こんにちは。
ウイスキーガイド、運営者の「のい」です。
「アイ リッシュ ウイスキー おすすめ」と探してみたものの、いざ選ぶとなると「種類が多すぎて、どれが自分に合うんだろう?」と迷ってしまうこと、ありますよね。
ウイスキーといえばスコッチのイメージが強くて、アイリッシュ スコッチ 違いがよくわからなかったり、アイリッシュウイスキーの特徴って具体的に何?と聞かれると、ちょっと言葉に詰まったり。
最近よく見かける人気のバスカー や、定番のジェムソン は知っていても、それ以外の選択肢も知りたいな、と思うかもしれません。
それに、安い価格帯の定番品 から、特別な日に開けたい高級なボトル まで価格帯も幅広いですし、シングルモルト やアイルランド伝統の「シングルポットスチル」 なんていう専門用語も出てきて、選ぶのが難しく感じてしまうのも無理はないかなと思います。
この記事では、そんなアイリッシュウイスキー探しの「?」を解決するために、基本的な特徴や種類の違いから、価格帯別のおすすめ銘柄まで、分かりやすく整理していきます。
ハイボール だけでなく、ストレート やロック、アイリッシュコーヒー といった美味しい飲み方 についても触れていきますので、きっとあなたにピッタリの一本が見つかるはずです。
記事のポイント
- アイリッシュウイスキーの基本的な特徴とスコッチとの違い
- 法律で定められた4つの主要な種類と、その定義
- アイルランド固有の「シングルポットスチル」の魅力
- 注目のシングルモルト銘柄とそれぞれの個性
アイ リッシュ ウイスキー おすすめの選び方

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アイリッシュウイスキーと一口に言っても、実はたくさんの種類があります。
銘柄を選ぶ前に、まずは「どんなお酒なのか」という基本を知っておくと、自分好みの一本がグッと見つけやすくなると思います。
ここでは、その主な特徴から、よく比べられるスコッチとの違い、そして法律で決められた種類まで、おすすめの選び方の基礎を一緒に見ていきましょう。
アイリッシュウイスキーの主な特徴

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アイリッシュウイスキーの一番の特徴は、なんといってもその「滑らかさ(スムースさ)」にあるかなと思います[1][2]。
ウイスキー初心者の方や、スコッチウイスキーのスモーキーな感じがちょっと苦手…という方にも「とっつきやすい」「飲みやすい」とよく言われますね。
味わいとしては、ライトボディですっきりしているものが多く、アルコールの刺激がまろやかに感じられます。
この独特のキャラクターは、アイルランドの伝統的な製造プロセスから生まれています。
3回蒸留が主流
アイリッシュウイスキーの滑らかさを生み出す最大の要因が、伝統的に蒸留を3回行う点です[1][2]。
スコッチウイスキーの主流が2回蒸留であるのに対し、アイリッシュは蒸留を1回多く重ねます。
蒸留回数を増やすほど、アルコール純度が高まると同時に、雑味や重たい香味成分が取り除かれていきます。
実際に、蒸留直後の原酒(ニューメイクスピリッツ)のアルコール度数は、スコッチが約70度なのに対し、アイリッシュは約86度と高くなる傾向があるそうです。
この高い純度が、アイリッシュ特有の軽やかでクリーンな酒質を生み出す秘密なんですね。
全てのアイリッシュが3回蒸留?
実は例外もあります。
例えば、後ほど紹介する「カネマラ」はスコッチと同じ2回蒸留を採用しています[3]。
あくまで「3回蒸留が主流」というのがポイントですね。
ピートを使わない「ノンピート」が基本
もう一つの大きな特徴が、香りに関わる部分です。
ウイスキーの原料である大麦麦芽(モルト)は、発芽を止めるために熱風で乾燥させる工程があります。
スコッチ、特にアイラ島で造られる「アイラモルト」 は、この乾燥工程でピート(泥炭)を燃料として焚くため、あの独特のスモーキーな香り(「正露丸」や「薬品」と表現されることもありますね)が麦芽に付きます。
一方、アイリッシュウイスキーは伝統的にこのピートを使わず、石炭などを燃料にした熱風を直接当てない「密閉式の窯」で乾燥させるのが主流です[2][4]。
そのため、スモーキーな香りがほとんどないのが基本です。
その結果、ピート香に邪魔されず、原料である穀物(大麦など)本来の穏やかな甘みや、熟成樽に由来するシトラスフルーツ、トロピカルフルーツ、バニラ[1][2][5]、キャラメル[2]、ハチミツ [1][2][5]といった華やかで優しい香りを感じやすいんです[1][2][5]。
この「3回蒸留のスムースさ」と「ノンピートの穏やかな香り」が、アイリッシュウイスキーの「飲みやすい」というイメージの大きな理由になっているかなと思います。
例外:ピーテッド・アイリッシュ
ここにも例外があって、アイルランドのクーリー蒸留所が造る「カネマラ (Connemara)」は、あえてピーテッド麦芽を使ってスモーキーな風味を付けている、アイリッシュとしては非常に珍しいシングルモルトです[6][3][5][3][4]。
スコッチのスモーキーさが好きな方があえて選ぶアイリッシュ、という面白い存在ですね。
スコッチとの違いを比較

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ウイスキーというと「スコッチ」を思い浮かべる方も多いと思いますが、アイリッシュとは明確な違いがあります。
どちらも生まれた国(アイルランドとスコットランド)が違う だけでなく、法律で定められた製造ルールも異なるんです。
前のセクションで触れた「3回蒸留」や「ノンピート」がアイリッシュの大きな特徴ですが、スコッチと比較すると、その違いがさらによく分かります。
原料の違い:未発芽大麦の存在
まず、原料の考え方に大きな違いがあります。
スコッチのシングルモルトは「大麦麦芽100%」で造られるのが基本ですよね。
一方、アイリッシュには、次のセクションで詳しく解説する「シングルポットスチル」という独自のカテゴリがあります。
これは「大麦麦芽」に加えて、「未発芽の大麦」を30%以上も使用する、世界でもアイルランドだけの伝統的な製法なんです。
この未発芽大麦が、アイリッシュ特有のクリーミーな口当たりやオイリーさ、スパイシーな風味を生み出す源になっています。
