基本的な知識がわかったところで、いよいよ実践編ですね。基礎編で「アイリッシュウイスキーとは何か」がわかったら、次はもちろん「じゃあ、私にはどれが合ってるの?」という、一番知りたい疑問だと思います。
銘柄一覧を眺めても、カタカナばっかりで違いが分かりにくい…というのは、私も経験があるのでよくわかります。
ここでは、あなたの目的や好み、予算に合わせて、数ある銘柄の中から「これぞ!」という一本を見つけやすくなるように、私なりの視点でピックアップしてみました。
あなたの「次の一本」を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
記事のポイント
- アイリッシュウイスキーの基本的な特徴と魅力
- 知っておきたい4つの伝統的な種類
- 一番人気で有名な定番銘柄はどれか
- 珍しいスモーキータイプ(例外)の存在
アイリッシュウイスキーの銘柄一覧【基礎編】

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まずは基本の「き」ですね。
アイリッシュウイスキーが「どういうお酒」で、どんな「種類」があるのかを知っておくと、銘柄一覧を見たときに「あ、これはあのタイプだな」と分かるようになって、選ぶのがグッと楽になるかなと思います。
基礎を知ることで、自分好みの一本を見つける近道になりますよ。
スムースさが際立つ特徴

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アイリッシュウイスキーと聞くと、多くの人が「スムース(滑らか)で飲みやすい」というイメージを持っているかもしれません。
まさにその通りで、それが最大の特徴だと思います。
スコッチウイスキー、特にアイラモルトのような強烈なスモーキーさや、バーボンのようなガツンと来る樽の力強さとはまた違う、「軽やか」「クリーン」「雑味が少ない」といった表現がぴったりなんですね。
この独特のスムースさは、ウイスキーが持つアルコールの刺激や独特の香りが苦手だった方にも「これなら美味しい」と感じてもらいやすい 、いわば「ウイスキーの入り口」としての魅力に繋がっています。
では、なぜアイリッシュウイスキーはこんなにもスムースなのか?というと、スコッチウイスキーなど、他のウイスキーとの製造方法の違いが大きく関係しています。
主な理由は2つあると言われていますね。
① 伝統の「3回蒸留」
ウイスキーは「蒸留」という工程で、発酵させた液体(もろみ)を熱してアルコール分を抽出し、度数を高めていきます。
この蒸留工程、スコッチウイスキーの多くが伝統的に「2回蒸留」なのに対して、アイリッシュウイスキーは「3回蒸留」を行う銘柄が今も主流なんです 。
蒸留を繰り返すほど、アルコールはピュアになります。
技術的な話を少しすると、蒸留の過程で沸点の高い「フーゼル油」などの雑味成分や重たい香味成分が取り除かれていきます 。
スコッチが2回の蒸留でアルコール度数約70度 のスピリッツ(蒸留したての原酒)を取り出すのに対し、アイリッシュは3回の蒸留で約86度 と、より高純度のスピリッツを取り出すこともあります。
この1回多い蒸留が、アイリッシュウイスキー特有の雑味が少なくクリーンな酒質を生み出す大きな要因なんですね。
② 「ノンピート」が基本
ウイスキーのスモーキーな香り(ピート香)が苦手な方もいるかもですが、アイリッシュウイスキーは、その香りの元となるピート(泥炭)を原則として使いません。
ピート香は、原料の大麦麦芽(モルト)を乾燥させるときに、ピートを焚き込むことで麦芽に香りを移すのですが、アイリッシュウイスキーは、ピートを焚かずに熱風などでじっくり乾燥させる「ノンピート」が基本なんです 。
(ちなみにアイルランドではピートを「ターフ」とも呼ぶそうですよ 。)
この「ノンピート」のおかげで、スモーキーな香りに邪魔されることなく、原料である大麦や穀物(コーンなど)の優しい甘みや、熟成によって生まれるフルーティーな香りが、ダイレクトに引き立つのです。
アイルランドの「気候」もスムースさの秘密?
