サントリートリスCMの歴史|歴代女優と名作を解説 | Guide of Whisky
サントリートリスCMの歴史|歴代女優と名作を解説

ウイスキーガイド イメージ

※本ページはプロモーションが含まれています

サントリー

サントリートリスCMの歴史|歴代女優と名作を解説

 

サントリートリスのCMと聞くと、あなたは誰の顔を、どんな情景を思い浮かべるでしょうか。

吉高由里子さんの「ハイボール!」という元気な声かもしれませんし、最近よく目にする永野芽郁さんのチャーミングな笑顔かもしれません。

あるいは、雨の京都を健気に歩く一匹の子犬の姿が、今も心の片隅に残っている方もいることでしょう。

サントリートリスのCMは、単なる商品広告の枠を超え、その時代時代の空気や人々の気持ちを映し出す鏡のような存在として、長年にわたり多くの人々に愛され続けてきました。

 

この記事では、まず多くの人が気になる、トリスのCM、現在の出演者は誰ですか?という最新の疑問にお答えします。

15年ぶりの新ヒロインとして抜擢された永野芽郁さんのフレッシュな魅力と、その就任が持つ意味を詳しく解説し、私たちの記憶に新しい吉高由里子さんとハイボールブームの時代がいかにして築かれたのか、その輝かしい背景を深く掘り下げていきます。

 

もちろん、トリスのCMが紡いできた物語はそれだけではありません。

歴代のCMに出演した女優は誰ですか?という関心や、CMを支えた歴代の俳優は誰ですか?という声にもお応えするため、歴代の出演者を一挙に総まとめとして、その華やかな変遷を分かりやすく整理しました。

さらに、人々の記憶に深く刻まれている名作の世界へもご案内します。

広告史に輝く伝説の雨と子犬が登場する感動CMは、なぜこれほどまでに私たちの心を打つのか 。

その制作背景に隠された、CMに登場した犬の心温まるエピソードを紐解きながら、社会現象を巻き起こしたハイボールブームを牽引したCMシリーズが持つ文化的な意味を改めて検証します。  

 

加えて、物語はトリスだけに留まりません。

サントリーのCMを彩る他の豪華女優陣の活躍にも光を当て、同社の巧みなブランド戦略を探ります。

そして、多くの人が気になる角瓶のCMに出演している女優さんは誰?といった関連情報も網羅することで、サントリーのウイスキー広告の世界をより立体的に感じていただけるはずです。

 

記事のポイント

2025年時点の最新CM出演者とその背景

吉高由里子さんや永野芽郁さんをはじめとする歴代の主要な出演者

広告史に残る名作CM「雨と犬」篇の制作秘話

トリスと角瓶など、関連ブランドCMとの違い

 

Table of Contents

サントリートリスの歴史を彩るcm出演者たち

サントリートリスの歴史を彩るcm出演者たち


ウイスキーガイド イメージ

この章では、現在のCMヒロインである永野芽郁さんから、ハイボールブームを築いた吉高由里子さんまで、歴代の出演者について詳しく解説します。

トリスCMの歴史を彩ってきた女優や俳優を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • トリスのCM、現在の出演者は誰ですか?
  • 15年ぶりの新ヒロイン、永野芽郁さん
  • 吉高由里子さんとハイボールブームの時代
  • 歴代のCMに出演した女優は誰ですか?
  • CMを支えた歴代の俳優は誰ですか?
  • 歴代の出演者を一挙に総まとめ

 

トリスのCM、現在の出演者は誰ですか?

トリスのCM、現在の出演者は誰ですか?