蒸留とピート:主流の違い
製造プロセスも対照的です。
アイリッシュ
伝統的に3回蒸留が主流。
これにより雑味が少なくなり、アルコールがピュアで滑らかになります。
また、麦芽乾燥にノンピート(ピートを焚かない)のが基本なので、香りは穏やかでフルーティーです。
スコッチ
2回蒸留が主流。蒸留回数が少ない分、原料や製造工程の個性が残りやすいと言われます。
また、アイラモルト に代表されるように、ピートを積極的に使う文化が根付いており、スモーキーな個性の強さが魅力の一つになっています。
熟成樽の定義:革新性の源
そして、もう一つ、マニアックですが非常に重要な違いが「熟成樽」に関する法的な定義です。
スコッチウイスキーの法律(Scotch Whisky Regulations 2009)では、熟成は「オーク樽(Oak Casks)」でなければならない、と厳密に木の種類が指定されています。
対して、アイリッシュウイスキーの法律(Technical File)では、「木製の樽(Wooden Casks)」と、少し広く定義されているんです。
(出典:アイルランド政府農務省「Geographical Indications (Spirit Drinks)」)
「木製の樽」がもたらす多様性
この「木製」という定義が、アイリッシュウイスキーの革新性を支えているとも言われています。
オーク以外の木材(例えば栗や桜など)の樽を使う実験も法律上は可能なんです。
これが、近年「バスカー」 が得意とするマルサラワイン樽フィニッシュや、「ジェムソン」のスタウト(黒ビール)樽フィニッシュ のような、多様な樽での「追加熟成(フィニッシュ)」の自由度を高めているんですね。
主な違いのまとめ
これらの違いをまとめると、以下のようになります。
| 項目 | アイリッシュウイスキー | スコッチウイスキー |
|---|---|---|
| 主な産地 | アイルランド共和国、北アイルランド | スコットランド |
| 蒸留回数 | 3回蒸留が主流 | 2回蒸留が主流 |
| ピートの使用 | 使用しない(ノンピート)が主流 | 使用する(スモーキー)銘柄が多い |
| 主な原料 | 大麦麦芽、未発芽大麦、穀物 | 大麦麦芽、穀物 |
| 熟成樽の定義 | 「木製の樽」(最低3年) | 「オーク樽」のみ(最低3年) |
もちろん、これらはあくまで「主流」の話です。
アイリッシュにも「カネマラ」 のようなピーテッド・シングルモルト(しかも2回蒸留 [1]!)がありますし、スコッチにも3回蒸留(オーヘントッシャンなど)やノンピートの銘柄はたくさんあります。
飲み比べてみると、全体的な傾向としてアイリッシュはまろやかでフルーティー、スムースな味わい、スコッチはスモーキーなものからフルーティーなものまで、蒸留所ごとの個性が際立つ味わい、といったキャラクターの違いを感じやすいかなと思います。
4つの主要な種類と定義

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実は「アイリッシュウイスキー」と名乗るには、アイルランドの法律で定められた厳格なルールを守る必要があります。
これは「地理的表示(Geographical Indication = GI)」としてEU法で保護されていて、アイルランド政府農務省(DAFM)などが管理する「テクニカルファイル」という文書で詳細に定義されています。
(出典:アイルランド政府農務省「Geographical Indications (Spirit Drinks)」)
この分類を知っておくことが、おすすめの銘柄を選ぶ上でとても重要です。
テクニカルファイルに基づき、アイリッシュウイスキーは主に以下の4つの種類(カテゴリ)に分けられています。
1. シングルモルト・アイリッシュウイスキー
スコッチでもお馴染みのカテゴリですね。これは法律で以下のように定義されています。
ポイント
- 原料:
「大麦麦芽(モルト)100%」であること。 - 蒸留:
銅製の単式蒸留器(ポットスチル)を使って蒸留すること[1]。 - 蒸留所:
「単一の(Single)」蒸留所で造られた原酒のみであること[1]。
代表的な銘柄としては、「ブッシュミルズ」[2]や「カネマラ」[3]、「ティーリング シングルモルト」などがあります。
2. シングルポットスチル・アイリッシュウイスキー
これこそが、アイルランド独自の伝統的なスタイルであり、アイリッシュウイスキーの魂とも言えるカテゴリです。
ポイント
- 原料:
マッシュ(糖化槽に入れる原料)に、「大麦麦芽30%以上」と「未発芽の大麦30%以上」を必ず含まなければならない、という非常にユニークな定義があります。 - 蒸留:
シングルモルトと同じく、単式蒸留器(ポットスチル)を使用します[1]。 - 蒸留所:
もちろん「単一の(Single)」蒸留所である必要があります[1]。
この「未発芽大麦」の使用が、他のウイスキーにはないクリーミーな口当たりとオイリーさ、独特のスパイシーな風味を生み出します。
代表銘柄は「レッドブレスト」や「グリーンスポット」、「バスカー(グレーのボトル)」などです。
3. シングルグレーン・アイリッシュウイスキー
グレーンウイスキーは、主にブレンデッドウイスキーのベースとして使われることが多い、軽やかな味わいのウイスキーです。
ポイント
- 原料:
トウモロコシや小麦など、大麦麦芽以外の穀物を主原料とします(ただし、糖化のために大麦麦芽も使用します)。 - 蒸留:
主に連続式蒸留器(コラムスチル)で製造されます。これにより、ライトでクリーンな酒質になります。 - 蒸留所:
「単一の(Single)」蒸留所で造られたもの[1]を指します。
「バスカー(赤のボトル)」や「イーガンズ ヴィンテージグレーン」などがこのカテゴリにあたります。
4. ブレンデッド・アイリッシュウイスキー
市場で最も一般的に見かけるのが、このブレンデッドタイプです。
ポイント
- 定義:
上記の「シングルモルト」「シングルポットスチル」「シングルグレーン」のうち、2種類以上をブレンド(ヴァッティング)したものです。
例えば、「シングルモルト」の華やかさと「シングルグレーン」の軽やかさを組み合わせることで、バランスの取れた飲みやすい味わいを生み出します。
「ジェムソン」や「バスカー(緑のボトル)」、「タラモアデュー」などが、このカテゴリの代表的な銘柄です。