もう一つ、アイルランドの「気候」も、あのまろやかな味わいに影響していると言われています。
アイルランドは西岸海洋性気候で、一年を通して気温差が小さく、冷涼で湿度が高いのが特徴です 。この穏やかな気候が、樽の中で眠るウイスキーの熟成を「ゆっくりと、穏やかに」進めてくれるんですね 。
熟成が急激に進まないため、樽からの過度なタンニン(渋み)や木材のエキスが溶け出しすぎず、バランスの取れた「まろやかな(Mellow)」酒質 が育まれる、というわけです。
この「3回蒸留」と「ノンピート」という製造上の特徴、そして「穏やかな熟成環境」が組み合わさることが、アイリッシュウイスキー特有の軽やかでスムースな味わいを生み出しているんですね。
アイリッシュウイスキーの「定義」
ちなみに、アイリッシュウイスキーは「地理的表示(GI)」として、法律(アイルランド法やEU法)でも厳しく定義が決まっています。
これはシャンパンやカマンベールチーズと同じように、その土地のブランドとして法的に保護されている証拠ですね。
アイルランド政府が欧州委員会に提出した「テクニカルファイル」という公式文書に、その細かいルールが定められています。ざっくり言うと、
ポイント
- アイルランド島(アイルランド共和国、または北アイルランド)で製造(糖化・発酵・蒸留・熟成)されること。
- 穀物を原料とすること。
- 木製の樽(700リットル以下)で最低3年以上熟成させること 。
- 蒸留時のアルコール度数は94.8%未満であること。
…といったルールを守ったものだけが、「アイリッシュウイスキー」と名乗ることができます。
(出典:アイルランド農務食糧海洋省『Irish Whiskey Technical File』)
伝統的な4つの種類

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次に「種類」ですね。銘柄一覧のラベルによく書いてあるので、ここを知っておくと選びやすくなります。
アイリッシュウイスキーは、このテクニカルファイルによって、法律で主に4つの種類(カテゴリー)に分けられています。
① シングルポットスチル (Single Pot Still)
これが最もアイルランド「独自」の伝統的なスタイルで、アイリッシュウイスキーの魂とも言えるかもしれません 。
最大の特徴は、原料に「未発芽の大麦」と発芽させた大麦(モルト)の両方を使うこと 。
この未発芽の大麦が、他のウイスキー(モルト100%や穀物主体)にはない、オイリーでクリーミーな口当たりと、独特のスパイシーな風味を生み出すと言われています 。
この製法は、一説には昔の「麦芽税」から逃れるための知恵だったとも言われていますが、今ではアイルランド独自の個性として確立されていますね。
代表銘柄は「レッドブレスト」 や「グリーン・スポット」 です。
② シングルモルト (Single Malt)
これはスコッチでもお馴染みですね。
単一の蒸留所で、「発芽させた大麦(モルト)100%」を原料に、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留したものです。
ただし、アイリッシュの場合は3回蒸留が主流のため、スコッチのシングルモルト(多くは2回蒸留)と比べると、より軽やかでフルーティーな酒質に仕上がる傾向があるかなと思います 。
代表銘柄は「ブッシュミルズ 10年」 や「ティーリング シングルモルト」 ですね。
③ シングルグレーン (Single Grain)
これも単一の蒸留所で造られますが、原料はトウモロコシや小麦といった「穀物」がメインです 。
連続式蒸留器で造られることが多く、味わいは非常にクリーンで甘く、軽やかなのが特徴ですね。
最近では「ティーリング」が赤ワイン樽 で熟成させたり、「バスカー(青ラベル)」がマルサラワイン樽 を使ったりと、このカテゴリーで革新的な銘柄が増えていて注目されています。
④ ブレンデッド (Blended)
市場に流通しているアイリッシュウイスキーの大多数がこのタイプです 。
上記の「シングルポットスチル」「シングルモルト」「シングルグレーン」のうち、2種類以上をブレンド(ヴァッティング)して造られます 。
「ジェムソン」 や「タラモア・デュー」 、「バスカー(緑ラベル)」 など、有名な銘柄の多くがこれに分類されますね。
ブレンドすることで、飲みやすくバランスの取れた味わいを生み出しています。
アイリッシュウイスキー4大分類まとめ
| 種類 | 主な原料 | 蒸留器 | 特徴・代表銘柄 |
|---|---|---|---|
| シングルポットスチル | 大麦麦芽 + 未発芽大麦 | 単式蒸留器 | クリーミー、スパイシー。アイルランド独自。(レッドブレスト、グリーン・スポット) |
| シングルモルト | 大麦麦芽100% | 単式蒸留器 | フルーティーで軽やか。(ブッシュミルズ 10年、ティーリング シングルモルト) |
| シングルグレーン | トウモロコシ、小麦など | 連続式蒸留器 | クリーンで甘く軽やか。(バスカー シングルグレーン、ティーリング シングルグレーン) |
| ブレンデッド | 上記2種類以上を混合 | - | バランスが良くスムース。市場の主流。(ジェムソン、タラモア・デュー) |
一番人気で有名な定番銘柄

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「種類はわかったけど、結局どれから飲めば?」となりますよね。
もし迷ったら、まずは世界的に人気のある「定番銘柄」から試してみるのが一番早いかなと思います 。
多くの人に愛されているということは、それだけ「多くの人が美味しいと感じるバランス」を持っているということですからね。
それに、価格が手頃 で、どこでも比較的手に入りやすいのも「定番」の強みです。
ここでは、アイリッシュウイスキーを代表する「ビッグ3」とも言える銘柄をご紹介します。
ジェムソン (Jameson)
ジェムソン 40度 700ml
ジェムソンは、世界No.1の販売量を誇る、まさにアイリッシュウイスキーの代名詞です 。
世界のバーで見かけるアイリッシュウイスキーと言えば、まずこれですね。
ミドルトン蒸留所 で造られるジェムソンは、伝統の3回蒸留 とノンピート麦芽の使用 により、究極のスムースさを実現しています。
味わいは、青りんごのような爽やかさ や、ナッツ、バニラの甘み 、そしてほのかなシェリー樽由来の甘みが絶妙なバランスでまとまっています 。
このクセのない万能性こそが、世界中で愛される理由かなと思います。
ストレートやロックはもちろん、そのスムースな酒質はカクテルベースとしても抜群の安定感を誇ります 。
特にソーダで割った「ジェムソン・ハイボール」は本当におすすめです。
また、寒い日に飲む「アイリッシュコーヒー」 のベースとしても最適ですよ。
ジェムソン スタンダード
ジェムソン スタンダード 700ml
- 分類:ブレンデッドウイスキー
- 原料:大麦麦芽、未発芽大麦、トウモロコシ
- 主な香り:青りんご、ナッツ、バニラ、シェリー香
- (出典:ジェムソン公式サイト)
ハイボールの美味しい作り方に興味がある方は、「おいしいハイボールの作り方」の記事も参考にしてみてくださいね。
ブッシュミルズ (Bushmills)
ウイスキー ブッシュミルズ 40度 700ml
ブッシュミルズは、「世界最古の蒸留免許(1608年)」を持つと言われる、北アイルランドにある非常に歴史ある蒸留所です。
この歴史的な信頼感が「定番」たる所以の一つですね。
ブッシュミルズの特徴は、創業当時から続く「モルト(大麦麦芽)へのこだわり」 にあると思います。
スタンダードな「ブッシュミルズ オリジナル」というブレンデッドウイスキーでさえ、モルト原酒の比率が50%も使われているんです(一般的なブレンデッドでこの比率はかなり高いです)。
もちろん、3回蒸留 とノンピート麦芽 というアイリッシュの基本は守っているのでスムースなのですが、ジェムソンと比べると、この豊富なモルト原酒のおかげで、よりフルーティーで華やかな味わいをしっかり感じられるのが特徴ですね 。
スムースさの中に、はちみつやミルクチョコレートのような甘さも感じたい方には、ブッシュミルズがぴったりかもしれません。
タラモア・デュー (Tullamore D.E.W.)
