどプラスの評価となります。

 

専門業者に査定を依頼する

お手持ちのボトルにどれくらいの価値があるのかを正確に知るためには、古酒を専門に扱う買取業者に査定を依頼するのが最も確実な方法です。

多くの業者では、ボトルを店舗に持ち込むだけでなく、写真を送るだけのオンライン査定や、郵送での査定、大量にある場合は出張査定など、様々なサービスを提供しています。

 

専門の鑑定士は、ラベルの微妙な違いや市場の最新の動向を把握しているため、ご自身でオークションに出品するよりも、適正かつ納得のいく価格を提示してくれる可能性が高いでしょう。

 

総括:サントリー オールド ウイスキー 寿 1899

記事のポイント まとめです

  • 「1899」はサントリーの創業年であり発売年ではない
  • 「寿」はサントリーの前身である「壽屋」に由来する
  • 丸いボトル形状から「だるま」「たぬき」の愛称で親しまれる
  • 1940年に完成していたが戦争の影響で1950年に発売された
  • 発売当初は高級品として人々の憧れの的であった
  • キーモルトは山崎蒸溜所のシェリー樽原酒
  • 華やかで甘い香りとまろやかな味わいが特徴
  • ウイスキーに賞味期限はなく適切に保管すれば劣化しない
  • 保管の際は直射日光を避けボトルを立てることが基本
  • ラベルの「特級」表示は1989年以前のボトルの証
  • 住所表記やエンブレムの違いで年代を推測できる
  • 毎年発売される数量限定の「干支ボトル」はコレクターズアイテム
  • スペシャルリザーブは白州の原酒がキーモルトですっきりした味わい
  • 現行品の価格は比較的手頃でコストパフォーマンスが高い
  • 古いボトルは古酒として価値があり専門業者による買取も行われている

 

【参考情報一覧】

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