4種類に共通する「アイリッシュGI」の基本ルール
どの種類であっても、以下の厳格なルールを守らなければ「アイリッシュウイスキー」とは名乗れません。
- アイルランド島内(アイルランド共和国または北アイルランド)で、醸造、蒸留、熟成のすべての工程が行われること。
- 穀物を原料とすること。
- 最低3年間、容量700リットル以下の木製の樽で熟成させること。
伝統のシングルポットスチルとは

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4種類の中でも、特にアイリッシュウイスキーの魂とも言えるのが「シングルポットスチル」です。
これは、スコッチウイスキーにもバーボンにもない、アイルランドだけでしか造られていない、本当にユニークで伝統的なスタイルなんです。
このスタイルを決定づけているのが、その独特な原料にあります。
前のセクションで定義に触れましたが、最大の特徴は「大麦麦芽(モルト)」だけでなく、「未発芽の大麦(アンモルテッド・バーレイ)」を大量に使うことです。
法律(テクニカルファイル)では、マッシュ(糖化槽に入れる原料)のうち、「大麦麦芽30%以上」と「未発芽の大麦30%以上」を必ず含まなければならない、と厳密に定められています。
この「未発芽の大麦」を(法律では任意でオーツ麦やライ麦なども5%まで加えられます)使うことで、モルト100%のウイスキー(シングルモルト)とは全く異なる、独特の風味が生まれます。
それが、よく表現されるクリーミーな口当たり、オイリーな舌触り、そして穀物由来の豊かなスパイシーな風味です。
シングルモルトが「華やかでフルーティー」なら、シングルポットスチルは「リッチでスパイシー、オイリー」といった個性があるかなと思います。
なぜ「未発芽の大麦」を使うの?
なぜわざわざそんな独特なことをするのかというと、これには有名な歴史的背景があります。
昔、1785年に麦芽(モルト)だけにかけられる税金(麦芽税)が導入された時代がありました。
そこでアイルランドの蒸留所は、税金のかからない「未発芽の大麦」を原料にたくさん混ぜることで、税金対策をした、というわけです。
ただ、研究によると、実はこの税金が導入される前から、アイルランドの造り手たちは「未発芽大麦を混ぜるとウイスキーに複雑さと良い口当たりが生まれる」ことを経験的に知っていた、とも言われています。
つまり、税金対策がきっかけでこの製法が広まったものの、結果としてそれがアイリッシュウイスキー独自の美味しいスタイルとして確立していったんですね。
3回蒸留との深い関係
ただ、この「未発芽の大麦」を使う製法は、実はとても難しいんです。
未発芽の大麦は糖化の効率が悪く、仕込みが難しく、雑味も出やすいとされています。
そのため、この雑味を取り除いてクリアな酒質にするために、アイリッシュウイスキーのもう一つの特徴である「3回蒸留」の技術が発展していった、とも言われています。
まさに「シングルポットスチル」と「3回蒸留」は、アイリッシュウイスキーの歴史の中で切っても切れない関係なんですね。
シングルポットスチルのおすすめ代表銘柄
この伝統的なスタイルを今に伝える代表的な銘柄が「スポット(Spot)」シリーズや「レッドブレスト(Redbreast)」です。
- レッドブレスト (Redbreast):
「シングルポットスチルの王道」とも呼ばれる銘柄。
シェリー樽熟成によるリッチな味わいが特徴です。 - グリーン・スポット (Green Spot):
レッドブレストと同じ蒸留所(新ミドルトン蒸留所)で造られる銘柄。青リンゴのようなフルーティーさも感じられます。 - バスカー(グレーのボトル)(Busker Single Pot Still):
最近人気のバスカーにも、この伝統的なスタイルがあります。
伝統製法を新しい蒸留所が造っているのが面白いですね。
まさにアイリッシュウイスキーの個性をど真ん中で楽しみたい方には、ぜひ一度試してみてほしい種類ですね。
人気のシングルモルト銘柄

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「シングルモルト」は、スコッチでもお馴染みのカテゴリですが、アイリッシュのシングルモルトも非常に魅力的です。
法律上の定義はスコッチとほぼ同じで、原料は「大麦麦芽100%」で、単一の蒸留所で造られたものを指します。
ただ、アイリッシュの場合は、主流であるノンピート麦芽の使用と3回蒸留の伝統から[4][1]、スコッチのシングルモルトとはまた違った個性を持っています。
モルト本来の甘みやフルーティーさが素直に感じられる、クリーンでスムースな味わいのものが多いのが特徴ですね。
もちろん、蒸留所ごとに個性は様々です。
代表的な銘柄や、近年注目の銘柄をいくつか紹介しますね。
ブッシュミルズ (Bushmills)
1608年創業とも言われる、世界で最も古い蒸留所の一つとして有名です[4][1]。
伝統的な3回蒸留を守り、原料には100%アイルランド産のノンピート麦芽を使用しています[4][1]。(日本ではアサヒビールさんが扱っていますね[1, 2, 3, 4]。)
スタンダードなブレンデッド(オリジナル[4][1]やブラックブッシュ[4][1])も人気ですが、シングルモルトのラインナップが非常に充実しているのがこの蒸留所の特徴です。
ブッシュミルズ 10年
バーボン樽とシェリー樽で10年以上熟成[4][1]。
ハチミツやバニラ、ミルクチョコレートのような甘い香りが特徴の、定番シングルモルトです[4][1]。
ブッシュミルズ 16年
バーボン樽とシェリー樽で熟成させた原酒をヴァッティング(ブレンド)した後、さらにポートワイン樽で追加熟成(フィニッシュ)を行っています[4][12]。
ダークチョコレートやローストナッツを思わせる濃厚な味わいに、ポートワイン樽由来のベリー系の甘さが加わります[4]。
ブッシュミルズ 21年
バーボン樽とシェリー樽で19年間熟成させた後、さらにマディラワイン樽で2年間後熟させた、非常に贅沢な一本[4]。
豊かでスイートな味わいが特徴の高級ボトルです[4]。
カネマラ (Connemara)
アイリッシュウイスキーの中では非常に珍しい、ピート(泥炭)を使ったスモーキーなシングルモルトがこの「カネマラ」です[12][13][1][14][15]。
(日本ではサントリーさんが扱っていますね[12][13][1][15]。)