タラモアデュー 40度 700ml
タラモア・デューは、ジェムソンに次ぐ世界的な人気を誇る銘柄です 。
アイルランドの空港などでも、ジェムソンと並んで大きく打ち出されていますね。
このウイスキーの面白いところは、そのユニークなブレンド構成です。
ジェムソンが主に「ポットスチル+グレーン」、ブッシュミルズが「モルト+グレーン」なのに対し、タラモア・デューは「モルト」「グレーン」「ポットスチル」の3種類すべてをブレンドしている点なんです 。
これにより、「グレーン」由来のスムースさ、「モルト」由来のフルーティーさに加えて、アイルランド独自の「ポットスチル」由来の穏やかなスパイシーさや、原料大麦の風味、クリーミーな口当たりが加わります 。
香ばしい麦芽やクッキーのような甘さ も感じられ、すっきりしつつもユニークな深みのある味わいを実現しています。
3つのタイプの良さを一度に楽しめる、バランスの良い1本だと思います。
例外のスモーキーな銘柄

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さきほど「アイリッシュはノンピート(スモーキーじゃない)が基本」とお伝えしましたよね 。
私もウイスキーにハマりたての頃は「アイリッシュ=スムース、スコッチ(特にアイラ)=スモーキー」と覚えていました。
でも、もちろん例外もあります。
「アイリッシュのスムースさも気になるけど、やっぱりあの燻製のようなスモーキーな香りが好きなんだよな…」という方もいるかもしれません。
ご安心ください。
スコッチのアイラモルトほど強烈ではありませんが、アイリッシュにもちゃんと「ピーテッド」タイプが存在するんです。
むしろ、アイリッシュらしいクリーンさの中でスモーキーさを表現しているので、独特の魅力があるんですね。
アイリッシュのスモーキータイプとして、特に有名な2つの銘柄をご紹介します。
カネマラ (Connemara)
カネマラ アイリッシュウイスキー 40度 700ml
カネマラは、長い間「アイリッシュウイスキーで唯一のスモーキータイプ」 として、その地位を確立してきた銘柄です。
まさに例外中の例外でした。
これはアイルランドの「クーリー蒸留所」 で造られる、ピートを焚き込んだ麦芽を使用した「ピーテッド・シングルモルト」です 。
面白いのは、アイルランドのピート(ターフ) ではなく、スコットランド産のピートを使っている こと。
ただ、スコッチのアイラモルト(例えばラフロイグ やアードベッグ )のように薬品っぽさやスモーキーさが強烈!というわけではありません。
ピートの強さを示す「フェノール値」というのがありますが、カネマラは14ppm程度と、比較的穏やかなんです 。
(アイラモルトは40〜50ppmを超えるものも多いです)
そのため、味わいはアイリッシュらしいフルーティーさやクリーンさ、黄色いフルーツキャンディのような甘さ が中心にあって、その周りを優しいスモーキーさがふんわりと包み込むイメージ。
日本では、サントリーの「白州」に似ている、と評されることもあるみたいです 。
スタンダードな「カネマラ オリジナル」は、4年、6年、8年熟成のモルト原酒をブレンド しており、若々しいピーティーさと熟成感がバランスよくまとまっています。
スモーキーウイスキーの入門編としても最適ですね 。
ティーリング ブラックピッツ (Teeling Blackpitts)
ティーリング ブラックピッツ ピーテッド シングルモルト バーボン&ソーテルヌワイン樽熟成 46度 700ml
カネマラが「伝統的な例外」だとしたら、こちらは「現代の革新的な例外」と言えるかもしれません。
近年、首都ダブリンに125年ぶりに新設された蒸留所 として、革新的なウイスキー造りで注目を集めている「ティーリング蒸留所」 も、ティーリング ブラックピッツというピーテッド・シングルモルトをリリースしています。
このウイスキーの最大の特徴は、「ピーテッド麦芽」を「3回蒸留」している点です。
スコッチのピーテッドモルトは通常2回蒸留ですが、ティーリングはアイリッシュの伝統である3回蒸留をあえてスモーキーな原酒にも適用しているんですね。
3回蒸留すると、より酒質はクリーンになります。
そのため、スモーキーさの中でも重たい成分が取り除かれ、「バーベキュースモーク」のような香ばしいアロマが際立つ、独特のクリーンなスモーキーさに仕上がっていると言われています。
カネマラの「優しい森のスモーク」 とはまた違った個性の、香ばしくもクリーンなスモーキーさ。
伝統的なアイリッシュのイメージを覆す、面白い1本だと思います。
(出典:Teeling Whiskey 公式サイト)
目的別アイリッシュウイスキー銘柄一覧【実践編】

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基本的な知識がわかったところで、いよいよ実践編ですね。
ここでは「じゃあ、私にはどれが合ってるの?」という、一番知りたい疑問に答えるために、目的や好みに合わせておすすめの銘柄をピックアップしてみました。
あなたの「次の一本」を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
初心者へのおすすめ銘柄

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ウイスキーをこれから楽しみたい、あるいは「ウイスキーってちょっとクセが強くて…」と昔に苦手意識を持ってしまった方にこそ、私はアイリッシュウイスキーを試してみてほしいなと思います。