ウイスキーガイド イメージ

2025年2月時点で、サントリートリスの新しい顔としてCMに出演しているのは、俳優の永野芽郁さんです。長年親しまれてきたブランドのイメージを継承しつつ、フレッシュな魅力で新たな風を吹き込んでいます。

サントリーの公式発表によると、永野芽郁さんは2025年2月14日から新たなヒロインとして起用されました。これは、2010年から長きにわたりCMキャラクターを務めてきた吉高由里子さん以来、実に15年ぶりとなるヒロインの交代であり、ブランドの新しい時代の幕開けを象徴する大きな出来事です。このニュースは、長年のファンや広告業界にインパクトを与え、多くの主要メディアで大々的に報じられました。

出典:共同通信PRワイヤー サントリーウイスキー「トリス」新ヒロイン発表 リンク先:https://kyodonewsprwire.jp/release/202502124116

出典:ORICON NEWS 永野芽郁、「トリス」ブランド15年ぶりヒロインに就任 リンク先:https://www.oricon.co.jp/news/2368603/full/

永野さんが出演する新CM「ハイボール行進曲」篇は、仕事帰りの人々が「おうちでハイボール♪」という歌に合わせて行進するという、明るく元気な世界観が特徴です。永野さん自身、これが初めての酒類のCM出演であり、新CM発表会では「改めて“大人になったんだなぁ”という実感がわきました」と、喜びと新鮮な驚きを語っています。長い歴史を持つブランドの顔になることへのプレッシャーも感じつつ、大人の仲間入りができた喜びを不思議な感覚だと表現していました。

出典:永野芽郁、「トリス」ブランドの新CMヒロインに…「 初のお酒のCMで“大人になったんだなぁ”と実感しました」|ウォーカープラス リンク先:https://www.walkerplus.com/article/1246312/

このCMは、サントリーの公式サイトや公式YouTubeチャンネルで視聴することが可能です。このように、現在の出演者に関する情報は、企業の公式発表や信頼性の高いメディアによって明確に裏付けられており、誰でも簡単に確認することができます。

 

 

15年ぶりの新ヒロイン、永野芽郁さん

15年ぶりの新ヒロイン、永野芽郁さん


ウイスキーガイド イメージ

永野芽郁さんの起用は、トリスブランドにとって約15年ぶりとなるCMヒロインの刷新として、大きな注目を集めました。

これは単なる出演者の交代ではなく、ブランドが新しい世代へ向けてメッセージを届け、時代の変化に対応しようとする明確な戦略の表れと言えます。

 

新しい世代へのメッセージ

サントリーは今回の刷新にあたり、「おうちハイボールをはじめよう」という新しいメッセージを掲げ、自宅での飲用シーンの拡大を図る考えを示しています。

近年、ライフスタイルの変化に伴い、家でリラックスしてお酒を楽しむ「家飲み」の需要が高まっています。

このトレンドを捉え、ウイスキーの入り口ともいえるトリスハイボールを、より幅広い層にアピールする狙いがあるのです。

永野さんの持つ明るく親しみやすいキャラクターは、この「家庭で気軽に楽しむハイボール」というテーマにふさわしいと判断されたと考えられます。

出典:AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

 

CMで描かれる新しい世界観

実際に、2025年2月14日から全国で放映が開始された新CM「ハイボール行進曲」篇では、永野さんが仕事帰りにトリスハイボール缶を片手に、街の人々と共に行進しながら家に帰るという、楽しく元気な世界観が描かれています。

このCMで使われている楽曲は、人気アニメ『キテレツ大百科』のオープニングテーマであった「お料理行進曲」を替え歌にしたもので、歌唱は原曲と同じYUKAさんが担当しています。

懐かしさと新しさが融合したこの楽曲は、CMの明るい雰囲気を一層引き立てています。

出典:永野芽郁出演、サントリー「トリスハイボール缶」のCMで流れる曲は? - CDJournal

 

 

CM撮影時のインタビューで永野さんは、「歴史のあるトリスブランドのCMに出演することになり、とても光栄です」と語る一方で、「実はこれまではハイボールに馴染みがなかったので、これからトリスハイボールの魅力を自分自身が知りながらみなさまにもお伝えできたらいいなと思っています」と、フレッシュな意気込みを見せています。

出典:永野芽郁「お酒のCMは初めてだったので…」 15年ぶり『トリス』新ヒロインに決定|entax

 

この演出やコメントからも、これまでウイスキーに馴染みのなかった若者を含む、より幅広い層にブランドの魅力を再発見してもらいたいというサントリーの強い意志が読み取れます。