アイリッシュの主流(3回蒸留・ノンピート)とは全く異なり、あえてスコッチウイスキーと同じ2回蒸留を採用し、麦芽乾燥にピートを焚いています[12][13][1]。
ピートの強さを示すフェノール値は約14ppm[12]とされており、スコッチのアイラモルトの強烈なもの(例えばラフロイグが約40-45ppm、アードベッグが約50-55ppm)に比べると、数値上はミディアムレベルです。
ですが、アイリッシュの中では際立った個性で、スモーキーさの中にアイリッシュらしいフルーティーさや蜂蜜のような甘みも感じられる[12][13][1]、面白いバランスの一本です。
バスカー (The Busker) シングルモルト
最近人気のバスカーにもシングルモルトがあります(青いボトルのものです)。
2016年創業の新しい蒸留所「ロイヤルオーク蒸溜所」で造られています。
バーボン樽とシェリー樽で熟成させた原酒を使っていて、味わいは洋梨やリンゴのようなフルーティーさと、リッチなチョコレートのような風味が特徴とされています。
アルコール度数が44.3%と、他の定番品(40%)より少し高めなのもポイントですね。
ティーリング (Teeling)
2015年にダブリン市内に復活した、今とても勢いのある蒸留所です[5]。
ティーリングのシングルモルトは、シェリー、ポート、マデイラ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、様々なワイン樽で追加熟成(フィニッシュ)させているのが最大の特徴です。
その革新的な試みは世界的に評価されており、2019年には「ティーリング 24年」がワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞しました[7]。
これはアイリッシュウイスキーとして初の快挙だそうで、注目度の高さがうかがえますね。
日本向けに麦焼酎の樽でフィニッシュしたユニークな限定ボトル[6, 7, 8, 9, 10]をリリースしたこともあり、話題に事欠かないブランドです。
他にも注目のシングルモルトが続々
アイルランドでは新しい蒸留所が次々と誕生しており、個性的なシングルモルトが増えています。
- ディングル (Dingle)[12]:
アイルランド南西部のクラフト蒸留所。
フルーティーで骨太な味わいのシングルモルトが評価されています[11]。 - グレンダロッホ (Glendalough)[16]:
日本のミズナラ樽でフィニッシュした「グレンダロッホ 7年 ミズナラカスク」[16]など、ユニークな樽使いで知られています。
シングルモルト選びのヒント
同じシングルモルトでも、これだけ個性があります。
- ✅ 伝統的でスムースな王道を試したいなら「ブッシュミルズ 10年」[4][1]
- ✅ アイリッシュでもスモーキーさを体験したいなら「カネマラ」[12][13][1]
- ✅ 新しい世代の革新的な樽使いを試したいなら「ティーリング」
といった選び方も面白いかもしれませんね。
ウイスキーはアルコール度数が高いお酒ですので、ストレートやロックだけでなく、ハイボールや水割りなど、ご自身のペースでゆっくりと楽しんでくださいね。
注意ポイント
飲酒に関する注意点
この記事で紹介するお酒に関する情報は、あくまで一般的な知識の提供を目的としています。
飲酒は20歳を過ぎてから。適量を守り、健康に配慮してお楽しみください。
価格は購入時期や店舗によって変動する可能性があるため、目安としてご覧ください。
価格帯別アイ リッシュ ウイスキー おすすめ銘柄

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さて、アイリッシュウイスキーの基本がわかったところで、いよいよ具体的な銘柄を見ていきましょう。
ここでは、手に取りやすい「安い」価格帯の定番から、特別な日に試してみたい「高級」なもの、そして今話題の「バスカー」まで、価格帯や注目度別に紹介していきます。
あわせて、おすすめの飲み方も解説しますね。
安い価格で試せる定番品

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まずは「アイリッシュウイスキーを試してみたい」「毎日のハイボール用に常備したい」という方にピッタリな、比較的「安い」価格帯で手に入る定番の銘柄を紹介します。
安いといっても、その品質は確かで、アイリッシュウイスキー特有のスムースな魅力を十分に感じられるものばかりですよ。
大体2,000円前後から3,000円以内で見かけることが多いかなと思います。
ジェムソン スタンダード (Jameson Standard)
ジェムソン スタンダード アイリッシュウイスキー
世界で一番売れているアイリッシュウイスキーといえば、やはり「ジェムソン」ですね。
バーなどで緑色のボトルを見たことがある方も多いんじゃないでしょうか。
1780年の創業から続くブランドで、アイリッシュの伝統である3回蒸留とノンピートによる、非常にスムースでまろやかな口当たりが最大の特徴です。
香りはほのかにフルーティーで、味わいにはバニラのような甘み、ナッツのようなコク、そしてシェリー樽由来の風味がバランスよく感じられます。
クセが本当に少ないので、ウイスキー初心者の方にも飲みやすい一本かなと思います。
価格も2,000円前後(700ml)で見かけることが多く[1]、コストパフォーマンスも抜群です。
ブッシュミルズ オリジナル (Bushmills Original)
ブッシュミルズ オリジナル アイリッシュウイスキー 700ml 40度
1608年創業とも言われる、「世界最古の蒸留所」のライセンスを持つ「ブッシュミルズ」[1][2]。
そのスタンダードボトルがこちらです。
アイリッシュ伝統の3回蒸留したモルト原酒と、軽やかなグレーン原酒をブレンドしています[1][2]。
ちなみに日本ではアサヒビールさんが正規代理店として扱っていますね[1, 2]。
味わいは軽やかでフルーティー。
ハチミツやバニラ、キャラメルのような甘い香りが優しく広がります[1][2]。
ジェムソンと並ぶ定番ですが、個人的にはブッシュミルズの方がよりフルーティーさやモルトの風味を感じやすいかなと思います。
こちらも2,000円台前半で見かけることが多い、安い価格帯の代表格ですね。
タラモアデュー (Tullamore D.E.W.)