ウイスキーの入門をためらう理由って、だいたい「アルコールのカッとする刺激」だったり、「正露丸みたいなスモーキーな香り」だったりしますよね。
その点、アイリッシュウイスキーは、まさに「入門に最適」な要素が揃っているんです。
何より、あの「スムースさ」と「軽やかさ」 が、ウイスキーの入り口として最適かなと思うんです。
基礎編でお話しした「3回蒸留」 によるクリーンな酒質と、「ノンピート」 が基本のスモーキーさ のない味わいは、アルコールの刺激が少なく、すんなり「美味しい」と感じてもらえる可能性がすごく高いんですね。
まずは、前半でもご紹介した「定番銘柄」のブレンデッドウイスキーから試してみるのが間違いないですね。
どれも2,000円前後で手に入りやすい のも、嬉しいポイントです。
ウイスキー入門に最適な3銘柄
「じゃあ、具体的にどれ?」となったら、まずはこの3本のどれかをハイボールで試してみてください。
ジェムソン スタンダード
まさに王道中の王道。3回蒸留のスムースさと、ナッツやバニラのようなほのかな甘さが魅力です。
その「クセのなさ」は、ソーダで割った「ジェムソン・ハイボール」で、その真価を発揮します 。
ウイスキーの「美味しい飲み方」を教えてくれる、教科書のような1本です。
ブッシュミルズ オリジナル
ジェムソンより、ややフルーティーで華やかな印象があるかも 。
スタンダードなボトルでもモルト原酒の比率が高め なので、ウイスキーらしい麦の風味や、はちみつのような甘さも優しく感じられます。
スムースだけど、少しだけフルーティーさが欲しいな、という方におすすめです。
タラモア・デュー
クリーンでなめらか、クッキーのような麦芽の甘さが特徴です 。
3種ブレンド のおかげで、スムースさの中にほのかなスパイシーさもあって、バランスがとても良いですね。
クセが本当にないので、食事中に飲むハイボールとしても合わせやすいかなと思います 。
ウイスキーの飲み方については、「おいしいハイボールの作り方」の記事でも紹介しているので、よかったら参考にしてみてくださいね。
安い、コスパ最強の銘柄

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「安いけど美味しいウイスキーが飲みたい!」というのは、もう、ウイスキー好きの永遠のテーマですよね。
私も常に探しています(笑)。
ウイスキーは価格=美味しさとは限らないのが面白いところで、特に毎日飲む「デイリーウイスキー」なら、「コストパフォーマンス」は最重要項目です。
ここでいう「コスパ最強」は、ただ「安い!」というだけじゃなくて、「その価格に対して、どれだけ満足度の高い味わいが楽しめるか」という視点で選んでみました。
実は、最近のアイリッシュウイスキーの面白いところで、スタンダードな定番銘柄 にほんの数百円プラスするだけで、「カスクフィニッシュ(樽での追加熟成)」という、普通ならもっと高いボトルで使われる「一手間」が加わった、個性豊かなボトルが楽しめるようになってきているんです。
これが本当にコスパが高いなと感じます。
今回は、そんな「2,000円~3,000円台で買える、個性派コスパ最強」な3本をピックアップしてみました。
3,000円以下で探す「コスパ最強」銘柄
この3本は、スタンダードな定番品とは一味違う「個性」をしっかり持っているのが魅力です。
ザ・バスカー (緑) トリプルカスク
バスカー 緑 700ml アイリッシュ ウイスキー 40度 S 箱なしトリプルカスク ブレンディッド
- 価格帯:約2,000円台
- 特徴:マルサラワイン樽フィニッシュ
2020年に登場 してから、一気に人気が爆発した「新星」ですね。これが2,000円台 で買えるのは、正直ちょっと驚きです。
人気の秘密は、熟成にバーボン樽、シェリー樽に加えて、「マルサラワイン樽」という甘口ワインの樽を使っていること 。
このマルサラ樽が、アイリッシュらしいスムースさの上に、トロピカルフルーツ やバニラ、ダークチョコレート のような、すごく「分かりやすく華やかな甘さ」を加えてくれています。
華やかな甘さが好きな方にはピッタリだと思います。
ジェムソン スタウト エディション
ジェムソン スタウト エディション 40度 750ml
- 価格帯:約2,000円台
- 特徴:クラフトビール(スタウト)樽フィニッシュ
「王道のジェムソン は飲んだことある」という方にも、ぜひ試してみてほしいのがコレです。
ジェムソンの蒸留所が、地元のクラフトビール(スタウト=黒ビール)醸造所に樽を貸して、その樽を返してもらってウイスキーをフィニッシュさせています 。
スタンダードのスムースさに、スタウト樽由来の「コーヒー牛乳」や「ビターチョコレート」のような香ばしいコクがはっきりと加わっています 。
ハイボールにしても、この香ばしさがしっかり残って美味しいんですよ。
ブッシュミルズ ブラックブッシュ
ブッシュミルズ ブラックブッシュ 40度 700ml
- 価格帯:約2,000円台
- 特徴:シェリー樽熟成モルト高比率
これは「カスクフィニッシュ」とは少し違いますが、2,000円台 の「隠れた名作」だと私は思っています。
ブッシュミルズのラインナップの中でも、特に評価が高い1本ですね 。
最大の特徴は、ブレンデッドウイスキーでありながら、オロロソ・シェリー樽で熟成させたモルト原酒の比率が80%以上(!)と非常に高いこと(出典:アサヒビール公式サイト)。