 

吉高由里子さんとハイボールブームの時代

吉高由里子さんとハイボールブームの時代


ウイスキーガイド イメージ

永野芽郁さんの前に、2010年から約12年間にわたりトリスの「顔」を務めたのが、吉高由里子さんです。

彼女が出演したCMシリーズは、単に商品の知名度を上げただけでなく、ハイボールという飲み方そのものを社会に浸透させ、一大ブームを巻き起こす大きな原動力となりました。

 

「おじさんの飲み物」からの脱却

2010年頃、ウイスキー市場は停滞期にあり、「ウイスキーはおじさんの飲み物」という固定観念が根強く存在していました。

サントリーはこの状況を打破するため、若者や女性にも親しみやすいイメージを打ち出す広告戦略を展開します。

その中心的な役割を担ったのが、当時から人気女優であった吉高由里子さんでした。

出典:【広告業界の秘密】ハイボールCMでブレイク!女優を使った戦略とは?|YOU MAY Casting

 

吉高さんの起用は、ウイスキーの新しい楽しみ方を提案し、ターゲット層を若年化させるという明確な目的を持っていたのです。

 

アンクルトリスとの共演が象徴するもの

2010年9月から放送が開始された最初のCMシリーズでは、吉高さんがトリスブランドの象徴的なキャラクター「アンクルトリス」と共演し、大きな話題を呼びました。

昭和生まれのアンクルトリスと、平成生まれの吉高さんが世代を超えて乾杯する姿は、ブランドの長い歴史と新しい時代の融合を象徴していました。

出典:ORICON NEWS 吉高由里子、懐かしの「トリス」CMキャラと共演

CMの中で吉高さんが見せる自然体で楽しそうな姿は、多くの人々にとって「ハイボールを試してみよう」というきっかけになったことでしょう。

この親しみやすい世界観の構築が、ハイボールブームの土台を築いたと言えます。

 

 

進化し続けたCMシリーズ

吉高さんのCMシリーズは、単に同じイメージを繰り返すだけでなく、時代に合わせて進化を続けました。

2022年には、1961年に生まれた開高健氏による名コピー「人間らしくやりたいナ」を現代版にアレンジした「人間っていいナ。」というコピーを採用。

これは、ブランドの原点に立ち返りつつ、現代を生きる人々の心に寄り添うメッセージを発信する試みでした。

出典:「人間らしくやりたいナ」を現代版に サントリー「トリス」原点回帰のCM公開|AdverTimes.

このように、長期にわたるシリーズ展開の中でメッセージを深化させていったことも、多くの人から共感を得て、ハイボールが文化として定着する一因となったと考えられます。

吉高由里子さんの時代は、トリスブランドの歴史において、まさに再興期と呼ぶにふさわしい輝かしい一時代だったのです。

 

歴代のCMに出演した女優は誰ですか?

歴代のCMに出演した女優は誰ですか?


ウイスキーガイド イメージ

前述の通り、サントリートリスCMの近年の歴史を語る上で欠かせない女優は、ハイボールブームを築いた吉高由里子さんと、新たな時代を象徴する永野芽郁さんです。

この二人は、それぞれが長期にわたってブランドの顔を務め、時代のニーズを的確に捉えたCM展開で、トリスの魅力を多くの人々に伝えてきました。

 

ブランドの顔となった二人のヒロイン

吉高由里子さんは2010年から約12年間、永野芽郁さんは2025年からと、それぞれが特定の時代を象徴する存在としてCMに出演しています。

彼女たちの起用は、単発のキャンペーンにとどまらず、ブランドの世界観を継続的に伝え、視聴者との長期的な関係を築く上で重要な役割を果たしました。

サントリーの公式サイトや過去のニュースリリースをたどることで、彼女たちの活躍の変遷をより詳しく確認することができます。

出典:サントリー トリス公式サイト

 

アンクルトリスの時代から女優の時代へ

しかし、トリスの70年以上にわたる長い歴史を振り返ると、必ずしも女優が常に中心だったわけではありません。

特に初期の広告では、1958年にイラストレーターの柳原良平氏が生み出した「アンクルトリス」というキャラクターが、ブランドの顔として絶大な人気を博していました。

出典:アンクルトリス - Wikipedia

 

戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、アンクルトリスは庶民の生活に寄り添う存在として親しまれ、ブランドの土台を築き上げたのです。

 

その後、時代の変化とともに広告戦略も移り変わり、吉高由里子さんの起用によって、ブランドイメージは大きく若返りました。

このように、トリスCMの歴史は、アンクルトリスという象徴的なキャラクターの時代から、吉高さんや永野さんといった実在の女優が時代の空気を体現する時代へと、その主役を変えてきたと言えるでしょう。

 

そのため、出演者の情報は期間やキャンペーン内容によって大きく異なります。

最新の情報や過去の詳細な記録については、公式サイトの更新を定期的に確認することをおすすめします。

 

CMを支えた歴代の俳優は誰ですか?

CMを支えた歴代の俳優は誰ですか?


ウイスキーガイド イメージ

サントリートリスのCMでは、吉高由里子さんや永野芽郁さんのように、女優が長期にわたってブランドの顔となるケースが目立ちます。

その一方で、男性俳優の起用は、各キャンペーンのテーマや企画内容に応じて、その都度最適な人物が選ばれる傾向にあります。

 

これは、CMの世界観に深みを与えたり、特定のメッセージを強調したりするための戦略的なキャスティングと考えられます。

例えば、ヒロインの相手役として登場することで日常感を演出したり、複数の俳優が登場することで賑やかな飲用シーンを描いたりするなど、その役割は多岐にわたります。

そのため、「この俳優がトリスの顔」という特定の人物を一人挙げるのは難しいのが実情です。

 

キャンペーンごとに起用される個性豊かな俳優陣

各時代のニュースリリースや広告関連の専門誌などを確認すると、作品ごとに個性豊かな俳優たちがCMを支えてきたことが分かります。

例えば、吉高由里子さんが出演していたシリーズの一作では、お笑いコンビ・ロバートの馬場裕之さんが出演していました。

このCMでは、吉高さんと馬場さんが夫婦役を演じ、家庭での楽しいひとときを表現しています。

出典:SUNTORY TORYS cast : 吉高由里子 馬場裕之(ロバート)

また、俳優ではありませんが、2015年頃のCMでは、声優の屋良有作さんがアンクルトリスの声を担当し、キャラクターに命を吹き込んでいました。このように、俳優の起用は企画単位で個別に確認する必要があります。

 

他ブランドに見る俳優の起用戦略

サントリーの他のウイスキーブランドに目を向けると、俳優の起用方法の違いがより明確になります。

例えば、「角瓶」のCMシリーズでは、バーの店主役を女優が務め、その常連客として複数の男性俳優が登場する構成が長年取られてきました。

井川遥さんが店主役だった時代には、加瀬亮さん、田中圭さん、ピエール瀧さん、矢本悠馬さんといった俳優陣が常連客として出演し、バーの和やかな雰囲気を創り出していました。

出典:井川遥さんが「ハイ&カラ」の相性に太鼓判|WHISKY Magazine Japan

 

 

このように、トリスCMにおける俳優の役割は、特定のキャンペーンを盛り上げるためのスポット的な起用が中心であり、角瓶のようにシリーズを通して世界観を構築するレギュラーメンバーとしての起用とは異なるアプローチが取られていることがわかります。

 

歴代の出演者を一挙に総まとめ

歴代の出演者を一挙に総まとめ


ウイスキーガイド イメージ

ここでは、サントリートリスCMの70年以上にわたる歴史において、特に重要な役割を果たした主要な出演者やキャラクターを、時代背景とともに分かりやすく表にまとめました。