タラモアデュー アイリッシュウィスキー 700ml
ジェムソン、ブッシュミルズに並ぶ、世界的に人気の高い定番銘柄です。
タラモアデューの面白いところは、一般的なブレンデッド(モルト+グレーン)と違い、モルト、グレーン、そしてアイリッシュ伝統のシングルポットスチルの3種類の原酒をブレンドしている点です。
これにより、アイリッシュのスムースさに加えて、ポットスチル由来のオイリーさや麦の豊かな風味、香ばしさも感じられます。
フルーティーさと香ばしさのバランスが良い一本ですね。価格は2,000円台前半から中盤くらいが目安です。
他にもある!2,000円台の定番アイリッシュ
上記の3つが特に有名ですが、他にもこの価格帯で手に入る定番品がありますよ。
バスカー(緑)
次のセクションで詳しく紹介しますが、マルサラワイン樽由来のトロピカルな甘みが特徴で、今大人気のボトルです。
キルベガン (Kilbeggan)
キルベガン 700ml 40度
1757年創業とも言われるアイルランド最古の蒸溜所の銘柄です。
クリーンでスムース、飲みやすくライトな風味が特徴で、価格も2,000円前後です。
パディ (Paddy)
パディ【700ml/40%】
こちらも伝統的なアイリッシュ銘柄で、非常にライトで飲みやすいとされています。
価格も1,000円台後半から手に入ることがあります。
一度は試したい高級ライン

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定番のアイリッシュでそのスムースな魅力に触れたら、次はぜひ「高級」ラインのボトルも試してみてほしいなと思います。
アイリッシュウイスキーの「高級」ラインは、単に値段が高いだけじゃなくて、長期熟成による複雑さや、ユニークな樽での追加熟成(フィニッシュ)、そして「シングルポットスチル」のような伝統製法を突き詰めた、まさに「ご褒美」にふさわしい深い味わいが魅力です。
価格帯としては6,000円台から、中には数万円するものまで様々ですが、それだけの価値がある体験ができるかなと思います。
レッドブレスト 12年 (Redbreast 12 Year Old)
レッドブレスト 12年 40度 正規 箱付 700ml
アイルランド伝統の「シングルポットスチル」の魅力を存分に味わいたいなら、「レッドブレスト」は絶対に外せない銘柄だと思います。
ジェムソンなども造られるアイルランド最大の「新ミドルトン蒸留所」で造られる、まさにシングルポットスチルの代表格ですね。
バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で12年以上熟成された原酒が使われていて、未発芽大麦由来のクリーミーな口当たりと、ポットスチルらしいスパイシーさ、そこにシェリー樽由来のドライフルーツやナッツのような豊かな甘みが複雑に絡み合います。
その品質は世界的に認められていて、国際的なコンペティションの常連です。
例えば、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)2024では「ベスト・ピュアポットスチル・アイリッシュウイスキー」を受賞[1]。
さらにワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2025でも「レッドブレスト 27年」が「ワールド・ベスト・ポットスティル」に選ばれる[2]など、専門家からの評価も折り紙付きです。
カスクストレングスという選択肢も
「レッドブレスト 12年」には、加水調整をしていない「カスクストレングス」バージョンもあります。
アルコール度数は58%前後と非常に高いですが、その分、凝縮されたリッチな味わいを楽しめるので、ウイスキーに慣れている方にはこちらもおすすめです。
価格は12年もので6,000円〜8,000円程度と、定番品からは一歩ステップアップしますが、アイリッシュウイスキーの真髄を知るには最適の一本だと思います。
ブッシュミルズ シングルモルト 16年 (Bushmills Single Malt 16 Year)
ブッシュミルズ シングルモルト 16年 瓶(700ml)
定番のブッシュミルズの上位ラインにあたる、シングルモルトの16年熟成品です。
このボトルの最大の特徴は、3種類の樽を使い分ける複雑な熟成方法にあります。
アサヒビールの公式サイトによると、まずオロロソ・シェリー樽とバーボン樽でそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティング(ブレンド)します。
その後、さらにポートワイン樽で6〜9ヶ月間追加熟成(フィニッシュ)を行っているんです[3]。
この3段階の熟成によって、ブッシュミルズらしいスムースさに加え、シェリー樽のナッティさ、バーボン樽のバニラ感、そしてポートワイン樽由来のベリー系の甘いスパイス感や、ダークチョコレート、ローストナッツを思わせる濃厚でリッチな味わいが生まれます。
価格は1万円を超える高級品ですが、ブッシュミルズの長期熟成シングルモルトの実力を知るにはふさわしい、特別な日の一本ですね。
他にも注目の高級アイリッシュ
この2銘柄以外にも、素晴らしい高級アイリッシュウイスキーはたくさんあります。
ジェムソン 18年 (Jameson 18 Year)
ジェムソン 18年 アイリッシュウイスキー
定番のジェムソンの高級ブレンデッドウイスキーです。
長期熟成原酒ならではの、非常にまろやかで奥深い味わいが楽しめます。
ティーリング (Teeling) 長期熟成品
ティーリング シングル モルト 700ml 46%
革新的な樽使いで評価の高いティーリング蒸留所は、高級ラインも強力です。
「ティーリング 24年」は、2019年のワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞し、アイリッシュウイスキーの品質の高さを世界に示しました。
ミドルトン (Midleton) ベリーレア
ミドルトン ヴェリーレア 2024リリース 箱付き 並行品 40度 700ml
新ミドルトン蒸留所がリリースする、アイリッシュウイスキーの最高級ブランドの一つです。
「非常にまれ」という名前の通り、その年に蒸留所長が選んだ最高の原酒だけで造られる限定品です。
スポット(Spot)ウイスキー
ウイスキー イエロースポット 12年 700ml
レッド スポット 700ml 46% シングルポットスチル アイリッシュ ウイスキー
ブルー スポット 7年 カスクストレングス 58% 700ml
「グリーンスポット」や、その上位品である「イエロースポット」「レッドスポット」、「ブルースポット」も、通好みのシングルポットスチルとして有名です。
話題のバスカーをチェック

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ここ数年で一気に人気が出た、今一番「話題のウイスキー」と言ってもいいかもしれないのが「バスカー (The Busker)」ですね。
まさに新星という感じで、2020年にリリースされたばかりの比較的新しいブランドです。
バスカーは、2016年創業の「ロイヤルオーク蒸溜所」で造られています。
この蒸留所のすごいところは、アイリッシュウイスキーの主要な3種類(シングルモルト、シングルポットスチル、シングルグレーン)をすべて、一つの蒸留所で生産できる設備を持っていることです。
その強みを活かしたのが、バスカーのラインナップなんですね。
バスカーの秘密:「マルサラワイン樽」
バスカー(特にスタンダードな緑のボトル)の最大の特徴は、熟成にバーボン樽、シェリー樽に加えて、「マルサラワイン樽」というイタリアの酒精強化ワインの樽を使っている点です。
このマルサラワイン樽に由来する、トロピカルフルーツやプラムのような明るい甘い香りが前面に出ていて、味わいも非常にスムース。
まさにアイリッシュの「飲みやすさ」を、より華やかに、現代的に表現したような一本かなと思います。
公式のテイスティングノートにも「プラム、トロピカルフルーツ、バニラ、ハチミツ」といった言葉が並びます。
国内外で早くも高評価!