残りの20%がグレーンウイスキーです。
なので、味わいはほとんどシェリー系モルトウイスキーのようで、この価格帯とは思えないリッチな果実味とナッツのような香ばしさ、満足感が得られます。
ストレートやロックでゆっくり飲みたい方には、コスパ最強の選択肢になると思います。
ほかにも注目の銘柄
上記3つが個性的で特におすすめですが、ほかにも2,000円台で買える定番として「キルベガン 」や、ロックバンドの名を冠した「ザ・ポーグス 」なども人気がありますね。
キルベガン シングルグレーン 並行品 43度 700ml
ザ・ポーグス 40% 700ml
アイリッシュウイスキーは、この価格帯の層が本当に厚くて、選ぶのが楽しいです!
高級な銘柄とギフト選び

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ウイスキーの楽しみが深まってくると、いつものデイリーボトルから一歩進んで、特別な日のための一本や、大切な人へのギフト として「高級な」アイリッシュウイスキーを選んでみたくなりますよね 。
ここで面白いのが、アイリッシュウイスキーの「高級」という概念です。
もちろん、スコッチウイスキーのように「30年熟成!」 といった超長期熟成 による価格の高さもありますが、アイリッシュウイスキーの「真価」や「高級さ」は、アイルランド独自の伝統製法「シングルポットスチル」にこだわった銘柄 にこそ、色濃く表れているように思います。
アイリッシュウイスキーは、もともとの酒質がスムースでクセが少ない ため、高級なボトルになっても飲み手を選ばず、好みが分かれにくい のが大きなメリットです。スモーキーさが強すぎるウイスキーを贈るのは少し勇気がいりますが、アイリッシュならその心配が少ないですね。
特別な日におすすめの高級銘柄
ここでは、アイリッシュウイスキーの「高級」を体験できる、2つのカテゴリーから代表的な銘柄をピックアップしてみました。
カテゴリー①:伝統の極致「シングルポットスチル」
アイリッシュウイスキーの魂とも言える製法 です。未発芽大麦 を使うことで生まれる、独特のクリーミーさ、オイリーさ、そしてスパイシーな複雑さ は、他のウイスキーでは味わえません。
レッドブレスト 12年
レッドブレスト 12年 700ml
「シングルポットスチルの決定版」として、世界的に最も称賛されている銘柄の一つです 。
シェリー樽熟成原酒 がもたらす豊かなフルーティーさと、未発芽大麦由来のクリーミーでスパイシーな味わい が本当に見事なバランスです。
価格は6,000円台 と、高級ウイスキーの入り口としても最適です。
さらに上位の15年 もあり、こちらはアルコール度数が46% になるなど、よりリッチな飲みごたえが楽しめます。
スポット・ウイスキー (グリーン/イエロー)
スポットウイスキー3種、ブルースポット58.4度、イエロースポット46度、レッドスポット46度700ml アイリッシュウイスキー
レッドブレストと同じく、ミドルトン蒸留所 で造られるポットスチルウイスキーです。
もともとはダブリンのワイン商「ミッチェル&サン社」 がボトリングしていた歴史があり、ウイスキー好きの方に贈ると「おっ」と思われる、通な選択かもしれません 。
定番の「グリーン・スポット」 に対し、「イエロー・スポット 12年」 は3種のワイン樽(マラガワイン樽など )を使った、よりリッチで複雑な上位品です。
カテゴリー②:華やかな「長期熟成シングルモルト」
もう一つの高級ラインが、長期熟成を経たシングルモルトです。
特にアイリッシュの場合、3回蒸留 のクリーンな酒質が、熟成樽の個性を美しく反映するのが特徴です。
ブッシュミルズ 16年 / 21年
ブッシュミルズ 16年 40% 700ml
ブッシュミルズ シングルモルト 21年 40% 700ml
世界最古の蒸留所 が誇る、シングルモルトの高級ラインです。
16年はバーボン樽とシェリー樽で熟成させた後、最後に「ポートワイン樽」で後熟(フィニッシュ)する「スリーウッド」 。凝縮された果実感や紅茶のようなニュアンスが楽しめます 。
そして最上級の21年は、バーボン樽とシェリー樽で19年以上熟成し、その後「マデイラワイン樽」で2年間フィニッシュ させたとてつもない逸品です。
価格は1万円〜3万円台 になりますが、まさに「特別なギフト」としての風格を備えています。
(出典:アサヒビール公式サイト(ブッシュミルズ 21年) )
ティーリング (各種)
ティーリング 37年 ヴィンテージ リザーブ コレクション シングルモルト 41.3度 700ml ■世界リリース175本の完全限定品
現代のアイリッシュ・ルネサンス を牽引するティーリング蒸留所も、高級なシングルモルト の宝庫です。
定番の「ティーリング シングルモルト」は、5種類ものワイン樽(シェリー、ポート、マデイラ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ホワイトバーガンディ)でフィニッシュ させた原酒をブレンドしており、非常に複雑。
他にも30年熟成のシェリーカスク など、コレクターズアイテムも多くリリースしています 。
世界的人気のジェムソン

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アイリッシュウイスキーの銘柄一覧を語るうえで、やはり「ジェムソン」 は外せませんよね。
もう、これは避けて通れない、まさにアイリッシュウイスキーの「顔」だと思います。