トリスCMの「顔」は、時代を映す鏡のように変化してきました。

戦後の復興期には国民的なキャラクターが、そして現代では時代を象徴する女優が、それぞれの形でブランドの物語を紡いできました。

この表は、そうしたブランドのコミュニケーション戦略の変遷を理解する一助となるはずです。

トリスCM 歴代の主要な出演者・キャラクターの変遷
時代主な出演者 / キャラクター特記事項
1950年代~1960年代アンクルトリスイラストレーター柳原良平氏によって1958年に誕生。戦後日本のサラリーマンの心情を代弁する存在として国民的な人気を獲得しました。
1980年代子犬(「雨と犬」篇)製品を直接的に見せず、情緒的な映像でブランドイメージを高めた広告史に残る名作の主役です。
2010年~2022年吉高由里子ハイボールブームを牽引し、「ウイスキーはおじさんの飲み物」というイメージを刷新。飲用スタイルの定着に大きく貢献しました。
2025年~永野芽郁約15年ぶりのヒロイン刷新。「家飲み」需要の高まりを背景に、若年層を含む新たな顧客層への訴求を担っています。
随時企画に応じた俳優陣各キャンペーンの世界観を構築するため、CMのテーマに合わせて個性豊かな俳優が起用されています。

このようにトリスCMの歴史を俯瞰すると、単に出演者が変わっただけでなく、時代ごとにブランドが社会とどのようにコミュニケーションを取ろうとしてきたかが見えてきます。

アンクルトリスが人々の生活に寄り添った時代、映像美で心を揺さぶった時代、そして現代のヒロインたちが新しい飲み方を提案する時代。

それぞれの「顔」が、トリスというブランドの多面的な魅力を引き出し、長く愛される基盤を築いてきたのです。

 

サントリートリスの時代を映すcmの名作と関連情報

サントリートリスの時代を映すcmの名作と関連情報


ウイスキーガイド イメージ

この章では、広告史に残る名作「雨と犬」篇の制作秘話や、ハイボールブームを巻き起こしたCM戦略について解説します。

他のサントリーブランドとの違いも知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • 伝説!雨と子犬が登場する感動CM
  • CMに登場した犬の心温まるエピソード
  • ハイボールブームを牽引したCMシリーズ
  • サントリーのCMを彩る他の豪華女優陣
  • 角瓶のCMに出演している女優さんは誰?
  • まとめ:サントリートリスの時代を超えて愛されるcmの魅力

 

伝説!雨と子犬が登場する感動CM

伝説!雨と子犬が登場する感動CM


ウイスキーガイド イメージ

サントリートリスのCM史を語る上で、ひときわ異彩を放ち、今なお伝説として語り継がれる作品があります。

それが、1981年に制作された「雨と犬」篇です。

このCMは、製品の機能や特徴を直接的に宣伝するのではなく、雨に濡れる京都の街をさまよう一匹の子犬の姿を60秒間にわたって静かに追いかけるという、非常に情緒的な映像で構成されています。

 

この詩的で物語性豊かな表現は、当時の広告界に大きな衝撃を与え、国内外で高く評価されました。

その結果、世界三大広告賞の一つであるカンヌ国際広告祭(現在のカンヌライオンズ)のCM部門で金賞を受賞するなど、広告を芸術の域にまで高めた不朽の名作として知られています。

出典:仲畑貴志さんに聞く、「好きだから、あげる。」「おしりだって、洗ってほしい。」など名作コピーが生まれるまで 前編 - Page 2

 

制作の背景とクリエイターの情熱

この歴史的なCMは、企業からの依頼に応える形で始まったのではありませんでした。

当時サン・アドに在籍していたコピーライターの仲畑貴志氏が、「こういうのがやりたい」という個人的な情熱から、自ら企画を持ち込んだことからすべては始まりました。

仲畑氏自身が「こんなことができるんだ!と自分でも驚いた仕事でした」と振り返るように、これはクリエイターの強い意志が原動力となったプロジェクトだったのです。

 

驚くべきことに、その企画書は予算がない中で作られたため、銀行のメモ用紙に「主人公、犬一匹」「時は、たそがれ時。」と文字だけで書かれた、極めてシンプルなものでした。