その味わいは専門家からも評価されていて、例えば日本の「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2023」では、「バスカー シングルモルト(青)」と「バスカー シングルポットスチル(灰)」が、見事金賞を受賞しています。
登場してすぐにこれだけの評価を受けるのは、すごいことですよね。
4つの種類で「アイリッシュ」を飲み比べ
バスカーは、その蒸留所の強みを活かして、主要4カテゴリすべてのボトルをリリースしています。
ボトルの色で種類が分けられているので、とても覚えやすいのが便利です。
| 色(愛称) | 種類 | 特徴 | 参考価格帯 |
|---|---|---|---|
| 緑 (Green) | ブレンデッド | 3種原酒・3種樽(マルサラ樽含む)。トロピカルな甘みが特徴。アルコール度数40%。 | 約2,000円台 |
| 青 (Blue) | シングルモルト | バーボン樽とシェリー樽で熟成。洋梨やリンゴ、リッチなチョコレートの風味。アルコール度数44.3%。 | 約3,000円台 |
| 赤 (Red) | シングルグレーン | バーボン樽とマルサラワイン樽で熟成。キャラメルやバニラの甘み。アルコール度数44.3%。 | 約3,000円台 |
| 灰 (Gray) | シングルポットスチル | 伝統製法。バーボン樽とシェリー樽で熟成。ハーブ、ビスケット、スパイシーで温かみのある味わい。アルコール度数44.3%。 | 約3,000円台 |
特にスタンダードな緑のボトルは、その飲みやすさと2,000円台という価格の安さから、ハイボール入門にもピッタリだと思います。
基本の飲み方とハイボール

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アイリッシュウイスキーは、そのスムースでまろやかな特性から、どんな飲み方にも合うのが嬉しいポイントです。
ウイスキーに飲み慣れていない方がハイボールで楽しむのはもちろん、高級なボトルをストレートでじっくり味わうのにも最適。
カクテルのベースとしても本当に優秀ですよ。
ここでは、代表的な飲み方と、その飲み方がどんな銘柄におすすめなのかを、もう少し詳しく解説しますね。
ストレート (ニート):本来の味を愉しむ
まずは「ストレート(ニート)」。
常温のウイスキーを何も加えず、そのままグラスに注ぐ飲み方です。
ウイスキーが持つ本来の香りや味わい、余韻まで、その全てをダイレクトに感じられます。
アイリッシュウイスキーの場合、3回蒸留による滑らかさや、ノンピート麦芽由来のフルーティーな香り、ポットスチルウイスキーならそのクリーミーな口当たりとスパイシーさを一番感じられる飲み方ですね。
「レッドブレスト 12年」のような高級なシングルポットスチルや、「ブッシュミルズ 16年」[1]のような長期熟成シングルモルトは、ぜひこの飲み方で試してほしいなと思います。
香りが立ちやすい、口のすぼまったテイスティンググラスで飲むのが特におすすめです。
注意ポイント
チェイサー(追い水)を忘れずに
ストレートで飲む際は、お水(チェイサー)を横に用意しておきましょう。
ウイスキーとチェイサーを交互に飲むことで、口の中がリフレッシュされ、次の一口の味わいがまた新鮮に感じられます。
ウイスキーと同じ、常温のお水がおすすめですよ。
トワイスアップ&水割り:香りを「開かせる」
「ストレートはアルコールがちょっときついな」と感じる方や、「香りをより楽しみたい」という方におすすめなのが、水で割る飲み方です。
トワイスアップ
ウイスキーと常温の水を「1:1」で割る飲み方です。
テイスティングの際にも使われる方法で、アルコールの刺激が和らぐと同時に、水が加わることでウイスキーに眠っていた華やかな香りが「開く」と言われています。
水割り
氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、水で割る、日本でお馴染みのスタイルですね。
冷やすことで口当たりがさらにまろやかになりますが、冷やしすぎると香りが閉じこもってしまうこともあるので、バランスが大切です。
オン・ザ・ロック:ゆっくりと変化を味わう
大きめの氷を入れたグラスにウイスキーを注ぐ「オン・ザ・ロック」。
最初はストレートに近い味わいですが、氷がゆっくりと溶けるにつれてアルコール度数が下がり、味わいがまろやかに変化していくのが楽しみの一つです。
冷やすことで香りは少し感じにくくなりますが、その分、口当たりは非常に滑らかになります。
「ハーフロック」といって、ロックの状態からさらに水を(ウイスキーと同量程度)加える飲み方もあります。
ロックよりもさらに口当たりが柔らかくなり、飲みやすくなりますよ。
ハイボール(ソーダ割り):最高の相性
アイリッシュウイスキーの飲み方として、私が特におすすめしたいのが「ハイボール」です。
その理由は、やはりアイリッシュの「スムースさ」と「ノンピート」という特徴にあります。
クセが少なく軽やかなので、炭酸の爽快感とケンカせず、ウイスキーの持つフルーティーな甘みや香ばしさをスッキリと引き立ててくれるんです。
特に「ジェムソン スタンダード」や「バスカー(緑)」、「ブッシュミルズ オリジナル」といった定番のブレンデッドウイスキーは、ハイボールにすることでその魅力がさらに引き立ちます。