「一番人気のアイリッシュウイスキーは?」と聞かれれば、答えは「ジェムソン」です 。
世界中のバーで圧倒的なシェアを誇る というのは、それだけ「いつ、どこで、誰が、どんな飲み方をしても美味しい」という絶対的な信頼感があるからだと思います。
この信頼感の源は、もちろんその味わい。アイルランド南部、コーク州のミドルトン蒸留所 で造られるジェムソンは、伝統の3回蒸留 と、ピートを使わないノンピート麦芽 、そして「ポットスチルウイスキー」と「グレーンウイスキー」の絶妙なブレンド によって、究極のスムースさを実現しています。
スタンダードな緑のボトルは、青りんごのような爽やかさ 、ナッツやバニラの甘み、そしてほのかなシェリー樽由来の甘みが完璧なバランスでまとまっています。
まさに「ザ・アイリッシュ」と呼ぶべき、非の打ち所がないオールラウンダーですね 。
でも、ジェムソンの本当に面白いところは、その「王様」の地位に安住せず、次々と革新的なラインナップを提案してくれているところなんです。
スタンダード(緑)の他にも、いろいろな「個性」が楽しめるんですよ。
ジェムソンの主要ラインナップ
「ジェムソンは緑のボトルしか知らない」という方は、ぜひこちらのラインナップもチェックしてみてください。世界が広がると思います。
スタンダード (緑)
全ての基本。
ハイボールはもちろん、寒い日にぴったりのカクテル「アイリッシュコーヒーの作り方」のベースとしても最高です。
スタウト エディション
地元のクラフトビール(スタウト=黒ビール)醸造所と提携し、スタウトの熟成に使った樽を返してもらってフィニッシュ(後熟)に使った1本 。
ジェムソンのスムースさに、黒ビール由来のコーヒー牛乳やビターチョコレートのような香ばしいコクが加わります 。
IPA エディション
ジェムソン カスクメイツ IPAエディション 46% 700ml
スタウト版の成功を受けて登場した、今度は「IPA(インディア・ペールエール)」というホップが効いたビールの樽でフィニッシュしたタイプ。
こちらは、柑橘系のホップの香りが加わり、より爽やかでビターな余韻が楽しめます。
ブラック・バレル
ジェムソン ブラック・バレル 40° 700ml
スタンダードの「プレミアム版」とも言える1本。内側を二度焦がした(=ブラック・バレル)バーボン樽とシェリー樽を使うことで、よりリッチで芳醇なスパイス感、キャラメルやバニラの甘みが強調されています。
シングルポットスチル
ジェムソン シングルポットスチル 700ml 46度アイルランド アイリッシュ ポットスチル ブレンデッド ウイスキー
ジェムソンブランドが満を持してリリースした、伝統の「シングルポットスチル」ウイスキー。
なんとバーボン樽、シェリー樽に加え、アメリカン、ヨーロピアン、アイリッシュという3種のバージンオーク樽(新樽)を使う という贅沢さ。
ジェムソンの「本気」が感じられる、深みのある1本です。
(出典:ジェムソン公式サイト)
「ジェムソンは飲んだことある」という方も、こうして見ると奥が深いですよね。
スタンダードなハイボールでそのスムースさを楽しんだ後は、スタウトエディションやブラック・バレルで「個性の違い」を楽しんでみると、「これもジェムソンなんだ!」という新しい発見があるかもしれませんね。
世界最古のブッシュミルズ

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ジェムソンが「人気No.1」 なら、「ブッシュミルズ」 は「歴史No.1」と言えるかもしれません。なにしろ、北アイルランド にあるこの蒸留所は、1608年の製造ライセンスを持つ、世界最古の蒸留所と言われていますからね。(※もちろん、途中で操業停止していた期間もあるので諸説ありますが、その歴史の深さは本物です)
この歴史あるブッシュミルズの特徴は、ジェムソンやタラモア・デューとはまた違う、伝統的に「モルト(大麦麦芽)」の扱いに長けていること \ にあると思います。
もちろん、アイリッシュウイスキーの基本である3回蒸留 、そしてアイルランド産100%のノンピート麦芽 \ という点は守っているのですが、そのこだわりはスタンダードなボトルにも表れています。
例えば、定番の「ブッシュミルズ オリジナル」はブレンデッドウイスキーですが、なんとモルト原酒の比率が50%も使われているんです \。これは、一般的なブレンデッドウイスキーと比べるとかなり高い比率です。
だから、ジェムソンが「ポットスチル+グレーン」 \ で生み出すスムースさやスパイシーさ と比べられることが多いのですが、ブッシュミルズは「モルト+グレーン」 [ - 脚注参照, S_R99] のため、よりフルーティーで華やかな味わいの豊かさ を感じやすい、という方も多いんですね。
そして、ブッシュミルズのラインナップは、まるでウイスキー愛好家が育っていく「成長の軌跡」みたいになっているのも面白いところです。
ブッシュミルズで辿る「成長の軌跡」
① オリジナル (ブレンデッド)
まずはここから。
ブッシュミルズの「名刺代わり」の1本です。
50%という高比率のモルト原酒 \ がもたらす、軽やかでフルーティーな味わい は、ウイスキー入門に最適ですね。
② ブラックブッシュ (ブレンデッド)
ブッシュミルズ ブラックブッシュ 40度 700ml
スタンダードから一歩進んだ「コスパ最強」ボトル 。
これは本当にすごいです。
ブレンデッドでありながら、モルト原酒の比率が80%以上!