しかし、その純粋なアイデアの力は当時のサントリー宣伝部長を経て、社長であった佐治敬三氏にまで届きます。

そして、サントリーに根付く「やってみなはれ」の精神が、この前例のない企画の実現を後押しすることになりました。

出典:仲畑貴志さんに聞く、「好きだから、あげる。」「おしりだって、洗ってほしい。」など名作コピーが生まれるまで 前編 - Page 2

 

映画界の巨匠たちが集結した制作陣

企画を実現するにあたり、仲畑氏は最高の映像美を追求しました。

撮影には、映画監督・黒澤明の作品を支え、「世界のミヤガワ」と称された撮影監督の宮川一夫氏をはじめとする、通称「黒澤組」のスタッフが集結したのです。

出典:1981年CM サントリートリス「雨と犬」篇 ACCグランプリ高橋典 - YouTube 

日本映画界を代表するプロフェッショナルたちが手掛けた映像は、単なる広告の枠を超え、一本の短編映画のような風格と深い味わいを持つ作品となりました。

そして、映像の持つ叙情性を一層引き立てたのが、BGMとしてスキャットで使われたビリー・バンバンの楽曲「琥珀色の日々」です。

切ないメロディが、雨の情景と子犬の健気な姿に完璧に調和し、観る者の心に深く染み渡りました。

出典:サントリー「トリス」~子犬篇/菅原進「琥珀色の日々」 - CDJournal

 

CMに登場した犬の心温まるエピソード

CMに登場した犬の心温まるエピソード


ウイスキーガイド イメージ

伝説的なCM「雨と犬」篇が多くの人の心を打ち、今なお語り継がれる理由の一つに、主役である子犬の存在があります。

映像の中で見せた、雨に濡れながらも健気に歩く姿は、単なる演技ではありませんでした。

実はこのCMに登場した子犬は、撮影スタッフが保健所からもらい受けてきた本物の野良犬だったのです。

出典:「その時、君は?」【003】1981 Autumn 伝説のTVCM「雨と子犬」に出会った日 - 福高寿禄会

この事実は、CMの持つ物語に一層の深みを与えています。

映像の中で見せた不安げな表情や、雨宿りする姿は、まさにこの子犬が置かれていた現実そのものだったのかもしれません。

撮影スタッフは、この子犬のありのままの姿を捉えることで、計算された演出では決して生み出すことのできない、圧倒的なリアリティと感動を映像に焼き付けました。

CMが放映されると、その健気な姿は多くの反響を呼びました。

幸いなことに、CMの成功は子犬の運命をも変えることになります。

撮影後、この子犬は無事に新しい飼い主が見つかり、幸せな一生を送ったと伝えられています。

一説には、CM関係者に引き取られ、「トリス君」と名付けられて11年の天寿を全うしたとも言われています。

出典:1981 (Showa 56) Suntory Whisky Torys Commercial Produced by Kurosawa? The aftermat... - YouTube 

製品をほとんど映さず、一つの命の姿を通して「トリスの味は人間味」という深遠なメッセージを伝えたこのCMは、まさにその制作背景においても「人間味」を体現していました。

保健所から救われた一つの命が、広告史に残る名作の主役となり、そして新しい家族を見つける。

この心温まるエピソードこそが、CMの感動をさらに深いものにし、多くの人々の記憶に刻まれる理由の一つなのです。

 

ハイボールブームを牽引したCMシリーズ

ハイボールブームを牽引したCMシリーズ


ウイスキーガイド イメージ

前述の通り、2010年代の日本におけるハイボールブームは、吉高由里子さんが出演したCMシリーズなくしては語れません。

このシリーズは、単に人気女優を起用したというだけでなく、ウイスキーの新しい楽しみ方を社会に提案し、文化として定着させるという明確な戦略に基づいていました。

 

「おじさんの飲み物」からの脱却という課題

当時のウイスキー市場は長らく停滞しており、「ウイスキーはおじさんの飲み物」という固定観念が根強くありました。

サントリーはこの状況を打破するため、若者や女性にも親しみやすいイメージを打ち出し、新たな顧客層を開拓する広告戦略を展開します。

その解決策が、爽やかで飲みやすいハイボールを、吉高さんという親しみやすいキャラクターを通じて大々的にアピールすることだったのです。

出典:【広告業界の秘密】ハイボールCMでブレイク!女優を使った戦略とは?|YOU MAY Casting

 