スムースでクセがないので、食事にも合わせやすい万能な食中酒になりますよ。
おすすめアレンジ:ジェムソン・ジンジャー&ライム
ジェムソンの公式サイトでもおすすめされている「シグネチャーサーブ(代表的な飲み方)」です。
作り方は簡単で、ハイボールのソーダ(炭酸水)の代わりにジンジャーエールで割り、仕上げにカットライムを搾るだけ。
ウイスキーのスパイシーさとジンジャーエールの甘み、ライムの爽やかさが絶妙にマッチして、本当に飲みやすいカクテルになります。
ぜひ試してみてください。
(出典:ジェムソン公式サイト「ウイスキーの飲み方」)
基本的な作り方は、おいしいハイボールの作り方で紹介している手順と同じで大丈夫です。
アイリッシュコーヒーの作り方

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ウイスキーを使ったカクテルの中でも、アイルランド発祥の「アイリッシュコーヒー」は特別な存在ですよね。
寒い日に飲むと、心も体も芯から温まる、甘くて美味しいホットカクテルです。
食後のデザート代わりにもぴったりですよ。
このカクテルには素敵な誕生秘話があるんです。
一説には、1940年代にアイルランドのシャノン空港のシェフだったジョー・シェリダン氏が、悪天候で冷え切った乗客たちのために、体を温めようとコーヒーにアイリッシュウイスキーを垂らして出したのが始まりと言われています。
その美味しさに乗客が「これはブラジリアンコーヒー?」と尋ねたところ、シェリダン氏が「No, this is Irish Coffee!(いいえ、これがアイリッシュコーヒーです)」と答えたんだとか。ロマンがありますよね。
そんな伝統的なカクテルの、基本的な作り方と美味しく仕上げるポイントを詳しく紹介します。
基本的な材料とポイント
材料はとてもシンプルですが、それぞれにちょっとしたこだわりを持つと、味が格段に変わってきます。
アイリッシュウイスキー(約30ml / 1オンス)
主役はもちろんアイリッシュウイスキーです。
「ジェムソン」や「ブッシュミルズ」のような、スムースでクセのない定番品がおすすめです。
アイリッシュの特徴である3回蒸留とノンピート(ピートを焚かない)製法が、コーヒーの風味とケンカせず、お互いの良さを引き立ててくれます。
コーヒー(約150ml〜180ml)
ウイスキーやクリームに負けないよう、しっかりとしたコクのある深煎りのコーヒーがおすすめです。
ただし、苦味が強すぎるとウイスキーの繊細な甘みや香りを隠してしまうので、「優しい味わいの深煎り」、例えばフレンチローストやシティローストあたりが良いバランスかなと思います。
浅煎りの酸味が強い豆は、ウイスキーと合わせると酸味が際立ちすぎてしまうことがあるので、避けたほうが無難かもしれません。
砂糖(ティースプーン1〜2杯)
コーヒーの苦味とウイスキーのアルコール感をまとめる、重要な役割です。
白い上白糖よりも、コクのある「きび砂糖」や「ブラウンシュガー」を使うのが断然おすすめです。
ウイスキーやコーヒーとの一体感が格段に増しますよ。
生クリーム(30g〜40g程度)
このカクテルの「フタ」になる部分です。ポイントは「泡立てすぎないこと」。
ツノが立つようなホイップクリームではなく、スプーンですくうとトロリと落ちる程度(6〜7分立てくらい)にしておくと、うまくコーヒーの上に浮かべることができます。
基本的なレシピ(手順)
作り方も難しくありません。
ポイントは「グラスを温めること」と「クリームをきれいに浮かべること」です。
- グラスを予熱する
まず、耐熱グラスにお湯を注ぎ、グラス全体をしっかりと温めておきます。
せっかくのホットカクテルなので、冷めないようにするための大事な下準備です。 - 砂糖とウイスキーを入れる
グラスのお湯を捨てたら、まず砂糖(ティースプーン1〜2杯)を入れます。
そこにアイリッシュウイスキー(約30ml)を注ぎます。 - コーヒーを注いで混ぜる
上から熱いコーヒー(約180ml程度)を注ぎ、この段階で砂糖が完全に溶けるまでスプーンで軽く混ぜます。
クリームを浮かべるスペース(1〜2cmほど)を残しておきましょう。 - クリームをそっと浮かべる
ここが一番のポイントです。
スプーンの背をコーヒーの液面ギリギリに当て、そこに軽く泡立てた生クリームをそっと伝わらせるように注ぎます。
こうすることで、コーヒーと混ざらずに、きれいな二層のフロートスタイルが完成します。
アイリッシュコーヒーの正しい飲み方
ポイントは、絶対に混ぜずに飲むこと。
グラスに口をつけて、冷たくて甘いクリームの層を突き破って、その下にある熱くてウイスキーが香るコーヒーを一緒に味わうのが、アイリッシュコーヒーの醍醐味です。
この「冷たい」と「熱い」、「甘い」と「ほろ苦い」のコントラストがたまりません。
ちょっとしたアレンジ
そのままでも最高ですが、お好みで仕上げにトッピングするのも楽しいですよ。
- シナモンパウダーやナツメグを軽く振る
- 削ったチョコレートを乗せる
- (上級者向け)ウイスキーをフランベする:耐熱のおたまなどでウイスキーを軽く温めて火をつけ、アルコールを飛ばしてから加えると、香ばしさが一層引き立ちます。
(※火の取り扱いには本当に十分注意してください!)