しかも、そのモルト原酒の多くはオロロソ・シェリー樽で最長7年熟成させたもの \ という、もうほとんどシングルモルトのような贅沢さ。
シェリー樽由来の熟した果実の香りと重厚な味わい が、2,000円台 で楽しめる名作だと思います。
③ シングルモルト 10年
ブッシュミルズ シングルモルト 10年 正規品 40度 700ml
いよいよ、ブッシュミルズの真骨頂「シングルモルト」の世界へ。
この10年は、アイリッシュ・シングルモルトの入門として完璧な1本です 。
主にバーボン樽とシェリー樽で熟成され、はちみつ、バニラ、ミルクチョコレートのような甘さが特徴と言われています。
スムースながらも、モルトの旨みをしっかり感じられます。
④ シングルモルト 16年 / 21年
ブッシュミルズ シングルモルト 16年 アイリッシュ ウイスキー 700ml 40%
ここからは「高級・ギフト」の領域ですね。
16年は、バーボン樽とシェリー樽で熟成させた後、最後に「ポートワイン樽」で後熟(フィニッシュ)する「スリーウッド」と呼ばれる製法 。
凝縮された果実感や、ドライレーズン、紅茶のような複雑なニュアンス が楽しめます。
そして最上級の21年は、バーボン樽とシェリー樽で19年以上熟成し、その後「マデイラワイン樽」で2年間フィニッシュ させた、まさに芸術品。
非常に複雑で深みのある味わいは、特別な日の1本にふさわしいですね 。
(出典:アサヒビール公式サイト(ブッシュミルズ) \)
このように、ブッシュミルズは「定番のハイボール」から始まり、「シェリー樽の魅力(ブラックブッシュ)」、そして「シングルモルトの基本(10年)」、最後は「ワインカスクフィニッシュの奥深さ(16年・21年)」まで、自分の好みやレベルに合わせてステップアップしていける、本当に懐の深いブランドだなと思います。
新星バスカーの人気の秘密

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ここ数年で、ウイスキー好きの間で一気に人気銘柄に躍り出たのが「ザ・バスカー」 ですよね。
もしまだ試していなくても、緑色の印象的なラベルを酒屋さんで見かけた方も多いんじゃないでしょうか。
バスカー(The Busker=大道芸人)という名前の通り、2020年に登場 して以来、そのキャッチーな魅力で市場を席巻しています。
まさに、近年のアイリッシュウイスキーの「ルネサンス(復興)」 を象徴するような新星です。
人気の秘密は、いろいろあると思うんですが、私はその「分かりやすい美味しさ」 と、圧倒的なコストパフォーマンスにあると思います。
① 緑ラベル「トリプルカスク」の衝撃
特に注目されているのが、緑色のラベルの「バスカー トリプルカスク」 です。
これはブレンデッドウイスキー(4大分類の「ブレンデッド」ですね)なのですが、その製造方法がとてもユニーク。
名前の通り3つの樽を使っているんですが、それが「バーボン樽」「シェリー樽」、そしてアイリッシュでは非常に珍しい「マルサラワイン樽」なんです 。
マルサラワインというのは、イタリア・シチリア島 で造られる甘口の酒精強化ワインのこと。このマルサラ樽でフィニッシュ(後熟)させることが、バスカーの個性を決定づけています。
伝統的なアイリッシュのスムースさ(3回蒸留)の上に、このマルサラ樽由来のトロピカルフルーツ(マンゴーやパイナップルみたい! )や、バニラ、ダークチョコレートのような甘く華やかな香り がはっきりと乗っていて、とっても個性的。
そして何より、このリッチな味わいのウイスキーが2,000円台で買えてしまう というのが、すごいことだと思います。
これはもう、新時代の「コスパ最強」銘柄の一つと言っていいんじゃないでしょうか。
② 4つの「顔」を持つ蒸留所
バスカーがさらに面白いのは、「緑のボトルだけじゃない」という点です。
バスカーは、アイルランドの「ロイヤルオーク蒸留所」 で造られています。
この蒸留所は、アイリッシュウイスキーの4大分類である「モルト」「グレーン」「ポットスチル」の3種類すべてを、一つの蒸留所内で造ることができる、数少ない蒸留所なんです 。
そして、バスカーはデビューと同時に、その4大分類(ブレンデッドを含む)のすべてをラインナップするという、画期的な戦略をとりました。
これは「アイリッシュウイスキーの多様性を、まずバスカーで全部試してみてください!」というメッセージのようにも感じますね。
バスカー 4つのラインナップ
それぞれの個性が全然違うので、飲み比べてみると本当に面白いですよ。
(出典:The Busker 公式サイト)
| ラベル色 | 種類 | 主な熟成樽 | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|
| 緑 (Blend) | ブレンデッド | バーボン + シェリー + マルサラ | トロピカルフルーツ、バニラ、チョコ |
| 赤 (Malt) | シングルモルト | バーボン + シェリー | メープルのような甘さ、キャラメル、ドライチェリー |
| 青 (Grain) | シングルグレーン | バーボン + マルサラ | 甘いキャラメル、バニラ、オーク、ほのかな干し草のニュアンス |
| 白 (Pot Still) | シングルポットスチル | バーボン + シェリー | 他の3つと全く違う!強めのスパイス、ペッパー、トフィー |