ブランドの原点と現代性の融合

2010年から始まったCMシリーズでは、吉高さんがブランドの象徴である「アンクルトリス」と共演し、世代を超えて愛される世界観を巧みに構築しました。

昭和生まれのアンクルトリスと、平成生まれの吉高さんが一緒に乾杯する姿は、ブランドが持つ長い歴史と、これから始まる新しい時代の融合を象徴するものでした。

CMの中で吉高さんが見せる自然体で楽しそうな姿は、多くの人々にとって「ハイボールを試してみよう」というきっかけになったことでしょう。

 

進化するメッセージと原点回帰

このCMシリーズの巧みさは、単に同じイメージを繰り返すだけでなく、時代に合わせてメッセージを深化させていった点にあります。

特に象徴的だったのが、2022年に展開されたキャンペーンです。

この年、サントリーは1961年にコピーライターの開高健氏が生み出した伝説的な名コピー「人間らしくやりたいナ」を、現代版として「人間っていいナ。」にアレンジして採用しました。

出典:「人間らしくやりたいナ」を現代版に サントリー「トリス」原点回帰のCM公開|AdverTimes.

これは、ブランドの哲学的な原点に立ち返りつつ、「何気ない一日のちょっとした幸せ」というテーマを、現代を生きる人々の心に寄り添う形で再提示する試みでした。

この継続的な情報発信と、時代に合わせたメッセージの進化が、見事に消費者の心を掴み、単なる流行に終わらない一大ブームへと繋がったと考えられます。

 

サントリーのCMを彩る他の豪華女優陣

サントリーのCMを彩る他の豪華女優陣


ウイスキーガイド イメージ

サントリーはトリスに限らず、展開する数多くのブランドで、時代を象徴する魅力的な女優を起用しています。

それぞれのブランドが持つ世界観やターゲット層に合わせて、多彩なキャスティング戦略を緻密に展開している点は注目に値します。

トリスが吉高由里子さんや永野芽郁さんのように、長期にわたって一人のヒロインを立てる戦略を取る一方で、他のブランドでは全く異なるアプローチが見られます。

 

ブランドの世界観を体現する女優たち

例えば、発売30周年を迎えた「サントリー天然水」のCMシリーズでは、女優の石橋静河さんをヒロインに起用しました。

このCMは、「大自然よ、ぼくたちのピュアな部分になってくれ。」というキャッチフレーズのもと、現代における「ピュアさ」を問いかける内容です。

 

 

石橋さんは、都会の会社を辞めて自然豊かな場所へ移住した女性を演じており、その姿は単なる若さや無垢さだけでなく、痛みを知り、自分自身の生き方を決める強さや優しさを兼ね備えた、新しい時代のヒロイン像を体現しています。

出典:石橋静河が現代のヒロインを熱演! 発売30周年「サントリー天然水」新CM|ウォーカープラス

また、若者を中心に人気のチューハイ「ほろよい」では、新CMキャラクターに西野七瀬さんを起用しました。

 

 

「夢中がはじまる。」というテーマを掲げ、自分の好きなものに囲まれて過ごす時間を楽しむ姿を、ワンカット撮影という非常に凝った手法で描いています。

スイーツや漫画、ゲームの世界に没入していく様子を演じる西野さんの姿は、「ほろよい」が個人の大切な時間を彩る存在であることを印象付けています。

出典:西野七瀬さんが「ほろよい」の新CMキャラクターに就任!|PR TIMES

 

シリーズCMに見る多彩なキャスティング

さらに、サントリーの広告戦略の多様性は、ロングセラーブランド「ボス」の「宇宙人ジョーンズ」シリーズにも見て取れます。

このシリーズでは、トミー・リー・ジョーンズさんを軸にしながら、毎回豪華な俳優陣が登場します。

近年では、松たか子さん、杉咲花さん、河合優実さん、伊藤沙莉さんが“宇宙人四姉妹”役で共演するなど、複数の女優が織りなすアンサンブルで物語を展開しています。

 