総括:アイ リッシュ ウイスキー おすすめの探し方

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ここまで、アイリッシュウイスキーの基本的な特徴から、スコッチとの違い、4つの主要な種類(シングルモルトや伝統のシングルポットスチルなど)、そして「安い」定番品から「高級」ライン、話題の「バスカー」まで、具体的な銘柄と飲み方を詳しく見てきました。
たくさんの情報をお伝えしてきましたが、「アイ リッシュ ウイスキー おすすめ」の探し方として、私からの最後のヒントは、「今のあなたが、どんなスタート地点にいるかを決めること」かなと思います。
ウイスキーに何を求めているかによって、最初の一杯として最適なボトルは変わってきますからね。
あなたの「スタート地点」別・おすすめの入り口
- ✅ まずは気軽に試したい(特にハイボール)→ ジェムソンやバスカー(緑)のハイボールから。3回蒸留のスムースさとノンピートのクセのなさが炭酸と相性抜群で、アイリッシュの「飲みやすさ」を一番体感できると思います。
- ✅ アイルランドならではの伝統的な個性を知りたい→ レッドブレスト 12年(ポットスチル)をストレートで。これぞアイリッシュの魂、「シングルポットスチル」です。未発芽大麦由来のクリーミーな口当たりとスパイシーな風味は、他のウイスキーでは味わえない独特の世界です。
- ✅ 甘く華やかなシングルモルトが好き→ ブッシュミルズ シングルモルト 10年をロックで。アイリッシュのシングルモルトは、モルトの甘みやハチミツ、フルーティーさが素直に感じられるのが特徴。その王道として、まずはこの一本がおすすめです。
- ✅ いつもと違う刺激が欲しい(スモーキー好き)→ カネマラ(ピーテッド)を試してみる。アイリッシュでは珍しい「ピーテッド&2回蒸留」[1]という異色の存在。スモーキーさの中に、アイリッシュらしい蜂蜜のような甘みが隠れていて、そのギャップが面白いですよ。
- ✅ お酒とデザートを一緒に楽しみたい→ アイリッシュコーヒーを作ってみる。寒い日にぴったりの、甘くて温かいカクテルです。ウイスキーの新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。
アイリッシュウイスキーは、そのスムースで優しい味わいから、ウイスキーの世界への素晴らしい「入り口」になってくれるのは間違いありません。
ですが、それだけじゃなく、「知れば知るほど奥深い」のが、今のアイリッシュウイスキーの最大の魅力だと私は思います。
「レッドブレスト」のような伝統的でリッチなウイスキーもあれば、「ティーリング」や「バスカー」のような新しい蒸留所が、マルサラ樽や焼酎樽[2]まで使って、革新的なウイスキーを次々と生み出している。
まさに「第3の黄金時代」[3]を迎えている、今一番エキサイティングなウイスキーの一つなんです。
ぜひ、この記事を参考に、あなたにピッタリの「アイ リッシュ ウイスキー おすすめ」の一本を見つけて、その自由で奥深い魅力を楽しんでみてくださいね。
注意ポイント
飲酒に関する注意と免責事項
この記事で紹介したウイスキーやカクテルは、20歳以上の方の飲用を想定しています。
飲酒は適量を心がけ、ご自身の健康状態に配慮してください。
また、記載されている商品の価格は、購入時期や販売店によって変動する可能性があります。
あくまで参考情報としてご覧いただき、正確な価格は各販売サイトなどでご確認をお願いします。
【参考情報一覧】
- アイルランド政府農務省(GIテクニカルファイル): https://www.gov.ie/en/department-of-agriculture-food-and-the-marine/publications/geographical-indications-spirit-drinks/
- アイルランド食糧庁(Bord Bia): https://irishfood.jp/
- Irish Whiskey Association: https://www.ibec.ie/drinksireland/irish-whiskey
- ジェムソン 公式サイト: https://www.jamesonwhiskey.com/ja-jp/
- ブッシュミルズ(アサヒビール): https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/liquorworld/brand/bushmills/
- カネマラ(サントリー): https://www.suntory.co.jp/whisky/irish/connemara/
- World Whiskies Awards: https://www.worldwhiskiesawards.com/
- The Tasting Alliance (SFWSC): https://thetastingalliance.com/
- バスカー(Whisk-e): https://whisk-e.co.jp/products/buskerirish/
- アイリッシュウイスキーのおすすめ人気銘柄(inokazu): https://inokazu.com/recommended-irish-whiskey/
- [1]:https://ec.europa.eu/geographical-indications-register/eambrosia-public-api/api/v1/attachments/55944
- [2]:http://www.marketaccess.agriculture.gov.ie/media/marketaccess/content/Irish%20Whiskey%20Technical%20File.pdf
- [3]:https://www.gov.ie/en/department-of-agriculture-food-and-the-marine/publications/geographical-indications-spirit-drinks/
- [4]:https://www.revenue.ie/en/tax-professionals/tdm/excise/gi-verification-irish-whiskey-and-irish-poteen/geographical-indication-for-irish-whiskey-and-irish-poteen-poitin.pdf
- [5]:https://www.revenue.ie/en/tax-professionals/tdm/excise/gi-verification-irish-whiskey-and-irish-poteen/geographical-indication-for-irish-whiskey-and-irish-poteen-poitin.pdf
- [6]:https://www.gov.ie/en/bord-bia-irish-food-board/
- [7]:https://www.irishfoodanddrink.com/about-us/
- [8]:https://foodirelanddirectory.com/directory/bord-bia-the-irish-food-board/
- [9]:https://www.ams.usda.gov/content/bord-bia-%E2%80%93-irish-food-board-process-verified-program
- [10]:https://irishfood.jp/
- [11]:https://www.ireland.ie/en/japan/tokyo/
- [12]:https://www.ireland.ie/en/japan/tokyo/about/embassy-information/
- [13]:https://www.dfa.ie/irish-embassy/japan/news-and-events/2018/tourism-ireland-website-japan/
- [14]:https://www.risvel.com/news/3282
- [15]:https://www.ireland.com/ja-jp/
- [16]:https://www.ibec.ie/drinksireland/irish-whiskey