特に「白(ポットスチル)」は、緑のスムースなイメージで飲むと、そのスパイシーさに驚くかもしれません。
これこそが伝統的なアイリッシュの顔の一つなんだな、と実感できますね。
アイリッシュウイスキー銘柄一覧の総括

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ここまで、アイリッシュウイスキーの銘柄一覧について、基本の種類から目的別のおすすめまで、私なりの視点でご紹介してきました。
いやー、こうして改めて整理してみると、本当に今のアイリッシュウイスキーの世界って、多様性に富んでいて面白いですよね。
昔は「アイリッシュウイスキー=軽くてスムース」という、良くも悪くも「個性が弱い」イメージがあったかもしれませんが、それはもう過去の話なんだな、と実感します。
今のアイリッシュウイスキー市場は、大きく3つの魅力的な流れが共存している状態だと思うんです。
① 王道の「スムースさ」という懐の深さ
「ジェムソン」 や「ブッシュミルズ」 に代表される、3回蒸留 が生み出す「王道のスムースさ」。
これがウイスキー初心者 の方を優しく迎え入れてくれる、アイリッシュウイスキーの最大の入り口であり、変わらない魅力ですね。
② 伝統の「シングルポットスチル」という奥深さ
「レッドブレスト」 が守り続ける、「未発芽大麦」 を使った「シングルポットスチル」という独自の深い伝統。
このクリーミーでスパイシーな 味わいは、アイリッシュウイスキーでしか体験できない、まさしく「通」の領域です。
③ 革新の「ニューウェーブ」という楽しさ
そして、今一番アツいのがこの流れです。
「バスカー」 のマルサラ樽 のような革新的な樽使い(カスクフィニッシュ)や、ダブリン市内に125年ぶりに蒸留所を復活させた「ティーリングウイスキー」 のような「ニューウェーブ」 たちです。
これらが「スムース」という土台の上で、実にカラフルな個性を発揮しています。
他にも、大手ディアジオが手掛ける「ロー&コー」 のように、カクテルベース として世界のバーシーンで注目を集めている銘柄もあります。
アイリッシュウイスキーを使ったカクテルといえば、やはり「アイリッシュコーヒーの作り方」 が有名ですが、それだけじゃない新しい楽しみ方も広がっているんですね。
もし、あなたが「アイリッシュはスムースなだけで、ちょっと物足りないかな」というイメージを昔に持っていたとしたら、本当にもったいない!と私は思います。
ぜひこの機会に、伝統の「シングルポットスチル」や、新しい「カスクフィニッシュ」の銘柄を試してみてほしいです。
きっと、その奥深さや華やかな香りに「これがアイリッシュ!?」と驚くと思いますよ。
ウイスキーの価格について
この記事で紹介した価格(〇〇円台など)は、私が調査した時点での一般的な目安です 。
ウイスキーの価格は、購入する店舗やオンラインショップ、時期、為替、あるいは終売・休売などの影響で大きく変動することがあります。
あくまで「だいたいこのくらいの価格帯なんだな」という参考程度に捉えていただき、正確な価格は各販売店の情報をご確認くださいね。
お酒は適量を心がけましょう
ウイスキーはアルコール度数の高いお酒です。
もちろん、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
美味しいウイスキーに出会うと、ついつい飲みすぎてしまう気持ちもわかりますが(私もです…)、飲みすぎには注意して、自分のペースで、香りや味わいをゆっくり楽しむようにしてくださいね。
適量を守って、健康的なウイスキーライフを送りましょう。
【参考情報一覧】
- バーテンダー厳選|アイリッシュウイスキーのおすすめ銘柄一覧: https://inokazu.com/recommended-irish-whiskey/
- たるブログ|世界の有名バーで人気のアイリッシュウイスキー: https://whisky-taru-blog.com/
- LEON.JP|「アイリッシュウイスキー」ってどんなお酒?: https://www.leon.jp/gourmet/121188
- SAKEMART Blog|アイリッシュウイスキーとは?: https://www.saketry.com/saketryblog/whisky/what-is-irish-whiskey/
- たのしいお酒.jp|「バスカー」はトロピカルな風味が魅力: https://tanoshiiosake.jp/12145
- Wikipedia|アイリッシュ・ウイスキー: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
- 酒類ドットコム|アイリッシュウイスキー: https://www.syurui.co.jp/collections/irlwh
- ウイスキーメシ|1000円台おすすめウイスキー: https://www.whiskymesi.com/1000whisky/
- 酒類ドットコム|1,000円台ウイスキー特集: https://www.syurui.co.jp/blogs/magazine/20241122
- 週末世界のPICTOGRAM|三大アイラウイスキー: https://calikura.com/entry/20200327-islay-6/