 

出典:「クラフトボス 世界のTEA」新TV-CM 松たか子さん、杉咲花さん、河合優実さん、伊藤沙莉さんが“宇宙人四姉妹”役で豪華共演!|PR TIMES

その他にも、「-196」では上戸彩さんが起用されるなど、各商品の特性に合わせて豪華な女優陣がブランドの顔を務めています。

これらのCMを横断的に見てみると、サントリーがいかに巧みにキャスティング戦略を駆使し、各ブランドの個性を際立たせているかが分かります。

それは、トリスCMの歴史とはまた違う、多彩な魅力に溢れた世界なのです。

 

角瓶のCMに出演している女優さんは誰?

角瓶のCMに出演している女優さんは誰?


ウイスキーガイド イメージ

サントリーのウイスキーCMとして、トリスとしばしば比較されるのが「角瓶」です。

しかし、これらは全く別のブランドであり、CMの出演者や描かれる世界観も大きく異なります。

そのため、情報を混同しないよう、それぞれの公式情報を個別に確認することが大切です。

 

歴代の女優が紡ぐ「角瓶」の世界観

「ウイスキーが、お好きでしょ」という有名なフレーズとメロディで知られる角瓶のCMは、小雪さんを初代ヒロインに迎えて以来、一貫して「とあるバーの女性店主と、そこに集う常連客たちの物語」という設定で描かれてきました。

この一貫した世界観が、ブランドの持つ普遍的な魅力を長年にわたり伝えています。

歴代の店主役は、初代の小雪さんから、2代目の菅野美穂さん、そして2014年から約10年間にわたり3代目を務めた井川遥さんへと、時代を代表する女優たちが引き継いできました。

特に井川遥さんのシリーズは、加瀬亮さんや田中圭さんといった個性豊かな常連客との心温まるやりとりが人気を博し、多くの人々に愛されました。

 

2025年、新たな物語の始まり

そして2025年7月、角瓶のCMは大きな節目を迎えます。

キャストが一新され、新たに蒼井優さんが4代目の店主として起用されることが発表されました。

出典:サントリーホールディングス ニュースリリース

 

2025年7月21日から放映が開始された新CM「はじまり」篇では、蒼井さんが営むバーに、新たな客として染谷将太さんが訪れます。

常連客役には小林聡美さんと、人気ロックバンドRADWIMPSの野田洋次郎さんが出演。さらに、野田さんはCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」の歌唱も担当しており、新しいキャストと共に、角瓶の新たな物語が始動したことを印象付けています。

 

 

このように、角瓶のCMは女優が「店主」という役割を引き継いでいくリレー形式で歴史を紡いでいるのに対し、トリスのCMは時代ごとに全く異なるアプローチでヒロイン像を描いています。

それぞれのCMの世界観や出演者の違いを見比べてみるのも、サントリーの巧みなブランド戦略を理解する上で非常に興味深いかもしれません。

 

まとめ:サントリートリスの時代を超えて愛されるcmの魅力

記事のポイント まとめです

  • 2025年時点の最新トリスCM出演者は永野芽郁
  • 新ヒロイン就任は約15年ぶりの刷新
  • 永野芽郁の起用は若年層への訴求強化が狙い
  • 吉高由里子が出演したCMはハイボールブームを牽引
  • ウイスキーのカジュアルな飲み方を定着させた
  • 1981年の「雨と犬」篇は広告史に残る名作
  • 同作はカンヌ国際広告祭で金賞を受賞
  • CMの子犬は保健所から引き取られた野良犬だった
  • 撮影後に子犬は新しい飼い主が見つかった
  • 俳優の起用はキャンペーンごとに変動する
  • 出演者情報は公式サイトや一次報道で確認するのが確実
  • サントリーはブランドごとに多彩な女優を起用
  • 角瓶はトリスとは別のブランドとして展開
  • 角瓶の最新CMには蒼井優が出演
  • トリスCMは時代を映す鏡として愛され続けている

【参考情報一覧】

 /関連記事

-サントリー